こんにちは、行政書士の三澤です!
「電気工事を始めたいけど、どんな登録が必要なの?」「そろそろ登録や許可を取らないとマズいかも…」
そんな疑問やお悩みを感じていませんか?

この記事では、
・これから電気工事業を立ち上げたいと考えている方(個人・法人問わず)
・建設業許可との違いがわからず、どちらを取ればいいのか悩んでいる方
・安心して合法的に電気工事を行いたいと考えている方

といった電気工事事業者の皆さまに向けて、電気工事業登録と建設業許可の違い・手続き方法(愛知県対応)について、初めての方でもわかりやすいよう実務の視点で丁寧に解説していきます。

この記事を読むことで、どの手続きが必要か/自分がどの区分に該当するか/登録・許可の流れや注意点などが明確になり、スムーズに準備を進められるようになります。

「うちでも登録が必要?」「建設業許可を持っていれば大丈夫?」と迷われている方の道しるべとなるよう、ポイントを絞ってご紹介します。

それでは、さっそく見ていきましょう!

目次

1. 「電気工事業登録」と「建設業許可(電気工事業)」の違いについてざっくり解説

まず最初に押さえておきたいのは、電気工事に関する主な手続きには次の2種類があるということです:

区分電気工事業登録建設業許可(電気工事業)
根拠法令電気工事業の業務の適正化に関する法律建設業法
対象請負金額に関係なく電気工事を行う場合一件あたりの請負金額が500万円(税込)以上の場合
必要な場面小規模な工事でも必要大規模工事を請け負う場合

つまり、たとえ工事の規模が小さくても、電気工事を事業として行う以上「電気工事業登録」は必要になるということです。一方、「建設業許可(電気工事業)」は500万円以上の工事を請け負うときに必要な制度です。

そして、実務ではこの2つの制度が併用される場面も多く、正しく理解しておくことが事業トラブルを防ぐ第一歩となります。


次のセクションでは、「電気工事を始めるには何が必要か?」という全体像をマップ形式でわかりやすく解説していきます。

2. 電気工事を始めるには何が必要?全体像をつかもう

電気工事業を始めるには、まず自分の事業がどの手続きに該当するのかを把握する必要があります。以下に、愛知県で電気工事を始める場合に必要となる「登録」や「許可」の全体像を、分かりやすく整理してみました。

ステップで見る!必要な手続き早わかり

  1. 電気工事を事業として行いたい(例:住宅の配線、店舗の照明工事など)
    • 請負金額にかかわらず → 電気工事業登録が必要
  2. その中でも、1件あたりの工事金額が500万円(税込)以上になる場合
    • 建設業許可(電気工事業)も必要
  3. 自家用電気工作物(工場やビルなど)のみを扱う事業者の場合
    • → 「通知電気工事業者」または「みなし通知」制度を検討
  4. 建設業許可は持っているが、電気工事を新たに始める場合
    • → 「みなし登録」または「みなし通知」の届け出が必要

このように、電気工事の内容や規模によって必要な手続きが変わります。

次のセクションでは、「電気工事業登録とはそもそも何か?」について、制度の背景や分類などを詳しく解説していきます。

3. 電気工事業登録とは?

「電気工事業登録」とは、電気工事を安全かつ適正に行うために設けられた制度で、事業として電気工事を請け負うには原則として登録が必要になります。愛知県で事業を始める場合は、愛知県知事への登録が基本となります。

電気工事業登録の目的と根拠法令

この制度は、電気工事業の業務の適正化に関する法律(通称:電工法)に基づいており、主に以下の目的があります:

  • 電気工事の安全確保
  • 電気工作物の保安体制の維持
  • 質の高い施工業者の育成と指導

登録が必要な事業者とは?

  • 住宅や店舗などの一般用電気工作物を対象に工事を行う方
  • 工場やビルなどの自家用電気工作物に関わる工事を行う方
  • 上記を請負契約で事業として行う方(個人・法人問わず)

つまり、「誰かから依頼を受けて報酬を得る形で電気工事をする人」は、原則として登録が必要です。

登録の種類は4パターン

電気工事業登録には、事業者の状況によって次の4つの区分があります:

  1. 登録電気工事業者:建設業許可なしで、一般用または自家用の電気工作物を扱う場合。
  2. みなし登録電気工事業者:建設業許可ありで、上記の工事を行う場合。別途、開始届出が必要。
  3. 通知電気工事業者:建設業許可なしで、自家用のみを扱う場合。
  4. みなし通知電気工事業者:建設業許可ありで、自家用のみの工事を行う場合。こちらも通知が必要。

このように、扱う工作物の種類や建設業許可の有無によって、必要な手続きが細かく分類されています。自分がどのパターンに該当するのかを確認することが大切です。

次の章では、「建設業許可(電気工事業)」について、その内容や取得条件を詳しく見ていきます。

4. 一般建設業許可(電気工事業)とは?

建設業許可の中でも、「電気工事業」は専門性が高く、一定規模以上の工事を行う場合に必須となります。

建設業許可とは?

建設業法に基づく制度で、原則として一件あたり500万円(税込)以上の工事を請け負う場合には、該当する業種ごとに許可を取得する必要があります。電気工事を含む29業種のうちの1つが「電気工事業」です。

電気工事業で建設業許可が必要となるケース

たとえば、以下のような工事を500万円以上で請け負う場合には、電気工事業の建設業許可が必要になります:

  • 工場の電源設備設置工事
  • 商業ビルの照明・配線改修工事
  • 公共施設の電気設備工事 など

許可取得のための主な要件

  1. 経営業務の管理責任者(経管)がいること
    • 5年以上の建設業経験などの実績が必要
  2. 専任技術者の配置
    • 一級・二級電気工事施工管理技士や、電気工事に関する学科卒+実務経験者など
  3. 誠実性・財産要件
    • 過去の不正行為がないことや、一定の自己資本や借入能力を有することなど
  4. 欠格事由に該当しないこと
    • 暴力団関係者でない、破産手続中でない等

登録と許可の関係性に注意!

建設業許可(電気工事業)を取得すれば「電気工事業登録が不要になる」というわけではありません。建設業許可を取った場合は「みなし登録電気工事業者」として別途届出が必要になります。

したがって、大規模な電気工事も視野に入れている場合には、両方の制度を正しく理解し、段階的に取得していく戦略が重要です。

次章では、この2つの制度の違いを一覧で比較しながら整理していきます

5. 【比較表】登録と許可の違いを一目でチェック!

ここまで読んで、「登録と許可、似ているけど何が違うの?」と感じた方も多いと思います。そこで、制度の違いを一目で理解できるよう、表にまとめました。

比較項目電気工事業登録建設業許可(電気工事業)
根拠法令電気工事業の業務の適正化に関する法律建設業法
対象工事一般用または自家用電気工作物の工事(請負金額に関係なし)電気工事で1件の請負金額が500万円(税込)以上のもの
必要な資格者主任電気工事士の選任が必要専任技術者の配置が必要(施工管理技士など)
申請先愛知県知事または経済産業大臣愛知県知事(知事許可の場合)
有効期間5年(更新制)5年(更新制)
更新手続き登録の更新申請が必要許可の更新申請が必要
その他の特徴電気工事を安全に行う体制確保が目的一定規模以上の請負工事を行うための許可制度

ポイント解説:どちらも必要なケースが多い!

多くのケースで「電気工事業登録」と「建設業許可(電気工事業)」は併用が必要になります。

  • 小規模な電気工事(500万円未満)→ 登録だけでOK
  • 500万円以上の工事も請けたい → 登録 + 許可 両方必要

「建設業許可を取れば、登録はいらない」という誤解もよくありますが、実際には別制度であり、それぞれに必要な届出・申請があります。

次章では、具体的な事業者のケースごとに、どの手続きが必要になるのかをフローチャート形式でご紹介します。

6. あなたはどの手続きが必要?具体的なケース別フローチャート

実際のところ、「自分のケースではどんな手続きが必要になるのか」が気になる方も多いでしょう。ここでは、よくある4つのパターンに分けて、必要な手続きを整理してみました。

ケース1:住宅や小規模店舗の配線工事(500万円未満)を請け負う

→ 【必要なのは?】

  • 電気工事業登録(登録電気工事業者)
  • 建設業許可は不要(500万円未満なので)

ケース2:防犯カメラ・エアコン設置などの電気配線工事を行いたい

→ 【必要なのは?】

  • 工事内容に「電気配線」が含まれていれば、電気工事業登録が必要
  • 金額が500万円未満なら建設業許可は不要

ケース3:工場やビルなど、自家用電気工作物だけを扱う事業者

→ 【必要なのは?】

  • 建設業許可がなければ → 通知電気工事業者としての届け出が必要
  • 建設業許可がある → みなし通知電気工事業者としての届け出が必要

ケース4:500万円を超える規模の電気工事も請け負いたい

→ 【必要なのは?】

  • 建設業許可(電気工事業)の取得が必要
  • 併せて「みなし登録電気工事業者」としての届出も必要

どのケースでも、まず「電気工事を事業として行う場合は何かしらの登録・届け出が必要」という点が共通です。

次章では、電気工事業登録の具体的な手続き方法について詳しく解説していきます。

7. 電気工事業登録の手続き方法(愛知県版)

ここでは、愛知県内で「電気工事業登録」を行う際の具体的な手続き方法を解説します。手順が多く感じられるかもしれませんが、一つずつ丁寧に確認すれば難しくありません。

登録に必要な書類(主なもの)

個人事業主か法人かによって若干の違いがありますが、主な提出書類は次の通りです:

  • 登録電気工事業者登録申請書
  • 申請者に係る誓約書(個人用・法人用)
  • 主任電気工事士に係る誓約書(該当者が申請者本人・法人役員でない場合)
  • 主任電気工事士の雇用証明書(同上)
  • 電気工事士免状の写し(第一種または第二種)
  • 実務経験証明書(第二種の場合は3年以上の経験が必要)
  • 本人確認書類(運転免許証など)または登記事項証明書(法人)
  • 電気工事業者カード(愛知県所定様式)
  • 手数料納付書(愛知県収入証紙貼付)

※状況により追加書類が必要な場合があります。事前に県の公式サイト等で確認するのがおすすめです。

提出先と受付時間

申請は、営業所の所在地を管轄する愛知県の各県民事務所などに提出します。名古屋市内であれば「消防保安課 産業保安室」が窓口です。

営業所の所在地所管事務所住所・連絡先
・名古屋市

・愛知県内に営業所が複数あり、所管事務所がまたがる場合

・電気工事士免状
防災安全局 防災部 

消防保安課 産業保安室
〒460-8501

名古屋市中区三の丸3-1-2

(愛知県本庁舎3階)

〈052〉954-6199
豊橋市、豊川市、蒲郡市、田原市東三河総局

防災安全課
〒440-8515

豊橋市八町通5-4

(愛知県東三河総合庁舎2階)

〈0532〉35-6119
新城市、設楽町、東栄町、豊根村東三河総局

新城設楽振興事務所

県民防災安全課
〒441-1365

新城市字石名号20-1

(愛知県新城設楽総合庁舎2階)

〈0536〉23-2114
一宮市、瀬戸市、春日井市、犬山市、江南市、小牧市、稲沢市、尾張旭市、岩倉市、豊明市、日進市、清須市、北名古屋市、長久手市、東郷町、豊山町、大口町、扶桑町尾張県民事務所

防災安全課
〒460-8512

名古屋市中区三の丸2-6-1

(愛知県三の丸庁舎4階)

〈052〉961-1519
津島市、愛西市、弥富市、あま市、大治町、蟹江町、飛島村海部県民事務所

県民防災安全課
〒496-8531

津島市西柳原町1-14

(愛知県海部総合庁舎2階)

〈0567〉24-2125
半田市、常滑市、東海市、大府市、知多市、阿久比町、東浦町、南知多町、美浜町、武豊町知多県民事務所

県民防災安全課
〒475-8501

半田市出口町1-36

(愛知県知多総合庁舎2階)

〈0569〉21-8111
岡崎市、碧南市、刈谷市、安城市、西尾市、知立市、高浜市、幸田町西三河県民事務所

防災安全課
〒444-8551

岡崎市明大寺本町1-4

(愛知県西三河総合庁舎2階)

〈0564〉27-2705
豊田市、みよし市西三河県民事務所

(豊田加茂

防災安全グループ)
〒471-8503

豊田市元城町4-45

(愛知県豊田加茂総合庁舎2階)

〈0565〉32-7493
・愛知県以外の中部近畿産業保安監督部管内にも営業所がある、又は増設するとき

・認定電気工事従事者認定証

・特種電気工事資格者認定証
経済産業省

中部近畿産業保安監督部

電力安全課
〒460-8510

名古屋市中区三の丸2-5-2

〈052〉951-2817

手数料と処理期間

  • 登録手数料:22,000円(愛知県収入証紙またはキャッシュレス対応窓口で納付)
  • 標準処理期間:約10日

手続きの流れ

  1. 必要書類を準備(様式は愛知県HPからダウンロード可能)
  2. 管轄窓口に提出し、手数料を納付
  3. 書類審査(不備があると補正依頼あり)
  4. 問題がなければ、登録証が交付される

登録の有効期間は5年間で、継続して事業を行うには更新手続きが必要です。更新申請は、有効期限の1ヶ月前を目安に行いましょう。

次章では、制度の背景となる関連法令や、罰則規定についても簡単に触れておきます。

8. よくある質問(Q&A)

電気工事業登録や建設業許可について、実際に寄せられることの多い質問をまとめました。疑問や不安を感じたときの参考にしてみてください。

Q1. 建設業許可(電気工事業)を持っていれば、電気工事業登録は不要ですか?

いいえ。 建設業許可を持っていても、「みなし登録電気工事業者」としての届出が必要です。登録制度とは別枠の手続きが求められます。

Q2. 電気工事業登録がないと、建設業許可(電気工事業)は取得できませんか?

取得自体は可能です。 ただし、許可取得後に「みなし登録」等の手続きが必要となります。

Q3. 「登録」と「通知」の違いは何ですか?

工事対象が異なります。

  • 「登録」は、一般用・自家用の両方を扱う場合に必要
  • 「通知」は、自家用電気工作物のみを扱う場合に必要

Q4. 主任電気工事士になるには?

→ 第一種電気工事士免状、または第二種免状+3年以上の実務経験が必要です。

Q5. 愛知県で登録すれば、他県でも仕事できますか?

→ 主任電気工事士の常駐や指導体制など、保安管理面の要件も確認が必要ですので、そちらの確認をする必要があります。

Q6. 電球交換にも登録が必要ですか?

→ 簡易な電球交換(配線を伴わないもの)は登録不要です。ただし、配線工事や電源接続がある場合は登録・資格が必要です。

Q7. 登録の有効期間と更新タイミングは?

→ 有効期間は5年で、満了1ヶ月前を目安に更新申請を行う必要があります。

Q8. 書類はどこで手に入りますか?

→ 愛知県の公式ホームページで、最新の様式をダウンロード可能です。


9. まとめ

ここまで、愛知県で電気工事業を始めるために必要な「電気工事業登録」と「建設業許可(電気工事業)」について、制度の違いから具体的な申請方法まで、網羅的に解説してきました。

今回のポイントをもう一度整理すると:

  • 電気工事業を事業として行うには、請負金額にかかわらず「電気工事業登録」が基本的に必要。
  • 1件500万円以上の工事を請け負うには「建設業許可(電気工事業)」も必要。
  • 両制度は併用されることも多く、届出や更新手続きも別個に行う必要がある。
  • 自分の工事内容や規模に応じて、適切な制度を選び、期限に注意しながら対応することが重要。

制度や法律はややこしく感じるかもしれませんが、仕組みを正しく理解していれば、無用なトラブルや違法行為を防ぐことができます。そして、それはお客様や元請からの信頼にもつながります。

もし、「自分はどの区分に当てはまるのか分からない」「書類の準備が不安」という場合には、専門家である行政書士に相談するのも一つの方法です。

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