「留学」の在留資格で日本の学校に通っている方が、事情により別の学校に転校することになった場合、忘れてはならないのが出入国在留管理庁への届出です。転校をしたら自動的に情報が更新されるわけではなく、本人が自ら届出を行う必要があります。

本記事では、出入国在留管理庁の「出入国審査・在留審査Q&A」Q39の内容をもとに、転校時に必要な届出の内容と手続き方法を解説します。

転校時に必要な2つの届出

出入国在留管理庁のQ&Aでは、転校時の届出について次のように説明されています。

「『留学』の在留資格で在留している中長期在留者が転校した場合、14日以内に地方出入国在留管理局等に対して、転校以前に在籍していた教育機関における離脱の届出及び転校以後に在籍する教育機関における在籍の届出の必要があります。」(出入国審査・在留審査Q&A Q39より)

このルールのポイントを整理すると、転校した場合には次の2種類の届出が必要になるということです。

  1. 転校前の教育機関からの「離脱」の届出:これまで在籍していた学校をやめたことの届出
  2. 転校後の教育機関への「在籍」の届出:新たに在籍することになった学校についての届出

つまり「新しい学校に入ったことを届け出るだけ」では不十分で、「元の学校を離れたこと」もあわせて届け出る必要がある点に注意が必要です。

届出の期限は14日以内

この届出には明確な期限が設けられており、転校してから14日以内に行う必要があります。期限を過ぎてしまうと、後述する届出義務違反として在留資格に影響が及ぶ可能性もあるため、転校が決まったら速やかに手続きを進めることが重要です。

なお、中長期在留者が住居地の届出を行わない場合や、在留資格に基づく活動を継続して一定期間行っていない場合などには在留資格の取消しの対象となり得ますが、正当な理由がある場合には取消しの対象とはならないとされています。ただし、届出をしないまま放置してしまうことは避け、期限内に確実に手続きを行うことが望ましいことに変わりはありません。

届出方法:郵送と出頭の2パターン

この届出は、郵送または窓口への出頭によって行うことができます。それぞれで必要な持ち物が異なる点に注意しましょう。

  • 郵送による場合:在留カードの写し(両面とも)を同封する必要があります。
  • 出頭による場合:在留カードを提示する必要があります。

出頭が難しい場合は郵送での届出も可能ですが、いずれの場合も在留カードの情報が必要になる点は共通しています。手続きの際は、在留カードを手元に準備したうえで、郵送方法・出頭方法いずれか自分に合った方法を選びましょう。

なぜ転校の届出が重要なのか

「留学」の在留資格は、特定の教育機関に在籍して教育を受けることを前提とした資格です。転校をしても届出を行わなければ、出入国在留管理庁の記録上は元の学校に在籍したままの状態になってしまい、実態と記録が食い違うことになります。こうした状態が続くと、在留資格の取消し等の対象となるリスクにもつながりかねません。

また、資格外活動許可(アルバイトの許可)も教育機関への在籍を前提として認められているものです。転校の届出を適切に行っていないと、アルバイトの許可の取扱いにも影響が及ぶ可能性があるため、転校が決まったら学業面だけでなく、在留手続きの面でも速やかに対応することが大切です。

実務上のポイント

  • 転校が決まったらすぐに準備を始める:転校の意思が固まった段階で、14日という期限を意識してスケジュールを組みましょう。
  • 在留カードの写しを両面用意する:郵送で届出を行う場合は、在留カードの表面・裏面両方の写しが必要になります。
  • 転校前後の学校とも連携する:離脱・在籍の証明に必要な書類がある場合は、転校前・転校後それぞれの学校に確認し、必要書類を早めに揃えておくとスムーズです。

まとめ

「留学」の在留資格を持つ中長期在留者が転校した場合には、転校前の学校からの離脱の届出と、転校後の学校への在籍の届出という2種類の届出を、14日以内に地方出入国在留管理局等に対して行う必要があります。届出は郵送(在留カードの写し両面を同封)または出頭(在留カードを提示)のいずれかの方法で行うことができます。転校を予定している留学生の方は、期限内の届出を忘れずに行い、在留資格に関するトラブルを未然に防ぎましょう。手続きに不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談することもおすすめです。