「下請けが建設業許可を持っていれば、自分は建設業許可を持っていなくても大丈夫なんでしょうか?」

なぜかわかりませんが、これまで何度かそういう質問をされたことがあります。「誰か」がそう言っていたそうです。

これには2つの問題があります:

  1. 建設業許可における無許可営業の問題
  2. 一括下請負(いわゆる丸投げ)の禁止規定の問題

専門工事であれば500万円以上、一式工事であれば1,500万円以上(材料費を含む)の工事を請け負う場合は、建設業許可が必要になります。「材料費まで含める」ので、まじめに営業されている建設業者様だと割とすぐそういう仕事が来たりして、許可が必要になって困る、というのが実態だとおもいます。

建設業者の方にとっては実際に悩ましい問題です。「せっかく来た大きなチャンスを、許可がないから受けられない」「別に許可を取らないつもりはなくて、これから取ろうとは思っているけれど、現時点ではまだ許可がない」という状況は珍しくありません。大体私のような行政書士が相談を受けるのもこの段階です。

ここで「下請けに建設業許可を持っている業者がいるので、そこに入ってもらえば大丈夫」と誰かが言っていたけど本当?という相談をたまに受けます。しかも複数回受けたことがあります。ですが、これはそもそも間違いです。

すべて丸投げしているのであれば、一括下請負の禁止規定に抵触します。一括下請負が発覚した場合、営業停止処分や、場合によっては許可の取り消し処分の対象になり得ます。また、無許可のまま500万円以上の工事を請け負っていたこと自体も、別途無許可営業として罰則の対象です。仮に罰則を受ければ、その後5年間は建設業許可を取得できなくなり、軽微な工事しかできない状態がしばらく続くことになります。せっかく取ろうとしていた許可がかえって遠のいてしまうということです。

(こんな厳しい説明の仕方は面と向かってはできないですけどね。でも法律としてはこうなっています。)

また、割とよく聞く声として「バレなければ大丈夫じゃないか?」「受けたら何がまずくなるのか?」というものもあります。この質問に対して何かを答えることは、行政書士という立場上できません。ただ、私からお伝えするとすれば、そもそも丸投げで受けた工事は建設業許可を申請する段階で工事履歴に書くことができません。さらに、もし発覚すれば建設業許可すら取れなくなるという話にもなってきます。だから対面での相談や電話での質問に対しては、「そういうことはしない方がいいですよ」としか答えられません。

あと、大抵こういうケースで発覚するのは、下請けに入っている業者からのチクリです。なぜか「いやいや、うちは下請けとかなり良好な関係を築いているから、そこは気にしなくても大丈夫だ」という反応をされたこともあります。これについて私から言えることは特に何もありません。いえるのは「そういうことはしない方がいいですよ」だけです。

建設業許可は、明らかな間違いさえおかさず、必要な要件を満たせば、許可は取れるものです。審査基準を客観的に満たしているのに許可が下りなかった、ということは、現実よっぽどないでしょう。ですから、しかるべき時期が来てしまえば許可は下りるものだと思っていただいた方がいいと思います。そのしかるべき時期が来る前に、あえて危険な橋を渡るのはぜひやめていただきたい。

独立して今はまだ建設業許可を持っていないけれど、「まだ大きな仕事が来る見込みはないし」と思っている方でも、いずれ「大きな仕事」が来るでしょう。
三澤行政書士事務所では許可申請を満たしていない段階からでも、ご相談を受け付けております。要件を満たせると分かった時点ですぐに申請できる体制を整えておくことができるからです。私は相談に乗るのが好きですし、建設業のお役に立ちたいと思っています。そういう世界で育ってきたので。ガンガン大きな仕事をしてほしいと思うので。

そして、大きなチャンスを逃さないための一番大事な備えになるからです。

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この記事を書いた人

三澤祐喜 行政書士

三澤 祐喜|三澤行政書士事務所(愛知県武豊町)

行政書士 / CCUS登録行政書士

産業廃棄物処理業者に10年以上勤めたのち、2024年に行政書士事務所を開業しました。建設業・運送業・廃棄物処理法・農地法が絡み合う現場の内側にいたので、書類だけを見ていては分からないことがあることを知っています。
このサイトの記事は、実際の案件で調べたこと、窓口で確認したことを、そのつど記録したものです。建設業許可を中心に、産業廃棄物・農地転用・運送業・古物商などの許認可を扱っています。
書類を作ることそのものが仕事だとは思っていません。許認可の壁を越えて、事業を前に進める役を引き受けたいと考えています。

愛知県行政書士会 知多支部|登録番号 第24191550号