【愛知県版】工事前の道路の管轄は誰?国道・県道・市道の調べ方と申請窓口まとめ
愛知県の工事現場における「道路の管轄(道路管理者)」の調べ方を行政書士が解説。道路占用許可や承認工事の申請先となる、国道(名古屋国道事務所等)、県道(各建設事務所)、市町村道の見分け方と、警察署(道路使用許可)との並行申請のポイントを実務目線でまとめました。
- 分野
- 道路の使用・占用
- 主な法令
- 道路法・道路交通法
- 公開日
- 2025年5月11日
- 更新日
- 2026年5月1日
目次
「足場を道路に出したいので市役所へ行ったら、『ここは県道なので建設事務所へ』と言われ、半日潰してしまった…」
愛知県内で工事を行う建設業者の方から、こういったお話をよく伺います。慣れていないと、どこに何を申請すればいいのか、本当にわかりにくいのです。
この記事では、道路工事にまつわる許可申請の全体像と、愛知県内における管轄窓口の具体的な調べ方をわかりやすく解説します。
1. 「警察署だけでOK」は間違い。必要な許可は2種類ある
道路上での工事や作業といえば、まず「警察署で手続きをする」というイメージをお持ちの方が多いと思います。
たしかに、道路で一時的な工事・作業・足場の設置などを行う場合は、道路交通法第77条第1項に基づく「道路使用許可」が必要で、申請先は現場を管轄する警察署長です。これは間違いありません。
しかし、実務ではこれだけでは足りないケースがほとんどです。
たとえば——
- 工事用足場や仮囲いを道路上に継続して設置する場合 → 道路法第32条に基づく「道路占用許可」が必要
- 工事車両の乗入口として歩道の切り下げやガードレールの撤去を行う場合 → 道路法第24条に基づく「承認工事(自費工事)」の手続きが必要
これらの許可・承認の申請先は、警察署ではなく「道路管理者」です。道路の種類(国道・県道・市道)によって管理者は異なり、間違った窓口に申請しても受理されません。着工スケジュールに重大な影響が出る前に、管轄をしっかり確認しておくことが重要です。
2. 道路の種類と「道路管理者」の基本ルール
道路法は、道路の種類ごとに管理の責任者(道路管理者)を明確に定めています。
| 道路の種類 | 道路管理者 | 根拠条文 |
|---|---|---|
| 国道(指定区間内) | 国土交通大臣(実務:各地方整備局) | 道路法第13条第1項 |
| 国道(指定区間外)・都道府県道 | 都道府県 | 道路法第13条第1項・第15条 |
| 市町村道 | 市町村 | 道路法第16条第1項 |
愛知県内の現場では、「この道路は国・愛知県・各市区町村のどれが管理しているのか」を最初に特定することが、すべての手続きの出発点になります。
3. 【愛知県版】管轄窓口の具体的な調べ方
▶ 国道の場合:国土交通省「維持出張所」が窓口
愛知県内の国が管理する国道(指定区間)は、国土交通省 中部地方整備局の名古屋国道事務所などが管轄しています。
ただし実際の申請・協議は、路線や現場の住所によってさらに細かく分かれた「維持出張所」が窓口です。主な例は以下のとおりです。
現場がどの出張所の管轄になるかは、国道の距離標や名古屋国道事務所のウェブサイトにある「管理担当区間」の案内ページで確認できます。
▶ 県道の場合:愛知県「各建設事務所」が窓口
愛知県が管理する県道(および指定区間外の国道)については、愛知県の各建設事務所が窓口です。知多建設事務所・東三河建設事務所など、地域ごとに設置されており、各事務所内の「維持管理課」等が道路占用許可や承認工事の申請を受け付けています。
現場の所在地を管轄する建設事務所は、愛知県のウェブサイトで確認できます。
▶ 市道・区道の場合:各市区町村の道路担当部署が窓口
市町村道については、現場が所在する市役所・区役所・町村役場の道路担当部署(土木課・道路管理課・維持課など、名称は自治体によって異なります)が申請窓口です。
多くの自治体では、ウェブ上で「道路台帳図」や「路線網図」を公開しています。現場前の道路が市道かどうか、路線名・認定幅員なども事前にオンラインで確認できることが多いため、役所へ出向く前にこれらを活用すると効率的です。
4. 忘れずに:「道路使用許可」の管轄警察署の調べ方
道路管理者(役所)への申請と並行して、警察署への手続きも必ず必要です。
道路交通法第77条第1項では、道路上で工事・作業・工作物の設置などを行う場合、「当該行為に係る場所を管轄する警察署長」から道路使用許可を取得しなければならないと定められています。窓口は現場を管轄する警察署の交通課です。
管轄警察署がどこかは、愛知県警察の公式ホームページにある「警察署・幹部交番所在地」等の案内ページから、現場住所をもとに確認できます。
工事区間が複数の警察署にまたがる場合は?
長距離の管路埋設工事や道路工事では、複数の警察署管轄にまたがるケースがあります。この場合、道路交通法第77条第1項の特例により、「当該行為に係る場所が同一の公安委員会の管理に属する二以上の警察署長の管轄にわたるときは、そのいずれかの所轄警察署長の許可を受ければ足りる」とされています。
つまり、愛知県内(愛知県公安委員会の管轄内)で複数の署にまたがる工事であれば、主たる工事エリアを管轄するいずれか一つの警察署に申請することで手続きが完結します。
5. まとめ:管轄調査と申請先の整理
道路工事に関する申請手続きは、大きく次の2軸で整理できます。
| 手続きの種類 | 根拠法 | 申請先 |
|---|---|---|
| 道路使用許可 | 道路交通法第77条第1項 | 現場管轄の警察署(交通課) |
| 道路占用許可 | 道路法第32条 | 道路管理者(国・県・市町村) |
| 承認工事(自費工事) | 道路法第24条 | 道路管理者(国・県・市町村) |
そして「道路管理者がどこか」は、道路の種類(国道・県道・市道)によって決まります。道路法第13条・第15条・第16条がその根拠です。
管轄調査から申請まで
インターネットや道路台帳図が整備された今でも、実務では「境界線が複雑に入り組んでいる」「国道と県道の交差点で両方の許可が必要になる」「自治体ごとに図面フォーマットが異なる」といったケースが頻繁に発生します。
同じ分野の記事
- 道路使用許可(警察署)と道路占用許可(道路管理者)の違いとは?建設業向け基礎知識
- 【保存版】建設工事ごとの道路使用・占用許可がすぐ分かる!工事別・道路関連許可早見表【行政書士が解説】
- 愛知県で道路使用許可を取得するには?申請の流れ・必要書類・注意点を行政書士が徹底解説
- 【建設業者向け】道路使用許可と道路占用許可の違いを完全解説|手続きの流れ・必要書類・注意点まで
- 【建設業者向け】道路使用許可と道路占用許可の違いと申請順序を行政書士が解説
- 【建設業者向け】道路使用許可とは?申請が必要なケースと注意点をわかりやすく解説