「留学」の在留資格で日本の学校に通いながら、授業が終わった後にアルバイトをしたいと考える留学生は少なくありません。生活費の足しにしたい、日本での社会経験を積みたいなど理由はさまざまですが、結論から言うと、留学生が学業の傍らでアルバイトをするには、事前に「資格外活動許可」を受ける必要があります。
この記事では、出入国在留管理庁の「出入国審査・在留審査Q&A」Q40の内容をもとに、なぜ許可が必要なのか、どこで手続きをするのか、無許可で働くとどうなるのかを整理します。
「留学」の在留資格でできる活動とは
在留資格「留学」は、日本の大学や専門学校、日本語学校などで教育を受ける活動を行うために与えられる資格です。入管法上、外国人は許可された在留資格・在留期間の範囲内でしか活動を行うことができません。つまり「留学」の在留資格は、あくまで「教育を受ける」ことを目的とした資格であり、収入を得る労働活動はその範囲に含まれていません。
したがって、留学生が学業以外にアルバイトなどの収入を伴う活動を行う場合、そのままでは在留資格の範囲外の活動を行うことになってしまいます。
資格外活動許可が必要な理由
出入国在留管理庁の公式Q&Aでは、次のように説明されています。
「外国人の方が本来の活動を行う傍ら、アルバイト等の収入を得る活動等を行う場合には、地方入国管理官署において資格外活動許可を受ける必要があります。」(出入国審査・在留審査Q&A Q40より)
つまり、留学生が「本来の活動」である就学を続けながら、それとは別にアルバイトという収入を伴う活動を行うためには、あらかじめ地方出入国在留管理局等で資格外活動許可を受けておくことが必須です。これは単なる推奨事項ではなく、法律上の手続き要件です。許可を受けずにアルバイトを行えば、資格外活動、つまり不法就労にあたります。
資格外活動許可の種類
資格外活動許可には大きく分けて、包括的な許可と個別的な許可の2種類があります。
- 包括的な許可:在留カードの裏面に「資格外活動許可」の記載がされ、決められた時間・内容の範囲内であれば個別の職種ごとに許可を取り直す必要がないタイプです。留学生の多くはこの包括許可を受け、飲食店や小売店などさまざまな職場でアルバイトを行っています。
- 個別的な許可:特定の活動についてのみ許可されるもので、旅券に貼付された証印などに許可された活動内容が具体的に記載されます。
どちらの許可を受けているかによって、働ける時間や業種の範囲に違いが出てくるため、自分がどちらの許可を受けているのかを在留カードや旅券で確認しておくことが大切です。
許可を受けずに働くとどうなるか
資格外活動許可を受けずにアルバイトをすることは、在留資格に定められた活動以外の活動を無許可で行うことになり、資格外活動として摘発の対象になり得ます。悪質なケースでは在留資格の取消しや退去強制手続きの対象となる可能性もあるため、「少しだけだから」「バレなければ大丈夫」といった安易な考えは禁物です。
留学中にアルバイトを希望する場合は、来日後できるだけ早い段階で、住居地を管轄する地方出入国在留管理局等に相談し、資格外活動許可の申請を行いましょう。
実務上のポイント
- 申請場所:資格外活動許可の申請は、地方入国管理官署(地方出入国在留管理局等)で行います。在留資格の変更や更新の申請とあわせて行うことも可能です。
- 在留カードの携帯:許可を受けた後は、アルバイト先から在留カードの提示を求められることがあります。雇用主側も、留学生を雇用する際には資格外活動許可の有無や内容を確認する義務があるため、スムーズに提示できるよう準備しておきましょう。
- 就労時間の制限:資格外活動許可を受けたからといって、無制限に働けるわけではありません。週の就労時間には上限が設けられています。この点は別記事「留学生アルバイトの就労時間制限」で詳しく解説していますので、あわせてご確認ください。
- 風俗営業等への従事は不可:許可を受けていても、風俗営業等の業種で働くことは認められていません。アルバイト先を選ぶ際は業種にも注意が必要です。
まとめ
留学生が学校の授業終了後にアルバイトをしたいと考える場合、必ず資格外活動許可を事前に取得する必要があります。これは出入国在留管理庁の公式Q&Aでも明確に示されている手続きであり、無許可でのアルバイトは不法就労とみなされるリスクがあります。来日後、アルバイトを検討している方は、早めに資格外活動許可の申請を行い、許可の範囲内で安心して働けるよう準備しておきましょう。手続きに不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することもひとつの方法です。