監理措置は、監理人による監理の下、逃亡等を防止しつつ、相当期間にわたり、社会内での生活を許容しながら、収容しないで退去強制手続を進める措置です。

ポイントは、「監理人」という第三者の存在が制度の中核にあるという点です。本人だけが自由に社会内で生活するのではなく、監理人が本人の生活状況を把握し、必要な指導・監督や届出義務の履行支援などを行うことで、逃亡等を防止しながら手続を進めていく仕組みになっています。

監理措置を受けるための条件

監理措置の下で退去強制手続を進める決定(監理措置決定)を受けるためには、退去強制令書が発付される前か後かによって、要件が分けて規定されています。

【退去強制令書が発付される前の外国人の場合(法第44条の2第1項又は第6項)】

  • 監理人が選定できること
  • 主任審査官が、監理措置決定を受けようとする外国人が逃亡し、又は証拠を隠滅するおそれの程度、収容により受ける不利益の程度(心身の健康状態に与える影響や家族関係に与える影響等)その他の事情を総合的に考慮して、収容しないで退去強制手続を行うことを相当と認めること

【退去強制令書が発付された外国人の場合(法第52条の2第1項又は第5項)】

  • 監理人が選定できること
  • 主任審査官が、監理措置決定を受けようとする外国人が逃亡し、又は不法就労活動をするおそれの程度、収容により受ける不利益の程度(心身の健康状態に与える影響や家族関係に与える影響等)その他の事情を総合的に考慮して、送還可能のときまで収容しないことを相当と認めること

いずれの場合も、「監理人が選定できること」が共通の前提条件になっている点が特徴です。

監理措置決定通知書で確認できる

監理措置決定を受けた外国人(被監理者)には、監理措置決定通知書が交付されます(法第44条の2第7項・法第52条の2第6項)。そのため、外国人が監理措置決定を受けているかどうかは、この監理措置決定通知書の有無によって確認することができます。

なお、被監理者は在留カードを持っている場合を除き、この監理措置決定通知書を常に携帯しなければならず、入国審査官や警察官などの権限ある官憲から要求されたときは提示しなければなりません。携帯しなかった場合や提示を拒んだ場合には、処罰を受けることがあるとされています。

監理措置決定が取り消される場合もある

監理措置は一度決定されれば終わりというものではなく、一定の事由に該当する場合には取り消されることがあります。

必ず取り消されるケースとしては、たとえば保証金の納付が条件とされた場合に納付期限までに納付しなかったとき、監理人の選定が取り消された場合や監理人が死亡した場合等において新たに監理人として選定される者がいないときなどが挙げられています。

また、取り消されることがあるケースとしては、被監理者が逃亡したときや逃亡すると疑うに足りる相当の理由があるとき、監理措置条件に違反したとき、必要な届出をしなかったり虚偽の届出をしたとき、不法就労活動をしたとき(報酬を受ける活動の許可を受けずに働いた場合を含む)などが挙げられています。

被監理者が守るべきこと

被監理者は、監理措置決定通知書に記載されている監理措置の条件(住居の指定、行動範囲の制限、呼出に対する出頭の義務など)を守る必要があるほか、定期的な届出義務も履行しなければなりません。届出日は、監理措置に付された日又は直近に届出をした日から3月を超えない範囲内で、主任審査官が指定することとされています。

まとめ:制度の理解と正確な対応が重要

監理措置は、収容されずに社会内で生活しながら退去強制手続を進めることができる重要な制度ですが、監理人の選定や様々な条件の遵守が求められる、専門性の高い手続でもあります。保証金の金額や、監理措置中に働けるかどうかについては、別記事「監理措置の保証金」「監理措置中でも働くことはできるか」で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

監理措置の申請を検討されている方、あるいはすでに監理措置決定を受けている方で条件の内容に不安がある方は、行政書士や弁護士などの専門家に相談しながら対応を進めることをおすすめします。