こんにちは、行政書士の三澤です!
「タイル・れんが・ブロック工事業の許可って必要なの?」「そろそろ元請やお客さんから許可を求められそうで不安…」
そんな疑問やお悩みを感じていませんか?

この記事では、
・これまで許可なしでタイル張りやブロック塀の施工を行ってきた個人事業主・中小企業の方
・元請業者から「建設業許可を取ってください」と言われて困っている方
・今後、公共工事や大きな案件に対応できる体制を整えたいと考えている方

といった【タイル・れんが・ブロック工事業者様】向けに、建設業許可の取得に必要な条件や手続きの流れについて、初めての方でもわかりやすいよう実務の視点で丁寧に解説していきます。

【この記事を読むことで得られること】
・自社の施工内容が「タイル・れんが・ブロック工事業」に該当するかどうかが判断できる
・許可が必要になる金額や条件、専任技術者の選び方や証明方法がわかる
・愛知県での申請フローや、書類準備で注意すべきポイントが整理できる

「うちでも取得できるの?」「まず何をすればいいの?」と迷われている方の道しるべとなるよう、ポイントを絞ってご紹介します。

それでは、さっそく見ていきましょう!

1:そもそも「タイル・れんが・ブロック工事業」ってどんな仕事?

法律上の定義

建設業法では、「タイル・れんが・ブロック工事業」は、れんがやコンクリートブロックなどを使って構造物を作ったり、それらを工作物に取り付けたり張り付けたりする工事を指します。例えば、ブロック塀の施工や建物の壁にタイルを貼る作業などがこの業種に含まれます。

具体的な工事内容

この業種に含まれる代表的な工事は以下のようなものです:

  • コンクリートブロック積み工事(張り工事含む)
  • れんが積み工事(張り工事含む)
  • タイル張り工事(外壁や床など)
  • 築炉工事(高温に耐える構造物の施工)
  • スレート張り工事(屋根以外への張り付け)
  • サイディング工事(外壁仕上げなど)

    建物の外観を仕上げたり、エクステリアを整えたりする工事が多いのが特徴です。特にブロック塀の施工やタイル張り工事などは、住宅や店舗、施設の見た目や機能性を大きく左右する大切な作業です。

    他業種との違い

    材料や見た目が似ていても、工事の場所や目的によって「業種」が変わるので注意が必要です。

    • 石工事業:天然石や擬石を使った工事。法面処理や擁壁の石積みなどが該当します。
    • 屋根工事業:屋根の葺き替えなどが対象。たとえスレート材を使っていても、屋根に使うならこちらになります。
    • とび・土工・コンクリート工事業:大型のコンクリート部材(根固めブロック、消波ブロックなど)を使う土木系の工事や、仮設足場などが対象です。

      たとえば「スレートを貼る工事」でも、それが外壁ならタイル・れんが・ブロック工事業、屋根なら屋根工事業となるのがポイントです。

      2:許可が必要なケースと不要なケース

      許可が必要な工事の金額基準(500万円以上)

      建設業の許可が必要となるかどうかは、請負金額によって決まります。具体的には、1件の工事につき税込で500万円以上の請負金額になる場合、その工事は「軽微な工事」ではなくなり、建設業許可が必要となります。

      なお、材料費や運送費が注文者負担であったとしても、その市場価格相当額を加えて計算する必要があります。また、1件の工事を複数の契約に分けたとしても、実質的に一体である場合は合算して判断されるので注意が必要です。

      軽微な工事の範囲と注意点

      では、許可がなくてもできる「軽微な工事」とはどのようなものでしょうか?以下のように定められています:

      • 建築一式工事の場合:請負金額1,500万円未満(税込)または延べ面積150㎡未満の木造住宅の工事
      • それ以外の工事(例:タイル・れんが・ブロック工事など):請負金額500万円未満(税込)

      タイル張りやブロック積みなどが単体で発注される場合は、基本的にこの500万円未満かどうかで判断します。

      ただし注意点として、すでに建設業許可を取得している業者が、別の営業所以外で軽微な工事を行う場合、営業所の登録がされていなければ営業違反になることもあります。

      無許可営業のリスク

      無許可で許可対象の工事を請け負った場合、建設業法違反となり、以下のようなリスクがあります:

      • 懲役・罰金などの刑事罰(懲役6か月以下または100万円以下の罰金)
      • 元請との契約解除や支払い拒否
      • 社会的信用の低下・金融機関からの信用喪失

      また、元請側も「下請が無許可だった」となるとコンプライアンス上の問題を抱えるため、最近では許可取得を求められるケースが増えています。営業を続けていく上で、許可の取得は避けて通れない要件といえるでしょう。

      次章では、許可を取得するために満たすべき具体的な「5つの要件」について詳しく解説します。

      3:許可取得に必要な5つの要件

      ① 経営業務の管理責任者とは?

      建設業を適切に運営するためには、経営に関する実務経験を持つ責任者が必要です。このポジションには、以下のいずれかの経験が求められます:

      • タイル・れんが・ブロック工事業において 5年以上の経営業務の管理責任者としての経験
      • 他の建設業種での 7年以上の経営業務の管理責任者としての経験
      • タイル・れんが・ブロック工事に関して 7年以上の経営補佐経験(役員などの補佐的立場)

      法人であれば常勤役員、個人事業主であれば本人または登記された支配人が該当します。他の会社と兼務している場合は常勤とみなされないケースもあるので注意が必要です。

      ② 専任技術者の資格や経験

      営業所には、その工事を実際に管理するための「専任技術者」を配置する必要があります。以下のいずれかの要件を満たす必要があります:

      • 国家資格を持っている人
        • 一級・二級建築士
        • 一級・二級建築施工管理技士(躯体・仕上げ)
        • 一級・二級タイル張り・れんが積み・ブロック建築技能士
        • 登録基幹技能者(エクステリア・タイル張り・ALCなど)
      • 指定学科の学歴+実務経験
        • 大学・高専の指定学科卒業+3年以上の実務経験
        • 高校の指定学科卒業+5年以上の実務経験
      • 実務経験のみ:10年以上の実務経験(資格・学歴なしでもOK)

      この技術者は、申請する営業所に「常勤」で勤務していることが求められます。

      ③ 誠実性

      建設工事の請負契約を「誠実に遂行できること」も要件の一つです。過去に不正や違法行為があると、これが理由で許可が下りないことも。

      • 対象となるのは法人そのもの、役員、個人事業主本人、主要な従業員など
      • 詐欺・横領・脅迫などの刑罰歴があると審査で問題になります

      ④ 財産的基礎

      建設工事は先に資材調達などの支出があるため、ある程度の資金力も求められます。以下のいずれかでOKです:

      • 直近決算で自己資本が500万円以上
      • 申請直前4週間以内に取得した500万円以上の預金残高証明書(または融資証明書)
      • 過去5年間の継続的な建設業の実績がある場合

      ⑤ 欠格要件がないこと

      建設業法により、以下に該当する場合は許可が出ません:

      • 破産して復権していない人
      • 禁錮以上の刑を受けてから一定期間経っていない
      • 許可を過去に取り消されたことがある

      法人の場合、役員全員が対象になります。意外と見落としがちなので要注意です。

      以上の5要件をクリアすることが、建設業許可を取るための第一歩です。次章では、実際の申請手続きの流れと必要書類について解説していきます。

      4:申請の流れと必要書類

      愛知県での申請窓口

      建設業許可の申請先は、営業所の所在地によって異なります。

      営業所の所在地提出先(建設事務所等)
      名古屋市内都市・整備局 都市基盤部都市総務課 建設業・不動産業室 建設業第二グループ
      〒460-8501
      愛知県名古屋市中区三の丸3-1-2(自治センター2階)
      瀬戸市、春日井市、小牧市、尾張旭市、豊明市、日進市、清須市、北名古屋市、長久手市、愛知郡及び西春日井郡尾張建設事務所 総務課 総務・建設業グループ
      〒460-0001
      愛知県名古屋市中区三の丸2-6-1(三の丸庁舎5階)
      一宮市、犬山市、江南市、稲沢市、岩倉市及び丹羽郡一宮建設事務所 総務課 総務・建設業グループ
      〒491-0053
      愛知県一宮市今伊勢町本神戸字立切1-4
      津島市、愛西市、弥富市、あま市及び海部郡海部建設事務所 総務課 総務・建設業グループ
      〒496-8533
      愛知県津島市西柳原町1-14(海部総合庁舎6階)
      半田市、常滑市、東海市、大府市、知多市及び知多郡知多建設事務所 総務課 総務・建設業グループ
      〒475-0828
      愛知県半田市瑞穂町2-2-1
      岡崎市、西尾市及び額田郡西三河建設事務所 総務課 総務・建設業グループ
      〒444-0860
      愛知県岡崎市明大寺本町1-4(西三河総合庁舎6階)
      碧南市、刈谷市、安城市、知立市、高浜市知立建設事務所 総務課 総務・建設業グループ
      〒472-0026
      愛知県知立市上重原町蔵福寺124
      豊田市、みよし市豊田加茂建設事務所 総務課 総務・建設業グループ
      〒471-0867
      愛知県豊田市常磐町3-28
      新城市及び北設楽郡新城設楽建設事務所 総務課 総務・建設業グループ
      〒441-1354
      愛知県新城市片山字西野畑532-1
      豊橋市、豊川市、蒲郡市、田原市東三河建設事務所 総務課 総務・建設業グループ
      〒440-0801
      愛知県豊橋市今橋町6

      書類一覧とチェックポイント(法人・個人別)

      申請時に必要な書類は多岐にわたります。以下は代表的な書類です。

      法人の場合:

      • 建設業許可申請書
      • 定款、登記事項証明書
      • 役員の経歴書・身分証明書・登記されていないことの証明書
      • 決算書(直近のもの)
      • 経営業務管理責任者の証明書(契約書・請求書など)
      • 専任技術者の資格証・実務経験証明書
      • 営業所の写真・固定電話の確認資料

      個人事業主の場合:

      • 建設業許可申請書
      • 住民票・身分証明書
      • 納税証明書
      • その他、法人とほぼ同様の実務証明関連書類

      チェックポイント:

      • 書類の整合性(名前・日付・工事内容の一致)
      • 実務経験を示す契約書や請求書の保管状況
      • 財務書類の自己資本の額
      • 営業所の実態(机・パソコン・事務スペースなど)

      申請の方法と費用

      愛知県では、原則として郵送や窓口での仮受付(書類預かり)により申請を行います。対面での審査は基本的に行われません。

      • 提出部数:正本1部・副本1部の計2部
      • 手数料:9万円(知事許可・一般建設業・新規申請の場合)
      • 納付方法:愛知県収入証紙で納付(郵便局等で購入可)

      ※申請内容に不備があった場合は、後日「補正依頼」が届きますので、速やかに対応しましょう。

      審査期間と許可証の交付

      書類に問題がなければ、知事許可の審査期間は1〜2ヶ月程度が目安です。

      • 許可証は申請者の営業所宛に簡易書留で郵送されます
      • 許可が下りると、建設業者として正式に営業可能になります

      次章では、申請時に「よくつまずくポイント」とその対策について具体的に解説していきます。

      5:よくあるつまずきポイントとその対策

      経験年数の証明が難しい

      経営業務の管理責任者や専任技術者の要件で求められる「実務経験年数」は、単に口頭で申告するだけでは認められません。請求書、契約書、工事写真など、客観的に証明できる書類の提出が必要です。

      対策ポイント:

      • 過去の工事契約書・請求書・注文書などを整理しておく
      • 写真やパンフレット、HPなども「補強資料」として活用可
      • 複数の書類を組み合わせて経験年数を証明

      専任技術者の該当資格がない

      よくあるのが「現場経験は十分にあるけど、資格がない」というケース。この場合でも、10年以上の実務経験があれば申請可能ですが、証明書類がより厳しく審査されます。

      対策ポイント:

      • 過去10年分の工事関連書類をできるだけ集める
      • 経験の中身が「タイル・れんが・ブロック工事」に該当することが明記されているか確認
      • 不明な場合は行政書士に相談を

      書類が多すぎて準備が大変

      建設業許可申請は「書類の多さ」が最大の壁。とにかく煩雑で、初めてだと何から手をつけてよいか分からないケースも。

      対策ポイント:

      • 書類一覧を元にToDoリスト化して、段階的に準備
      • 法人なら税理士・社労士と連携して資料を取り寄せる
      • 書式の最新バージョンを県のHPからダウンロード

      営業所要件や社会保険未加入の落とし穴

      営業所が「実体のある事務所」であること、社会保険への加入が義務であることを知らずに申請してしまい、補正や不受理になるケースも多くあります。

      対策ポイント:

      • 営業所には机・パソコン・固定電話などが設置されているか確認
      • 自宅兼用の場合は事業スペースと住居スペースが分かれているか写真で証明
      • 社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)にしっかり加入しているか事前確認

      次章では、最新の法改正・制度変更に関する注意点をまとめてご紹介します。

      まとめ & 行政書士に頼むメリット

      申請準備を効率化できる

      建設業許可の申請は、とにかく準備する書類が多くて複雑です。行政書士に依頼することで、書類の収集や記載作業を効率的に進めることができ、本業の工事や営業に集中できます。

      書類の整合性・不備防止

      申請書の不備は、審査の遅れや補正対応の原因になります。行政書士は書類の整合性をチェックし、不備のない状態で提出できるようにサポートしてくれます。「記載漏れ」「証明資料の不一致」といった初歩的ミスも防げます。

      おわりに

      この記事では、タイル・れんが・ブロック工事業で一般建設業許可を取得するために必要な情報を、わかりやすくまとめてご紹介しました。

      許可の取得は、あなたの事業の信頼性を高め、仕事の幅を大きく広げるチャンスでもあります。「うちにはまだ早いかな?」と感じる方も、一度しっかり情報を把握しておくことが将来の選択肢につながります。

      ご自身での申請が不安な場合は、ぜひ行政書士などの専門家に相談してみてください。確実な許可取得の一歩を、サポートいたします。

      最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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