こんにちは、行政書士の三澤です!

「建設業許可の“営業所”って、どう判断されるの?」
「登記はしてるけど、この事務所で本当に申請できるのかな…」
そんな疑問や不安を感じていませんか?

この記事では、

  • 本店や支店を持っているが、どこを営業所として申請すべきかわからない方
  • 契約締結の拠点を増やしたいけれど、許可の要件に不安がある方
  • 愛知県内で建設業を営んでいて、今後の事業展開を見据えて許可申請を検討している方

といった 中小建設業者や個人事業主の方 を対象に、
建設業許可の根幹とも言える「常時建設工事の請負契約を締結する事務所」とは何か、
そして営業所として認められるための実務上の要件について、
現場視点+法制度+愛知県の実務運用をもとに、やさしく丁寧に解説します。

この記事を読むことで、

  • 「営業所」の正しい意味と法的な定義がわかる
  • 自社のどの拠点を許可申請の対象にすべきか判断できる
  • 愛知県で申請を通すために必要なチェックポイントが明確になる

といった実務的なヒントが得られます。

「この拠点で申請していいのか?」「人員配置や写真ってどう準備すれば?」
そんなお悩みをお持ちの方にとって、判断と準備の“道しるべ”になる内容をお届けします。

それではさっそく、見ていきましょう!

目次

1. そもそも「営業所」とは何か?

法律上の定義:建設業法施行令第3条

建設業許可を取得する際、多くの方がまず直面するのが「営業所とは何か?」という問題です。
言葉だけを聞くと、「本社」「支店」「事務所」など、登記簿上の記載で判断されると思いがちですが、建設業法上はそうではありません。

建設業法施行令第3条第1項では、営業所について次のように定義されています。

「営業所」とは、本店または支店、若しくは常時建設工事の請負契約を締結する事務所をいう。

この「常時契約を締結する事務所」という表現が、建設業法における営業所の本質です。つまり営業所とは、“名称”ではなく“機能”で判断される場所なのです。

キーワードは「常時契約を締結する事務所」

建設業許可においては、次の2つの機能を備えていなければ、「営業所」として認められません。

  • 建設工事の請負契約の締結に関する実質的な業務を行っていること
  • それが一時的ではなく常時行われていること

つまり、「たまたまこの事務所で1件だけ契約書を交わしたことがある」程度では要件を満たしません。見積書の提示や契約内容の交渉、契約書の作成・押印といった契約に至る一連の業務が継続的に行われている拠点である必要があります。

この要件は、単に机と椅子を置けばクリアできるという話ではなく、その場所で誰が何をしているか(人的実態)が重視されます。

登記の有無よりも、“実態”がすべて

ここで重要なのが、営業所の認定は登記では決まらないという点です。

よくある誤解実際の判断基準
「支店登記してあるから営業所になるはず」登記があっても、契約締結業務をしていなければ営業所ではない
「現場事務所を営業所として申請したい」仮設・一時的な事務所は“常時”の要件を満たさず不可
「小さいスペースだけど備品もあるし大丈夫?」愛知県では写真や備品の設置状況、常勤者の有無を確認される

愛知県では、営業所申請の際に、事務所の写真(外観・入口・内部・表札等)の提出を求められることが一般的です。
さらに、実態調査においては以下のような点がチェックされます。

  • 事務机や書類棚、コピー機などの設置状況
  • 名称表示(商号プレートや郵便受けの表記)
  • 経営業務管理責任者や専任技術者の常勤性

つまり、「ただの住所」や「ペーパーカンパニー的な事務所」では通用しません。
営業所として認められた拠点には、法的に重要な義務(人的配置・報告義務)が課されるため、その判断は非常に厳格です。

ポイントまとめ

  • ✅ 契約に関する実質的な業務を、継続的に行っているか?
  • ✅ 契約締結に関わる人が、常勤で勤務しているか?
  • ✅ 単なる倉庫や仮設事務所ではなく、営業活動の拠点となっているか?
  • ✅ 写真提出や標識掲示など、愛知県の実務運用を満たしているか?

営業所の要件判断、ひとりで抱えていませんか?

  • 「この場所、営業所として申請できるのかな…」
  • 「支店に人を置けば足りる? 専任技術者もいる?」
  • 「そもそも何を証明すればいいのかわからない…」

そんなときは、建設業界の実情をよく知る行政書士がサポートいたします。
三澤行政書士事務所では、愛知県の運用に即した要件チェックや、写真準備・配置計画の策定まで一括対応しています。

迷ったまま申請して不許可になる前に、まずは一度、専門家にご相談ください。
的確な判断と効率的な準備で、申請成功への最短ルートをご提案します。

2. 「常時」ってどういう意味?

一時的・仮設ではダメ。恒常的に活動している必要あり

「常時建設工事の請負契約を締結する事務所」として認められるためには、「常時」というキーワードを正しく理解しておく必要があります。
この「常時」は、単なる“いつでも”ではなく、「継続性と恒常性を持って業務が行われている状態」を意味します。

建設業法施行令第3条で定義される営業所の要件において、「常時」契約を締結するとはどういうことか?
それは、その拠点が一時的なものではなく、恒常的に建設業の請負契約に関する業務を行っている場所であることを求められているということです。

たとえば、次のような拠点は「常時」の要件を満たしません。

  • 特定のプロジェクトのために一時的に開設された仮設事務所
  • 工事終了後に撤去予定の現場事務所
  • 倉庫や資材置き場として使用されているだけで、契約に関与しない拠点

これらは「契約業務の拠点」としての継続性がないと判断され、営業所とは認められない可能性が高いのです。

仮設事務所や倉庫では原則×

愛知県の「建設業許可の手引き」においても、仮設事務所や倉庫が営業所として認められることは原則としてありません
その理由は、「常時契約を締結する機能」を十分に果たせないからです。

たとえば、以下のようなケースが該当します。

拠点の種類認定可否理由
工事現場に設置された仮設事務所×工事終了後に撤去される=継続性なし
資材の保管のみを行う倉庫×契約関連業務を行わない=機能なし
契約書を保管しているだけの部屋×契約締結権限がなく、人もいない
実際に見積〜契約まで担当者が常勤する事務所機能と継続性を備える=「常時」該当

常時性チェックリスト

あなたの事務所が「常時」の要件を満たしているかどうか、次のチェックリストで確認してみましょう。

  • 1年を通じて安定的に使用されている拠点か?
  • 契約書の作成・交渉・締結など、実質的な契約業務を行っているか?
  • 担当者(経営業務管理責任者・専任技術者)が常勤しているか?
  • 仮設や一時的な利用ではなく、恒常的な使用が前提の施設か?
  • 愛知県が求める写真(内部・外観・標識等)の提出に耐える実態があるか?

このような視点から判断することが、営業所認定において極めて重要です。

💬 よくある相談:

「今ある現場事務所を営業所として申請できますか?」

回答:原則不可です。
現場事務所はプロジェクトが終われば撤去される性質のため、愛知県では「常時性」が満たされないと判断されやすいです。恒久的に契約業務を行う場所を確保する必要があります。

「仮設でいいと思っていた」その判断、危険かもしれません。

  • 「とりあえず倉庫でも申請できると思っていた」
  • 「現場事務所に標識をつければ通るのでは?」
  • 「“常時”ってこんなに厳しく見られるとは思わなかった…」

愛知県では、営業所の実態確認が非常に厳格です。写真提出や備品の有無、標識掲示の有無など、形式と実態の両方が問われます。

三澤行政書士事務所では、現場状況に即した判断支援から、営業所として通るための事前アドバイス、証拠写真の撮り方の指導までサポートしています。

「この場所で通るか不安…」という方は、申請前にまずご相談ください。
“失敗しない判断”を、専門家がご一緒にサポートします。

3. 「契約を締結する」とはどこまでを指す?

単なるハンコ押しじゃない

「契約を締結する」というと、多くの方が「契約書に印鑑を押すこと」を思い浮かべるかもしれません。
しかし、建設業許可における「契約締結業務」の判断基準は、そのような形式的な行為だけではありません

建設業法においては、「請負契約の締結」という表現が、実質的に契約に至る一連の流れ全体を含んでいると解されています。つまり、「契約書に署名押印すること」だけでなく、そこに至るまでの業務全体が重要視されます。

実質的に見積・交渉・契約交付の流れを担っていれば対象

以下のような業務を、継続的に行っている拠点であれば、たとえ最終的な押印が別の場所で行われていたとしても、「契約締結業務を行っている営業所」として認定される可能性があります。

✅ 契約締結業務に該当する実務例:

  • 工事内容に関する打ち合わせ・仕様調整
  • 見積書の作成・提出
  • 契約条件の交渉(工期、金額、工法など)
  • 契約の申込み・承諾の意思表示
  • 契約書の作成、内容説明、交付
  • 見積から契約までを担当する営業担当者が常勤している

つまり、“契約の意思決定プロセス”を担っているかどうかが重要です。

“伝言係”では営業所とは言えない

一方で、次のような業務しか行っていない拠点は、「契約締結事務所」とは見なされません。

❌ 営業所に該当しない例:

業務内容理由
お客様の要望を本店に伝えるだけ契約の判断・交渉に関与していない
見積書や契約書の「受け渡し」のみ単なる書類運搬や補助業務
契約書の押印権限を持っていない決裁権がなければ判断機能がない

愛知県の「建設業許可の手引き」でも、「営業所として認められるには、契約締結権限を有し、実際にそれを行っている拠点であることが必要」と明記されています。

そのため、単なる「中継地点」や「伝言係」的な機能では、営業所とは認められず、許可要件を満たしたことにはなりません。

✅ 契約締結機能チェックポイント

次のチェックリストで、自社の拠点が契約締結機能を有しているかを確認してみましょう。

  • 見積や契約条件の提示・調整を日常的に行っているか?
  • 営業担当者が常駐し、契約内容の判断権限を持っているか?
  • 契約書類の作成・交付・管理がその拠点でなされているか?
  • 契約に関する意思決定が、本店を経由せずに完結しているか?

上記の複数項目を満たす場合、その拠点は「営業所」として申請できる可能性があります。

💬 よくある誤解

Q. ハンコを本社で押すので、支店は営業所に当たりませんよね?

A. それだけでは判断できません。
契約交渉や見積の提出を支店で行っているなら、実質的には契約締結機能があると見なされる可能性があります。押印だけが判断基準ではありません。

契約の“どこまで”を行えば営業所になるのか、不安な方へ。

  • 「この支店で契約交渉をしているけど、営業所になるのかな…」
  • 「署名押印は本社だけど、やり取りは全部支店でやってる」
  • 「営業所と見なされるかどうか、行政に聞いてもはっきりしなかった」

そんな不安をお持ちの方へ、三澤行政書士事務所では実際の業務フローをもとに営業所該当性を判断し、必要であれば構成の見直しや人員配置のアドバイスまで行います。

書類の押印場所だけで判断していたら、申請でつまずくことも。
実務の流れから読み解く“本当の営業所”の考え方を、専門家と一緒に整理しませんか?

4. 本店・支店が「営業所」として認められるかどうかの判断基準

登記していても、契約権限がなければ営業所にならない

「本店」「支店」と聞くと、それだけで建設業許可における“営業所”として認められると思いがちですが、実はそう単純ではありません。
建設業法では、営業所として認定されるかどうかは、登記の有無ではなく、実際にその拠点で契約業務が行われているかどうかが基準になります。

たとえば、法人登記簿に「●●支店」と記載されていたとしても、そこに契約締結の権限がなければ、建設業法上の「営業所」にはなりません。
その支店で行われている業務が、単なる連絡や伝言、請求処理、作業員の出入りなどにとどまる場合、営業所とは認められず、許可対象外となる可能性が高いのです。

本店・支店ごとの違いと注意点

建設業法では、本店・支店ともに営業所になり得ますが、それぞれに注意すべきポイントがあります。

本店(主たる営業所):

  • 会社の中枢であり、原則として営業所に該当すると見なされやすい
  • ただし、実際に契約行為が行われていなければ「営業所ではない」と判断される可能性もある
  • 経営業務管理責任者の常勤配置が求められる

支店(従たる営業所):

  • 契約業務が日常的に行われているかが重要な判断基準
  • 見積・交渉・契約締結の実態があり、専任技術者が常勤していることが求められる
  • 登記の有無は判断材料にはなるが、必須ではない

✅ 営業所該当性チェックリスト(本店・支店共通)

  • 見積・契約交渉・契約書作成を常時行っている
  • 契約に関する意思決定権限がある
  • 常勤の責任者(専任技術者、経営業務管理責任者等)が配置されている
  • 事務スペース、標識、設備など営業所としての体裁が整っている
  • 写真等による実態証明が可能

💬 実務の誤解あるある

Q. 登記してあるから支店は自動的に営業所になりますよね?
A. いいえ。契約権限がなければ営業所ではありません。

Q. 出張所に担当者を置いているのですが?
A. 契約業務をしていない場合、営業所とは認められません。

建設業許可においては、“営業所”の数=許可の数、配置すべき人の数に直結します。
誤って営業所に該当しない拠点で申請してしまうと、不許可や追加手続きの対象になります。

「営業所かどうか」登記だけで判断していませんか?

  • 「支店って書いてあるから大丈夫だと思っていた…」
  • 「うちは登記してないけど、営業所に該当するのかも?」
  • 「実態ってどこまで必要?配置も必要?」

営業所の判断を誤ると、許可要件の見落としや不許可の原因になります。
三澤行政書士事務所では、本店・支店それぞれの実態をもとに、営業所該当性や必要な人員配置の有無を丁寧にチェックし、最適な申請方針をご提案いたします。

「申請できるか不安」「判断に迷う」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
確実に通るために、制度と実務の“すき間”を埋める支援をいたします。

5. 営業所には「責任者の常勤」が必要

経営業務管理責任者と専任技術者の配置義務

営業所として認められると、その瞬間から発生する重要な要件があります。
それが「人的配置要件」、つまり経営業務管理責任者(いわゆる“経管”)専任技術者(専技)の常勤配置義務です。

建設業許可を取得するためには、各営業所に対して以下のような人員配置が求められます。

拠点の区分配置が必要な責任者要件
主たる営業所(通常は本店)経営業務管理責任者 + 専任技術者両者ともに常勤配置が必要
従たる営業所(支店等)専任技術者のみ各営業所に常勤で1名以上配置

「営業所」と認められると、人的要件が発生

「営業所に該当するかどうか」は、単なる呼び名や登記ではなく、実態によって判断されるという話は前章までで解説しました。
では、ある拠点が「営業所」と認められた場合、その場で発生するのがこの人的要件の義務化です。

つまり、建設業法上の営業所として認定された=その拠点に専任技術者が常勤していなければならないという構図です。
また、主たる営業所である場合には、さらに経営業務管理責任者の常勤配置も不可欠になります。

この人的配置を怠ったり、形式的に配置したことにしていると、申請不許可や、許可後の指導・取消しの対象になる恐れがあります。

常勤の定義と愛知県でのチェックの厳しさ

「常勤」とは、単に名簿に名前が載っていればよいという話ではありません。
愛知県では特に、その責任者が実際にその営業所で日々勤務しているかどうかを、具体的な証拠によって確認します。

✅ 常勤と認められるための主な要件

  • 健康保険証の「事業所名」が申請する営業所になっていること
  • 住民票や通勤経路から、現実的な通勤が可能な範囲に住んでいること
  • 他法人の常勤役員や他営業所の専任技術者を兼ねていないこと
  • 雇用契約書・勤務記録などで実際の勤務実態を示せること

❌ 常勤性が否定されやすいケース

状況指摘されやすい理由
他の法人の代表取締役を兼ねている他社で常勤していると見なされる
個人事業として別に活動している本業が別にあると判断されやすい
遠隔地(片道2時間以上など)に居住常識的に毎日通勤できないと判断される
シフト勤務や出張が多く、常時不在実態の勤務がないと見なされる

愛知県は、営業所の常勤性に関して全国でも厳格な運用をしているといわれており、写真・保険証・出勤記録・契約書類などによる証明が求められるケースも多く見られます。

✅ 人的要件セルフチェックリスト

  • 営業所ごとに専任技術者を常勤配置しているか?
  • 主たる営業所には経営業務管理責任者が常勤しているか?
  • 配置者の保険証・住民票・通勤経路など、常勤性を証明できるか?
  • 他法人との兼務など、常勤を妨げる要素がないか?
  • 実際にその拠点で契約業務や技術管理が行われているか?

💬 よくある相談

Q. 「常勤」は週に何日くらい出勤していればいいんですか?
A. 原則として、平日フルタイム勤務が前提です。非常勤や兼務では認められません。

Q. 他の営業所の専任技術者を兼任できますか?
A. できません。各営業所に1名、常勤で配置が必要です。

「人はいるけど、常勤ってどう証明するの?」という方へ。

  • 「名前はあるけど、他の事務所と兼任している…」
  • 「社長が現場に出てて事務所にいないことが多い」
  • 「健康保険の事業所名まで見られるとは知らなかった…」

愛知県では、営業所要件の中でも「人的要件」が最大のハードルになることも珍しくありません。

三澤行政書士事務所では、申請時に必要な常勤性の証明書類の整備・人員体制の見直しのご提案・行政の審査基準に即したサポートまで一貫して行います。

「今の体制で大丈夫か不安」「これで通るか誰かに確認してほしい」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。
人を動かす前に、“制度と審査”を知ることが、正しい第一歩です。

6. 物理的な要件にも注意!こんな事務所はNG

バーチャルオフィス・登記だけ・無人事務所は不可

建設業許可を取得するうえで、「営業所」の“物理的な実態”は極めて重要なポイントです。
建設業法では、営業所の定義を「常時契約を締結する事務所」として機能的に定めていますが、その機能が発揮される物理的拠点があることも前提となります。

以下のようなケースでは、どれだけ契約に関する業務を行っていると主張しても、営業所とは認められない可能性が高いです。

❌ 営業所として認められない事務所の典型例

事務所形態理由
バーチャルオフィス契約業務を行う物理的スペースがない。人の常駐も不可
登記のみの住所実態がない。郵便物の転送のみなど
無人の事務所経営業務管理責任者や専任技術者の「常勤性」が満たされない
他社と共用のスペース(区分が曖昧)明確に独立した営業所と見なされない可能性がある

営業所には「事務所機能+人的配置+物理的独立性」のすべてが必要です。いずれかが欠けていると、申請時に不許可となるか、追加資料・再調査の対象になります。

愛知県の基準:外観写真、備品、表札などが求められる

愛知県では、「建設業許可の手引き」等において、営業所としての実体確認のため、具体的な物理的要件と証明書類を明示しています。

✅ 愛知県で求められる主な確認項目

  • 外観:建物全体、出入口の写真(他用途との区分がわかるように)
  • 内部:事務机・椅子・パソコン・書庫・電話・複合機などの備品配置
  • 表札・看板:社名が記載されているものが外部に表示されていること
  • 独立性:住居や他社と区分され、明確な業務空間が確保されていること
  • 使用継続性:恒常的な利用が見込まれ、撤去予定や仮設ではないこと

これらの内容は、写真によって証明することが求められ、ガイドラインに記載された項目を満たしているかどうかが審査のカギになります。

よくあるNG例と、許可が通る「正しい設計」

以下に、営業所として不適格となりやすいパターンと、通りやすい設計の違いを整理します。

不適格な設計許可が通る正しい設計
住所バーチャルオフィス・郵便受けのみ実際に出入りできる物理的拠点
表札社名の記載がない・小さすぎる明確に読み取れる社名看板を設置
内部設備椅子・机もなく倉庫のような状態業務に必要な備品が整った事務空間
区分住居兼用で区別が不明確独立した入口・仕切りで明確に区分
人の配置誰も常駐していない責任者が日常的に常勤している

✅ 営業所として認められる物理的要件チェックリスト

  • 事務スペースとして使用されている物理的な部屋がある
  • 机・椅子・電話・コピー機など、業務に必要な備品が揃っている
  • 他の住居や業者と明確に区分されている
  • 外部から見て、社名がはっきりと確認できる
  • 建物の写真・内部写真をいつでも提出できる状態である

「ここで申請できると思っていた」が一番危ない。

  • 「とりあえず住所があればいいと思っていた…」
  • 「書類だけ整えれば大丈夫と思っていた…」
  • 「実態のある営業所かどうか、何を見られるか分からない…」

愛知県では、営業所の物理的な実態について、写真による証拠提出が必須です。
さらに、「名ばかり営業所」を排除するため、独立性・常勤性・備品の有無など、審査は非常に厳格です。

三澤行政書士事務所では、現地の写真の撮り方から、備品の整え方、書類作成・申請までトータルでサポートいたします。

「今の拠点で通るのか不安」「整備が間に合うか心配」
そんな方は、どうぞお気軽にご相談ください。
物理的な要件の整備から、申請成功まで、確かな道筋をお手伝いします。

7. よくある質問・誤解とQ&A形式のまとめ

営業所に関する基準は、条文上の表現が抽象的なこともあり、現場では多くの誤解や疑問が生じやすいポイントです。
ここでは、実際に相談の多い内容をQ&A形式で簡潔にまとめ直し、迷いやすい論点を整理しておきます。

Q1. 住居兼事務所でも営業所になりますか?

A. 条件を満たせば可能ですが、かなり厳しく見られます。

住居と併用している場合でも、営業所として認められるには以下のような条件を満たす必要があります。

  • 業務用スペースと生活空間が明確に区分されている(パーテーションや間仕切りのみはNG)
  • 専用の出入口がある、または来客対応ができる導線が確保されている
  • 備品、設備、机・椅子などが整っており、事務所として継続的に利用されている
  • 表札や看板によって、外部から営業所であることが明確にわかる

特に愛知県では、写真審査でこれらのポイントが厳しく見られます。
「自宅の一角に机がある」程度では、まず認められません。

Q2. 契約書は別の場所で締結してますが大丈夫?

A. 実質的に契約業務をしていれば営業所と見なされます。

契約書の署名・押印そのものが本社で行われていたとしても、次のような実態が支店等にあれば「営業所」として認定されます。

  • 見積の作成・提出、契約条件の交渉などを支店で日常的に行っている
  • 契約相手とのやりとりが支店を介して行われている
  • 営業担当者が常勤し、実質的な契約活動を行っている

つまり、形式よりも機能と実態があるかが重視されます。
契約書の保管場所や最終署名の場所だけでは判断できません。

Q3. 借りてるスペースで申請できますか?

A. 申請は可能ですが、物理的・機能的・人的な条件を満たす必要があります。

賃貸物件などで営業所を設置したい場合、次の点に注意してください。

  • 契約期間が短期すぎないこと(原則1年以上が望ましい)
  • 区画が独立しており、他の事業者と明確に区分されている
  • 看板や社名表示が可能なスペースがある
  • 電話・複合機・机・椅子など、業務ができる設備が整っている
  • 責任者が常勤し、契約業務をその場所で実際に行っている

特に、バーチャルオフィスやレンタルスペースのように、実体や継続利用性が乏しい拠点はNGです。

✅ よくある誤解まとめ表

質問誤解しやすい点正しい理解
自宅でも申請できる?机があればOK区分・標識・設備・写真が必要
契約書は本社で押すけど支店で交渉してる支店は営業所じゃない実態があれば支店も営業所
間借りスペースで大丈夫?登記できればいい継続利用・区分性・備品が重要

「これって営業所になりますか?」の疑問、解消しませんか?

  • 「住居兼事務所ってどこまで整えれば通るの?」
  • 「形式は満たしてると思うけど、実態が足りない気がする…」
  • 「行政に聞いても明確に答えてくれない…」

建設業許可の“営業所”に関する基準は、「法律+通達+自治体ごとの運用」で成り立っており、実務での判断が非常に重要になります。

三澤行政書士事務所では、あなたの実際の拠点や計画をもとに、営業所として通るかどうかの可否判断、必要な整備、申請支援まで丁寧にご案内いたします。

ひとりで悩むより、まずはご相談を。明確な道筋が見えるはずです。

【実務的まとめ】営業所設置のセルフチェックリスト

建設業許可において「営業所」として認められるためには、これまで解説してきたように、形式ではなく実態が問われます。
本章では、申請前に自社の拠点が営業所の要件を満たしているかどうかを確認するための、実務的なセルフチェックリストを紹介します。

契約権限があるか?

建設業法上の「営業所」とは、単なる連絡所ではなく、常時契約を締結する事務所でなければなりません。
したがって、次のような実態が必要です。

  • 契約に関する見積、交渉、条件調整を日常的に行っている
  • 契約締結に関して意思決定を行う権限を持つ者が常勤している
  • 契約書の発行や交付をその拠点で行っている

逆に、単なる「書類の受け渡し」や「本社への伝達役」に過ぎない場合、その拠点は営業所と認められません。

専任者を常勤で配置できるか?

営業所として認められると、専任技術者(すべての営業所)の常勤配置が必須となります。
また、主たる営業所である場合は、経営業務管理責任者の常勤配置も求められます。

  • 配置予定の専任者・経管が他の会社で勤務していないか?
  • 健康保険証・雇用契約書などで「常勤性」が証明できるか?
  • 遠距離通勤や兼務など、常勤と認められないリスクはないか?

愛知県ではこの「常勤性」の確認が特に厳格であり、写真や保険証の提出が求められることもあります。

独立した事務所空間・設備があるか?

物理的な実体のない拠点(バーチャルオフィス、登記だけの場所)は原則不可です。
営業所として認められるには、次のような環境が必要です。

  • 専用の出入口、明確な区画がある
  • 机・椅子・電話・複合機など、契約業務を行うための備品が揃っている
  • 他社や住居スペースと区分されており、営業活動に支障がない

特に住居兼用の場合、パーテーションだけでは足りず、明確な専用空間の存在が求められる点に注意が必要です。

外部から確認できる表札や看板があるか?

愛知県の「建設業許可の手引き」では、営業所の外部から確認できる社名表示(看板、表札等)の設置が要件とされています。

  • 建物の外観から、会社の名称が確認できるか?
  • 表札や看板は、適切なサイズで明瞭に設置されているか?
  • 郵便受けやドア付近に社名が表記されているか?

「表札がない」「社名がわからない」というだけで、写真審査で落とされることもあり得ます。

✅ 総合チェックリスト:営業所としての要件を満たしているか?

以下のチェック項目を確認し、すべてが「はい」と言えるかどうかが判断の目安です。

チェック項目はいいいえ
契約に関する意思決定や交渉を行っているか?
専任技術者(および主たる営業所には経管)を常勤で配置しているか?
備品や書類がそろった、独立した事務空間があるか?
外観写真・内部写真で実態が説明できるか?
看板・表札が明確に設置されているか?

チェックしてみたら「ちょっと不安…」と思ったあなたへ。

  • 「なんとなく大丈夫そう」では通用しないのが、営業所要件の世界です。
  • 愛知県は特に、物理・人的・機能の三要件すべてを写真と書類で裏付けることを求めます。
  • 「通る営業所設計」には、制度理解と審査側の視点が不可欠です。

三澤行政書士事務所では、営業所の現地確認・写真の撮影指導・申請設計・書類作成までワンストップで対応しています。
「この場所で申請できるのか不安」「どこまで準備すればいいかわからない」という方、
ぜひ一度、専門家にチェックさせてください。

おわりに:失敗しないためには“実態重視”で準備を

「営業所」として認められるかどうかは、建設業許可の取得・維持において非常に重要なポイントです。
しかしその判断基準は、登記や呼び名ではなく、あくまで“実態”に基づいて行われるという点を、ここまでの記事で繰り返しお伝えしてきました。

  • 契約に関する業務を常時行っているか?
  • 責任者(経営業務管理責任者・専任技術者)が常勤しているか?
  • 独立性のある物理的な事務所として整っているか?
  • 外部から営業所であることが認識できる環境があるか?

これらを一つでも軽視してしまうと、「営業所と認められない」「申請が不許可になる」「更新時に指摘される」などのリスクに直結します。

また、特に愛知県においては、ガイドラインや写真提出の基準が明確に示されており、“審査の実務”を理解したうえでの準備と申請が不可欠です。

制度だけを見て“形式的に満たしている”と判断してしまうと、かえって時間やコストのロスを招くことになりかねません。
だからこそ、「現場の実態」と「行政の審査視点」を橋渡しできる専門家のサポートが、申請成功への近道となるのです。

建設業許可の「営業所要件」で、こんなお悩みはありませんか?

  • この場所で申請できるかどうか、誰にも確認できずに不安…
  • 自宅や倉庫で許可を出したいが、どこまで整備が必要かわからない…
  • 責任者の常勤性や書類の整え方に、自信が持てない…
  • 愛知県の審査は厳しいと聞いて、慎重に準備したい…

そんなときは、建設系産業廃棄物業界出身の行政書士が対応する
三澤行政書士事務所に、ぜひご相談ください。

当事務所では、
📌 営業所の可否判断や申請準備のチェック
📌 実態に即した書類の整備・写真の撮り方指導
📌 人的・物理的要件の調整アドバイス
📌 愛知県の審査基準に基づいた申請書作成・代理提出

まで、一貫して対応いたします。

📌 初回相談は無料
📌 平日夜間・土日もご相談可能(事前予約制)

まずはお気軽にご連絡ください。

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