監理措置決定を受ける際には、住居の指定や行動範囲の制限などの条件に加えて、保証金の納付が条件とされる場合があります。この保証金の金額はどのように決まるのでしょうか。本記事では、出入国在留管理庁「監理措置に関するQ&A」の内容に基づき、監理措置の保証金について解説します。

監理措置の条件と保証金

監理措置決定通知書には、被監理者が守らなければいけない条件として、次のようなものが記載されます(これを「監理措置条件」といいます)。

  • 住居の指定
  • 行動範囲の制限
  • 呼出しに対する出頭の義務
  • その他逃亡等を防止するために必要と認める条件

そして、Q&Aによれば、これらの条件に加えて、300万円を超えない範囲内で保証金を納付することが条件とされる場合があります(法第44条の2第2項又は法第52条の2第2項)。

なお、この場合において、保証金を期限までに納付しなかったときは、監理措置決定が取り消されることになります。保証金の納付は、単なる金銭的な条件ではなく、監理措置決定の効力を維持するための重要な条件であることが分かります。

保証金の上限額:300万円、未成年者は150万円

保証金の具体的な上限額について、Q&Aでは次のように説明されています。

保証金の金額は、300万円以下(未成年者の場合には150万円以下)の範囲内で、被監理者の逃亡又は証拠の隠滅(不法就労活動)を防止するに足りる相当の金額とするとされていますが、具体的な金額は、被監理者の個別の事情により決定されます(施行規則第36条の2第4項又は同条第5項)。

つまり、保証金には上限が定められているものの、実際に納付を求められる具体的な金額は一律ではなく、被監理者の個別の事情(逃亡や証拠隠滅、不法就労活動のおそれの程度など)に応じて決定されるということです。上限額まで必ず求められるわけではなく、あくまで「防止するに足りる相当の金額」という考え方が基準になっています。

なぜ保証金という条件が設けられているのか

保証金は、被監理者の逃亡又は証拠の隠滅(不法就労活動)を防止するに足りる相当の金額として設定されるとされています。つまり、保証金の納付は、被監理者が監理措置条件を守り、逃亡や不法就労などを行わないよう促す機能を果たしていると理解できます。

なお、保証金を納付期限までに納付しなかった場合には監理措置決定が取り消されなければならないとされているため、保証金が条件とされた場合には、期限内の納付が非常に重要になります。

仮放免との違いにも注意

なお、収容を解除するもうひとつの制度である「仮放免」については、保証金の納付を要しないこととされており、監理措置とは扱いが異なります。この違いについては、別記事「仮放免に保証金は必要か」「仮放免と監理措置の違いとは」で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。

行動範囲の制限についても押さえておきたいポイント

保証金とあわせて課されることが多い「行動範囲の制限」についても触れておきます。行動範囲は、原則として、被監理者の指定住居の属する都道府県の区域内に制限されます。ただし、被監理者が未成年者又は高等学校等に在学している者であって、通学状況が明らかであると認められる場合には、行動範囲が制限されない場合があるとされています。行動範囲外へ出かける必要が生じたときは、地方出入国在留管理官署に行動範囲の拡大を申請し、許可を得る必要があります。

まとめ:金額の見通しは個別事情によって異なる

監理措置の保証金は、上限300万円(未成年者は150万円)の範囲内で、被監理者の個別の事情に応じて具体的な金額が決定されます。一律の金額が決まっているわけではないため、ご自身やご家族のケースでどの程度の金額が想定されるのかを事前に把握することは容易ではありません。

保証金の納付が条件とされた場合、納付期限を守れなければ監理措置決定が取り消されてしまうという重大な影響もあります。監理措置の申請を検討されている方は、行政書士や弁護士などの専門家に相談し、申請の準備や資金計画も含めて丁寧に対応を進めることをおすすめします。