こんにちは!愛知県を中心に、建設業者様の許認可手続きをサポートしている三澤行政書士事務所の三澤です!

「うちの従業員が持っている資格で、許可要件を満たせるだろうか?」 「専任技術者という名称が変わったと聞いたが、必要な要件も変わるのか?」 「テレワーク中心で働いているスタッフを技術者として登録することはできるのか?」

このようなご相談は、建設業許可を取得・維持しようとする事業者様から、日常的にいただく問い合わせです。

建設業許可を取得するうえで、経営業務管理責任者の確保と並んで大きな壁となるのが、各営業所に常勤で配置する技術者の確保です。長年にわたり「専任技術者(専技)」と呼ばれてきたこの役職は、令和7年(2025年)の法改正および愛知県の手引改定により、名称が「営業所技術者等」へと改められました。

しかし、変わったのは名称だけではありません。多様な働き方の推進に伴い、テレワーク下での専任要件の取り扱いが明確化された一方、令和7年12月2日以降は健康保険証の新規発行終了に伴い、愛知県における常勤性確認書類の審査がこれまで以上に厳格化されています。「以前はこの書類で通ったから」という感覚で窓口へ向かうと、書類を突き返されるケースが現実として起きています。

この記事では、愛知県で数多くの建設業許可申請をサポートしてきた行政書士が、最新の法令と愛知県の手引に基づき、以下の内容を体系的に解説します。

  • 一般建設業の営業所技術者等になるための3つの基本ルート
  • 全29業種に対応する主な国家資格一覧
  • 実務経験のみで証明する際の注意点と緩和措置
  • 令和7年12月以降の常勤性確認書類の最新ルールとテレワークの取り扱い

自社の状況と照らし合わせながら、要件確認のチェックリストとしてお役立てください。

営業所技術者等になるための「3つの基本ルート」

営業所技術者等の要件は、建設業法第7条第2号において「イ・ロ・ハ」の3区分で定められています。実務上はこれを3つのルートとして整理するとわかりやすくなります。ご自身や従業員の方がどのルートに当てはまるか、順に確認していきましょう。

ルート① 国家資格等の保有(建設業法第7条第2号ハ)

最もシンプルで、かつ審査もスムーズに進むのがこのルートです。

建設業法第7条第2号ハでは、「国土交通大臣が(中略)同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者」として、特定の国家資格等の保有者を営業所技術者等として認めています。1級・2級の各種施工管理技士、建築士、技能士など、国が認めた資格を保有していれば、資格証の写しを提出するだけで技術力を証明できます。実務経験の書類収集が不要な点で、他のルートと比べて申請準備の負担が格段に小さくなります。

ルート② 指定学科卒業 + 実務経験(建設業法第7条第2号イ)

国家資格を持っていなくても、専門課程を修めた方であれば、必要な実務経験年数が短縮されます。

建設業法第7条第2号イでは、許可を受けようとする建設業に関する「指定学科」を卒業し、一定期間の実務経験を有する者を要件としています。具体的な年数は次のとおりです。

  • 高校・中等教育学校の指定学科を卒業した場合:卒業後 5年以上の実務経験
  • 大学・高等専門学校・専門職大学(前期課程)の指定学科を卒業した場合:卒業後 3年以上の実務経験

「指定学科」とは、国土交通省令で定める学科を指し、たとえば土木工事業であれば「土木工学・都市工学」、建築工事業であれば「建築学」などが該当します。申請の際には卒業証明書に加え、経験の内容と年数を記した「実務経験証明書(様式第9号)」の提出が必要です。

ルート③ 10年以上の実務経験(建設業法第7条第2号ロ)

資格も指定学科の卒業もない場合に選択するルートです。

建設業法第7条第2号ロには、「許可を受けようとする建設業に係る建設工事に関し十年以上実務の経験を有する者」と規定されています。学歴や資格を問わず、その業種で10年間の実地経験を積んだ方は営業所技術者等として認められます。

ただし、行政書士として率直に申し上げると、このルートが3つの中で最もハードルが高いと言わざるを得ません。「10年間、確かにその工事に携わってきた」という事実があっても、それを過去の契約書・請求書等の客観的な資料で愛知県に証明しなければならないからです。書類の精査段階で「証明が困難」と判明するケースも少なくありません。

【業種別】一般建設業の営業所技術者等に対応する主な国家資格一覧(全29業種)

ルート①「国家資格等の保有(建設業法第7条第2号ハ)」について、業種ごとの対応資格を確認しましょう。

一般建設業の営業所技術者等として認められる国家資格等は、建設業法施行規則第7条の3において、全29の建設業種ごとに定められています。自社が取得を目指す業種に従業員の保有資格が該当するかどうか、以下の一覧でご確認ください(代表的な資格の抜粋です)。

1. 土木工事業 1級・2級土木施工管理技士(2級は土木)、1級・2級建設機械施工管理技士、技術士(建設部門等)

2. 建築工事業 1級・2級建築施工管理技士(2級は建築)、1級・2級建築士

3. 大工工事業 1級・2級建築施工管理技士(2級は躯体・仕上げ)、1級・2級・木造建築士、技能検定(建築大工・型枠施工)

4. 左官工事業 1級・2級建築施工管理技士(2級は仕上げ)、技能検定(左官)

5. とび・土工工事業 1級・2級土木施工管理技士(2級は土木・薬液注入)、1級・2級建築施工管理技士(2級は躯体)、1級・2級建設機械施工管理技士、技能検定(とび・型枠施工等)、登録地すべり防止工事試験、登録基礎ぐい工事試験

6. 石工事業 1級・2級土木施工管理技士(2級は土木)、1級・2級建築施工管理技士(2級は仕上げ)、技能検定(ブロック建築・石材施工)

7. 屋根工事業 1級・2級建築施工管理技士(2級は仕上げ)、1級・2級建築士、技能検定(建築板金・かわらぶき)

8. 電気工事業 1級・2級電気工事施工管理技士、第1種・第2種電気工事士、電気主任技術者(1種~3種)、建築設備士、登録計装試験

9. 管工事業 1級・2級管工事施工管理技士、技能検定(配管・冷凍空気調和機器施工等)、給水装置工事主任技術者、建築設備士、登録計装試験

10. タイル・れんが・ブロック工事業 1級・2級建築施工管理技士(2級は躯体・仕上げ)、1級・2級建築士、技能検定(タイル張り・築炉・ブロック建築)

11. 鋼構造物工事業 1級・2級土木施工管理技士(2級は土木)、1級・2級建築施工管理技士(2級は躯体)、1級建築士、技能検定(鉄工)

12. 鉄筋工事業 1級・2級建築施工管理技士(2級は躯体)、技能検定(鉄筋施工)

13. 舗装工事業 1級・2級土木施工管理技士(2級は土木)、1級・2級建設機械施工管理技士、技術士(建設部門等)

14. しゅんせつ工事業 1級・2級土木施工管理技士(2級は土木)、技術士(建設部門・水産部門等)

15. 板金工事業 1級・2級建築施工管理技士(2級は仕上げ)、技能検定(工場板金・建築板金)

16. ガラス工事業 1級・2級建築施工管理技士(2級は仕上げ)、技能検定(ガラス施工)

17. 塗装工事業 1級・2級土木施工管理技士(2級は鋼構造物塗装)、1級・2級建築施工管理技士(2級は仕上げ)、技能検定(塗装・路面標示施工)

18. 防水工事業 1級・2級建築施工管理技士(2級は仕上げ)、技能検定(防水施工)

19. 内装仕上工事業 1級・2級建築施工管理技士(2級は仕上げ)、1級・2級建築士、技能検定(畳製作・内装仕上げ施工・表装)

20. 機械器具設置工事業 技術士(機械部門等)

21. 熱絶縁工事業 1級・2級建築施工管理技士(2級は仕上げ)、技能検定(熱絶縁施工)

22. 電気通信工事業 1級・2級電気通信工事施工管理技士、電気通信主任技術者、工事担任者、技術士(電気電子部門等)

23. 造園工事業 1級・2級造園施工管理技士、技術士(建設部門等)、技能検定(造園)

24. さく井工事業 技術士(上下水道部門等)、技能検定(さく井)、登録地すべり防止工事試験

25. 建具工事業 1級・2級建築施工管理技士(2級は仕上げ)、技能検定(建具製作・カーテンウォール施工・サッシ施工)

26. 水道施設工事業 1級・2級土木施工管理技士(2級は土木)、技術士(上下水道部門・衛生工学部門等)

27. 消防施設工事業 甲種・乙種消防設備士

28. 清掃施設工事業 技術士(衛生工学部門等)

29. 解体工事業 1級・2級土木施工管理技士(2級は土木)、1級・2級建築施工管理技士(2級は建築・躯体)、解体工事施工技士(登録解体工事試験)、技能検定(とび)

※上記は各業種の代表的な資格です。業種によっては「登録基幹技能者」なども認められています。

【落とし穴】「資格保有=即戦力」ではないケースに注意

国家資格を持っていれば、条件なしに営業所技術者等として登録できると思われがちですが、資格の種類によっては、免状交付後または合格後に一定の実務経験が法令上求められるものがあります。愛知県の「技術者資格免状及び資格コード」の運用基準と法令の規定に基づくと、以下の資格については特に注意が必要です。

資格追加で必要な実務経験
第2種電気工事士免状交付後 3年以上
電気主任技術者(1種~3種)免状交付後 5年以上
各種技能検定(2級)合格後 3年以上(一部は1年)
給水装置工事主任技術者免状交付後 1年以上
建築設備士資格取得後 1年以上

これらに該当する場合は、資格証の写しに加えて、その期間に実務に従事していたことを証明する契約書等の書類が別途必要になります。「資格証さえ出せば大丈夫」という判断は危険です。有資格者がそのまま営業所技術者等として登録できるか、追加の実務経験証明が必要かの判断は専門的な読み解きを要します。申請をご検討の際は、資格証(免状)をお持ちのうえ、事前に当事務所へご相談ください。

実務経験のみで申請する際の注意点と「緩和措置」

資格をお持ちでない場合、建設業法第7条第2号ロに基づく「10年以上の実務経験」で営業所技術者等の要件を満たすルートを選ぶことになります。しかし、行政書士として多くの申請案件に携わってきた経験から申し上げると、このルートは3つの中で最も審査が厳しく、事前準備が重要です。

10年分の実務経験を証明する難しさ

建設業法第7条第2号ロに基づく実務経験を証明するには、愛知県に「実務経験証明書(様式第9号)」を提出するとともに、記載内容を裏付ける客観的な確認資料を提示しなければなりません。

愛知県の審査では(令和7年最新ルール)、以下のいずれかの書類を「10年分(原則として毎年1件以上)」揃える必要があります。

  1. 工事の請負契約書
  2. 注文書 + 請書(控え)
  3. 請求書(控え)+ 入金が確認できる通帳等の写し

「請求書はあるが通帳の履歴が残っていない」「契約書を交わさず口頭で受注していた」――このようなケースでは、実際に工事を行っていた事実があっても、愛知県は実務経験として認めません。また、以前在籍した会社での経験を証明する場合は、原則としてその当時の使用者(前職の会社)の証明印が必要です。前の会社が倒産等で証明印を取得できない場合は、現在建設業許可を有する第三者(同業者等)からの証明を得るなど、手続きが一段と複雑になります。

10年分の書類が揃うか不安な場合は、申請前に当事務所で書類の精査を行うことをお勧めします。

知らないと損をする「12年緩和措置」

原則として、実務経験のみで複数業種の営業所技術者等になるには、業種ごとに10年ずつ(2業種なら20年)の経験が必要です。しかし、一定の関連業種の間では、必要年数を短縮できる緩和措置が設けられています。

この緩和措置は建設業法施行規則第7条の3(法第7条第2号ハに基づく国土交通大臣認定)に規定されており、愛知県の手引にも「実務経験の緩和措置」として明記されています。具体的には、関連するA業種とB業種の実務経験の合計が「12年以上」あり、そのうち取得を目指すB業種の経験が「8年超」であれば、B業種の営業所技術者等として認められます。

代表的な組み合わせは以下のとおりです。

  • 大工工事業内装仕上工事業
  • 土木工事業とび・土工工事業(またはしゅんせつ・水道施設・解体工事業)
  • 建築工事業大工工事業(または屋根・ガラス・防水・内装仕上・熱絶縁・解体工事業)

たとえば「大工工事を4年、内装仕上工事を8年超(合計12年以上)」の実績があれば、内装仕上工事業の営業所技術者等として認められます。20年分の書類を準備する場合と比べて、証明の負担は大幅に軽減されます。自社の工事実績がこの緩和措置に当てはまるかどうかの分析も、当事務所が担う重要な業務のひとつです。

【愛知県のルール】常勤性確認書類の最新動向とテレワークの取り扱い

営業所技術者等の資格・経験要件を満たしているだけでは不十分です。その方が営業所に「常勤」していることを、客観的な書類で愛知県へ証明する必要があります。令和7年は、この「常勤性の証明」に大きな変化が生じた年です。

【重要】令和7年12月以降の常勤性確認書類の変更

これまで、常勤性を証明する最も一般的な手段は「健康保険被保険者証(保険証)の写し」の提出でした。しかし、令和7年12月2日以降の健康保険証の新規発行終了に伴い、愛知県の運用ルールが大きく改められています。

愛知県の運用方針「健康保険被保険者証に代わる常勤性の確認書類について」によれば、令和7年12月2日以降は、以下の①から順に確認し、最初に当てはまった直近の資料を提出しなければなりません。

健康保険・厚生年金被保険者標準報酬決定通知書の写し(建設国保等加入者は「厚生年金保険被保険者標準報酬決定通知書」の写し)

住民税特別徴収税額通知書(特別徴収義務者用)の写し

所得証明書(市区町村発行のもの)+ 源泉徴収票の写し

雇用保険被保険者証の写し + 雇用保険被保険者資格取得等確認通知書の写し(被保険者区分が「1」のものに限る)

行政書士からのアドバイス: ①や②の書類は、会社として社会保険・税務手続きを適切に行っていることが前提となります。これまでのように「保険証のコピーを1枚添付すれば済む」という対応は、もはや通用しません。許可の新規取得・更新が近い事業者様は、顧問税理士や社会保険労務士とも連携し、必要書類がいつでも取り出せる状態にしておくことを強くお勧めします。

テレワークでも「営業所技術者等」として登録できるか?

働き方改革の浸透とともに、「テレワークで勤務している従業員を営業所技術者等として登録できるか」というご相談が増えています。

まず大前提として、建設業許可事務ガイドライン(第7条関係)では、営業所技術者等は「営業所に常勤して専らその職務に従事することを要する者」と定義されており、「常勤」「専任」という法的要件の枠組み自体に変更はありません。

その一方で、愛知県の「営業所専任技術者等のテレワークに関するQ&A」では、一定の要件を満たすテレワークについては、常勤・専任として認められる旨が明示されています。具体的には、メール・電話・Web会議システム等のICTを活用し、営業所での勤務と同等の業務遂行ができ、かつ所定の勤務時間中に常時連絡が取れる環境が整っていることが条件です。

【注意点】「どこからでもテレワークすればよい」ではありません。

ICTが利用できるからといって、居住地を問わないわけではありません。建設業許可事務ガイドラインに基づき、愛知県は「営業所に常識上通勤不可能な場所からのテレワーク」は専任要件を満たさないと明言しています。たとえば、沖縄県在住のまま愛知県の営業所の営業所技術者等としてテレワーク勤務するケースは認められません。緊急時の対面対応や現場確認が求められる場面を想定した規定です。

制度の柔軟化が進む中でも、建設業法が求める「適正な施工体制の確保」という根幹は変わりません。自社のテレワーク体制が法令上の「専任」に該当するか判断に迷われた場合は、お気軽にご相談ください。

まとめ:要件の確認は早めに、行政書士と一緒に

一般建設業許可の営業所技術者等(旧専任技術者)になるための要件は、「国家資格等の保有(建設業法第7条第2号ハ)」「指定学科卒業+実務経験(同号イ)」「10年以上の実務経験(同号ロ)」の3ルートです。しかし、要件を満たすことができるかどうかの判断と、愛知県の窓口が求める書類を1点の不備もなく揃える作業は、自社で対応しようとすると想像以上に時間と手間がかかります。

さらに令和7年以降は、保険証廃止に伴う常勤性確認書類の厳格化、テレワーク時の専任要件の明文化など、最新のローカルルールを正確に把握しておかなければ、申請が受理されないリスクもあります。

「自社の従業員の資格・経験で要件を満たせるか、専門家に診断してほしい」 「10年の実務経験で証明したいが、契約書など書類の揃え方がわからない」 「テレワーク体制で専任要件をクリアできるか確認したい」

このようなお悩みをお持ちの事業者様は、ぜひ三澤行政書士事務所の「初回無料相談」をご利用ください。愛知県の最新ルールに基づく要件の精密な診断から、書類収集・行政窓口との折衝まで、貴社の「社外法務部」としてワンストップで対応いたします。

三澤祐喜 行政書士

三澤 祐喜|三澤行政書士事務所(愛知県)

行政書士

産廃処理業者に10年以上勤務した、おそらく日本でただ一人のバックグラウンドをもつ行政書士。
建設業・不動産業・運送業・廃棄物処理法・農地法——複雑に絡み合う法規制の現場にいたからこそ、他の事務所が手を引くほど複雑な案件に、私は静かに燃えます。
「他で断られた」「難しいと言われた」「複雑すぎて整理できない」——まず、ご連絡ください。
言われた書類を作るだけの「代行屋」ではなく、絡み合った法務課題を根本から解きほぐす社外パートナーとして、愛知県の経営者様の隣に立ち続けます。

愛知県行政書士会所属|第24191550号