こんにちは、行政書士の三澤です!
「司法書士に頼んで法務局の役員変更登記は終わった。これで手続きは完了だよね?」 「新しく役員を迎えたが、建設業の役所にも何か届け出が必要だっただろうか?」
会社を経営していく中で必ず発生する役員の就任や退任。愛知県の建設業者様からも、このようなご相談をよくいただきます。
結論から申し上げますと、法務局での商業登記が終わっただけでは、手続きは半分しか終わっていません。建設業許可を受けている業者は、建設業法第11条に基づき、役員に変更があった際は必ず許可行政庁(愛知県知事や国土交通大臣)へ「変更届」を提出する義務があります。
この変更届で最も恐ろしいのが「シビアな提出期限」です。 通常の役員変更であれば「30日以内」ですが、もし変更になる役員が「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)」を兼ねている場合は、なんと「2週間以内」という極めて短い期間で届け出なければなりません。
万が一届け出を怠ったり遅れたりすると、次回の許可更新ができなくなるだけでなく、最悪の場合は建設業法違反として許可の取り消しや罰則(法第50条)の対象となる可能性があります。
本記事では、建設業法務の裏側まで知り尽くした行政書士が、役員変更に伴う期限の違い、愛知県での具体的な必要書類(身分証明書等)、そして実務で多発する「登記待ちのタイムラグ」に関する注意点までを徹底解説します。 「うっかり手続きを忘れていた」「これから役員体制が変わる」という経営者様は、会社を致命的なリスクから守るためにぜひ最後までお読みください。
1. 「役員変更の届け出」の法的義務とは?(建設業法第11条に基づく基本知識)
建設業許可業者の皆様にとって、役員の変更は日常的な会社運営の中で起こり得る出来事です。しかし、建設業法においては、この「役員変更」に対して厳格な届け出義務が課されています。ここでは、行政書士の視点から、根拠となる法令を紐解きながら、その義務とリスクについて解説します。
1-1. 建設業法第11条第1項が定める変更届の提出義務
建設業の許可を受けた業者は、許可申請時に届け出た事項(役員に関する事項を含みます)に変更があった場合、速やかに許可行政庁(愛知県知事や国土交通大臣など)へ変更届を提出しなければなりません。これは、建設業法第11条第1項において明確に義務付けられています。
具体的には、役員の就任、退任、代表者の変更、常勤・非常勤の区分の変更、氏名の変更などがあった場合、原則として事実発生から30日以内に変更届出書を提出する必要があります。
なお、変更となる役員が「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)」や「当該常勤役員等を直接に補佐する者」に該当する場合は、さらに期限が厳しく、事実発生から2週間以内に提出しなければならない点に十分な注意が必要です。
1-2. 届け出を怠った場合のリスク(罰則・許可の更新不可)
「日々の業務が忙しくて、つい変更届を出し忘れてしまった」というケースが散見されますが、これを放置すると取り返しのつかない事態を招く恐れがあります。
まず、建設業法第11条第1項の規定による変更届出書を提出しなかったり、虚偽の記載をして提出したりした場合、同法第50条の罰則規定により、「6ヶ月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金」に処される可能性があります。
さらに、実務上極めて大きなリスクとなるのが「許可の更新」への影響です。建設業許可の更新は、すでに受けている許可をそのままの内容で申請する場合の取り扱いとなります。したがって、更新申請の前に変更届を提出しておくことが必須であり、変更届の提出を省略して更新申請だけで済ませることは認められていません。変更届の未提出が発覚した場合、速やかに遡って手続きを行わなければ、許可の更新ができず、最悪の場合は許可を失効させてしまうリスクがあります。
1-3. 建設業法上の「役員」の定義(監査役や執行役員は含まれる?)
役員変更の手続きにおいて、「誰が建設業法上の『役員』に該当するのか」を正確に把握することは非常に重要です。
建設業法において「役員」とは、以下の者を指します。
- 株式会社の取締役
- 持分会社(合名会社、合資会社、合同会社)の業務を執行する社員
- 指名委員会等設置会社の執行役
- 法人格のある各種組合等の理事等(これらに準ずる者)
ここで実務上よくご質問をいただくのが、「監査役」や「執行役員」の扱いです。結論から言うと、執行役員、監査役、会計参与、監事及び事務局長等については、原則として建設業法上の「役員」には含まれません。
ただし、執行役員等であっても例外があります。取締役会設置会社において、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な業務執行の権限委譲を受けた執行役員等は、「役員に準ずる者」として役員に含まれるものとして扱われます。このような場合は、組織図や業務分掌規程、取締役会の議事録などの確認書類に基づき、個別具体的に判断されることになります。
2. どんなケースが「役員変更」の対象になる?届出期限(30日以内・2週間以内)の違い
建設業許可における役員変更の届け出は、発生したケースによって提出期限が「原則30日以内」と「特例で2週間以内」の2パターンに分かれています。この違いを正確に把握していないと、気付かぬうちに期限超過(遅延)となり、始末書の提出を求められたり、更新に支障をきたしたりする恐れがあります。
ここでは、実務上よく発生する5つのケースと、それぞれの提出期限について解説します。
2-1. 新しい役員が就任した・役員が退任した(辞任・死亡など)ケース【30日以内】
新しく取締役などの役員が就任した場合や、辞任・任期満了・死亡などにより役員が退任した場合、建設業法第11条第1項の規定に基づき、事実の発生から30日以内に変更届を提出しなければなりません。 なお、法人の役員ではないものの、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主(個人に限る)などに変更があった場合も届出対象となりますが、この場合は「変更を覚知してから30日以内」とされています。
2-2. 代表取締役が交代したケース【30日以内】
代表取締役が交代した場合(例:既存の平取締役が代表取締役に就任した場合や、代表取締役が退任し平取締役になった場合など)も、役員に関する変更に該当するため、事実発生から30日以内の届け出が必要です。
2-3. 役員の氏名が変わったケース(結婚など)【30日以内】
婚姻などにより、役員の氏名が変わった場合も「役員等の変更」として扱われ、事実発生から30日以内に届け出が必要です。 ※実務上のよくある疑問として「役員が引っ越して住所が変わった場合は?」と聞かれることがありますが、役員の住所変更は建設業法上の変更届出事項には含まれていないため、届け出は不要です。
2-4. 常勤/非常勤の区分が変わったケース【30日以内】
これまで非常勤だった役員が常勤になったり、逆に常勤の役員が非常勤になったりした場合も「役員等の変更」に該当し、事実発生から30日以内に届け出が必要です。
2-5. 【要注意】常勤役員等(経営業務の管理責任者等)が変更になるケース【2週間以内】
役員の変更手続きにおいて、最も警戒しなければならないのがこのケースです。
就退任や氏名変更、常勤・非常勤の変更となる役員が、建設業法第7条第1号イに規定される「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)」や、「当該常勤役員等を直接に補佐する者」に該当する場合、提出期限が大幅に短縮され、事実発生から2週間以内に変更届を提出しなければなりません。
さらに重大な点として、常勤役員等が退任等によって不在となり、許可の基準を満たさなくなった場合も、建設業法第11条第5項の規定により2週間以内の届出が義務付けられています。万が一、後任の常勤役員等が決まっておらず「不在の期間」が生じてしまうと、建設業法第29条の規定により許可の取消事由に該当する恐れがあります。したがって、常勤役員等の交代にあたっては、事前の綿密な準備と迅速な手続きが不可欠です。
3. ケース別|役員変更手続きの必要書類
役員変更の届け出は、ケース(就任・退任・交代など)によって求められる添付書類が異なります。書類の不足や有効期限切れは、手続きの遅延に直結します。ここでは、建設業法施行規則第9条等の規定に基づき、ケースごとの必要書類を分かりやすく解説します。
3-1. 【就任時】必要な届出書類一覧
新しい役員が就任した場合、その者が建設業法第8条に規定される欠格要件に該当しないことを証明するため、個人の身分を証する公的書類の提出が厳格に求められます(建設業法施行規則第9条第2項第3号等)。
具体的には、以下の書類一式が必要です。
- 変更届出書(第一面)(様式第22号の2)
- 役員等の一覧表(様式第1号別紙一)
- 誓約書(様式第6号):新役員が欠格要件に該当しないことを誓約する書面です。
- 許可申請者の住所、生年月日等に関する調書(様式第12号)
- 後見等登記事項証明書(登記されていないことの証明書):東京法務局(各法務局・地方法務局)が発行するもの。【申請時発行から3ヶ月以内】
- 身元(身分)証明書:本籍地の市区町村長が発行する、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者等に該当しない旨の証明書。【申請時発行から3ヶ月以内】(※外国籍の方の場合は、これに代えて国籍等が確認できる住民票の原本提示が必要です)
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書):役員就任の商業登記が完了し、変更日が記載されているものが必要です。
- 株主(出資者)調書(様式第14号):※役員の就任に伴い、総株主の議決権の100分の5以上を有する株主等に変動が生じた場合のみ必要です。
3-2. 【退任・代表者交代時】必要な届出書類一覧
役員が退任する場合や、代表取締役が交代する場合は、就任時のような個人の身分証明書等は不要ですが、会社の登記状況や経営体制の継続性を証明する書類が必要となります。
■ 退任のみの場合
- 変更届出書(第一面)(様式第22号の2)
- 役員等の一覧表(様式第1号別紙一)
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書):退任の事実と変更日が記載されているもの。
■ 代表取締役が交代した場合 代表取締役の交代は、建設業の経営体制に直結するため、以下の書類が必要です。
- 変更届出書(第一面)(様式第22号の2)
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)証明書(様式第7号)及び 常勤役員等の略歴書(様式第7号別紙) (※交代により退任する役員が「常勤役員等」であった場合は、第2章で解説した通り、2週間以内の厳格な届出が求められますので、これらの証明書類を速やかに準備する必要があります。)
3-3. 役員の住所変更は届出不要?(実務でよくある疑問)
実務上、事業者様から「役員が引っ越して自宅の住所が変わったのですが、県庁への変更届は必要ですか?」というご質問をたまにお受けします。
結論から申し上げますと、役員の個人的な住所変更については、建設業法上の変更届出事由に該当しないため、管轄行政庁への届出は不要です。
ただし、注意点が2つあります。 1つ目は、会社の「主たる営業所」や「従たる営業所」の所在地が変わる場合は、事実発生から30日以内に「営業所の所在地変更」としての届出が必要になることです。 2つ目は、商業登記規則上、代表取締役の住所は登記事項とされているため、代表取締役が引っ越した場合は法務局での住所変更登記が必要になる点です。建設業許可の届出と法務局への登記手続きを混同しないようご注意ください。
4. 提出先・提出方法まとめ(愛知県の場合)
建設業法第11条に基づく変更届出書等の提出先は、事業者が受けている許可の区分(知事許可か大臣許可か)および、主たる営業所の所在地によって厳密に定められています。ここでは、愛知県内に主たる営業所を置く事業者の皆様に向けて、提出窓口と提出方法をまとめました。
4-1. 愛知県知事許可の提出窓口(主たる営業所の所在地別:県庁・各建設事務所)
愛知県知事許可業者の場合、主たる営業所の所在地によって管轄の提出窓口が異なります。窓口を間違えると受理されず、提出期限を超過してしまう恐れがあるため注意が必要です。
愛知県の「建設業法による変更届等の手引」に基づく管轄窓口は以下の通りです。
- 名古屋市の区域
- 瀬戸市、春日井市、小牧市、尾張旭市、豊明市、日進市、清須市、北名古屋市、長久手市、愛知郡及び西春日井郡の区域
- 尾張建設事務所(三の丸庁舎5階)
- 一宮市、犬山市、江南市、稲沢市、岩倉市及び丹羽郡の区域
- 一宮建設事務所
- 津島市、愛西市、弥富市、あま市及び海部郡の区域
- 海部建設事務所
- 半田市、常滑市、東海市、大府市、知多市及び知多郡の区域
- 知多建設事務所
- 岡崎市、西尾市及び額田郡の区域
- 西三河建設事務所
- 碧南市、刈谷市、安城市、知立市及び高浜市の区域
- 知立建設事務所
- 豊田市及びみよし市の区域
- 豊田加茂建設事務所
- 新城市及び北設楽郡の区域
- 新城設楽建設事務所
- 豊橋市、豊川市、蒲郡市及び田原市の区域
■ 提出部数と窓口提出時の注意点
書面で提出する場合の提出部数は、正本1部および副本1部の計2部(副本は写し可)です。持参して提出するのが基本となりますが、届出時に有効な許可年月日が複数ある場合は「最も古いもの」を記載するなど、細かな記載ルールが求められます。
■ 【最新情報】電子申請システム(JCIP)の活用
近年では、建設業許可・経営事項審査電子申請システム(JCIP)を利用した電子申請も可能となっています。電子申請であれば、窓口に出向くことなくシステム上で届出データを作成・送信できるため、業務の効率化に繋がります。
4-2. 国土交通大臣許可の提出窓口(国土交通省 中部地方整備局)
愛知県内に主たる営業所を置きつつ、他の都道府県にも営業所を設けて国土交通大臣許可を受けている事業者の場合、提出先は愛知県庁ではなく国となります。
愛知県を含む中部エリアの管轄窓口は以下の通りです。
- 国土交通省 中部地方整備局 建政部 建設産業課(TEL:052-953-8572)
大臣許可の場合は、知事許可と比べて審査の運用や求められる確認資料が異なるケースがあるため、事前に最新の手引き等で確認するか、建設業専門の行政書士に相談することをお勧めします。
5. 手続きをスムーズに進めるための注意点・よくある失敗
建設業許可の役員変更手続きにおいて、事前の確認不足やスケジュールの見通しの甘さが大きなトラブルに発展するケースは後を絶ちません。ここでは、行政書士として数多くの手続きを支援してきた経験から、実務上よく発生する失敗例と、その法的リスク・注意点について解説します。
5-1. 提出期限オーバーへの対応
第1章・第2章で解説した通り、役員変更の届出は原則として事実発生から「30日以内」または「2週間以内」に行う必要があります(建設業法第11条第1項等)。
万が一、この提出期限を超過してしまった場合でも、「遅れたから出さない」という選択は絶対に避けてください。期限を超過した場合、愛知県などの管轄行政庁に対して遅延理由を記載した「始末書(顛末書)」を添えて、速やかに変更届を提出する必要があります。 これを放置したままでは次回の許可の更新ができず、悪質なケースでは建設業法第50条に基づく罰則(6ヶ月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)の対象となる恐れもあります。期限を過ぎてしまった場合は、一日も早く専門家にご相談いただき、適切なリ커バリー措置を講じることが重要です。
5-2. 公的証明書(後見等登記事項証明書・身分証明書・登記事項証明書)の有効期限は「発行から3ヶ月以内」
役員が就任した際に添付が求められる「身元(身分)証明書」や「後見等登記事項証明書」、会社の「登記事項証明書(履歴事項全部証明書)」といった公的書類には、有効期限が定められています。
建設業法施行規則の規定や愛知県の手引きの運用上、これらの添付書類は「申請(届出)日から遡って3ヶ月以内に発行されたもの」でなければ無効とされます。 「余裕を持って事前に取得しておいたが、社内での手続きや別件の対応が滞っている間に3ヶ月を過ぎてしまい、すべての書類を役所や法務局で取り直すハメになった」という失敗は非常に多いため、書類を収集するタイミングと提出スケジュールには十分な注意が必要です。
5-3. 常勤役員等(経営業務の管理責任者等)の要件見落としと不在期間の発生による許可取消リスク
最も致命的になり得る失敗が、「常勤役員等(経営業務の管理責任者等)」の要件に関する見落としです。
新任の役員が前任者の代わりに常勤役員等に就任する予定だったものの、いざ手続きを進めようとしたら、建設業法第7条第1号等で求められる「経営業務の管理責任者としての経験年数(原則5年以上)」などの法定要件を満たしていなかった、というケースです。 要件を満たす後任者が不在となってしまうと、建設業法第29条第1項第1号の規定により、「建設業許可の取消事由」に直結してしまいます。 常勤役員等を退任させる前に、必ず後任者が法的な要件を満たしているか、またそれを客観的な書面(過去の工事請負契約書や社会保険の加入記録など)で厳格に証明できるかを、事前にプロの目線で確認することが不可欠です。
5-4. 役員変更の商業登記が完了していない状態での申請に関する注意
建設業許可の役員変更届には、変更の事実を客観的に証明する書類として「登記事項証明書(履歴事項全部証明書)」の添付が求められます。
株式会社などの法人は、役員の就任・退任・交代があった場合、会社法第915条第1項の規定に基づき2週間以内に法務局へ変更登記を申請する義務があります。 ここでのよくある失敗として、「法務局への登記申請は行ったものの、法務局内での処理が終わっておらず、新しい登記事項証明書が取得できない」ために、結果として建設業許可の変更届出期限(事実発生から2週間または30日)に間に合わなくなってしまうケースがあります。 株主総会や取締役会で役員変更の決議が行われたら、速やかに法務局での商業登記手続きを完了させ、その後に建設業許可の変更届を提出できるよう、全体のスケジュールを逆算して同時並行で進める必要があります。
6. 行政書士に役員変更届を依頼するメリット
役員変更の届け出は、自社内で行うことも不可能ではありません。しかし、建設業法特有の厳格な要件や短期間の提出期限を考慮すると、手続きの不備が会社の存続(許可の維持)に関わる重大なリスクを孕んでいます。ここでは、建設業専門の行政書士に手続きを依頼する3つの大きなメリットを解説します。
6-1. 面倒な公的証明書の収集・作成を代行
役員の就任時には、「後見等登記事項証明書(登記されていないことの証明書)」や本籍地の市区町村で発行される「身元(身分)証明書」といった、普段の業務では見慣れない公的書類の収集が必要です。しかも、これらの書類には「届出日から遡って3ヶ月以内に発行されたもの」という厳格な有効期限が定められています。
行政書士にご依頼いただければ、委任状(「建設業法第11条の規定に基づく変更等の届出に関する一切の件」を委任範囲とするもの)をご用意いただくだけで、これらの煩雑な書類収集から法定様式に基づく届出書の作成、さらには行政庁への提出までを代理で行うことが可能です。これにより、事業者の皆様は本業である建設業務に専念していただけます。
6-2. 期限超過や手続きミス・許可取消リスクの確実な防止
第1章でも触れた通り、建設業法第11条に基づく変更届出を怠った場合、建設業法第50条の罰則(6ヶ月以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金)の対象となる可能性があります。さらに、常勤役員等(経営業務の管理責任者等)の変更において、法的な要件を満たさない者を後任にしてしまったり、2週間という短い提出期限を過ぎて不在期間が生じてしまったりすると、建設業法第29条第1項に基づく「許可の取消処分」という最悪の事態を招きかねません。
行政書士は、単に書類を代書するだけでなく、「新しい役員が法的な要件(経験年数や常勤性など)を確実に満たしているか」を事前に客観的な資料から審査します。プロの目による事前確認を挟むことで、許可取消しという致命的なリスクを未然に防ぐことができます。
6-3. 許可更新や経営事項審査、他手続きとの連携管理
建設業許可は「一度取ったら終わり」ではなく、5年ごとの許可更新が必要です。さらに公共工事に参加する企業であれば、毎年の決算変更届(事業年度終了届出書)や経営事項審査(経審)を受け続ける必要があります。
変更届の未提出や記載ミスがあると、いざ5年後の更新申請をしようとした際に「過去の役員変更の手続きが漏れているため更新できない」と窓口で受理されず、許可を失効させてしまうトラブルが後を絶ちません。 行政書士を会社の法務パートナーとして活用することで、役員変更に伴う法務局での「商業登記(会社法)」のスケジュール調整から、建設業法上の変更届、そして将来の許可更新・経営事項審査に至るまで、自社の状況をセットで一元管理(連携管理)できるという大きな安心感を得ることができます
7. 建設業許可の維持には役員構成の継続的な管理が不可欠
ここまで、建設業許可における役員変更の届け出義務や期限、そして必要書類について解説してきました。
役員変更の手続きは、単に「変更届出書」を1枚出せば終わるものではありません。法務局の「登記事項証明書」が発行されるのを待ってから、本籍地の役所で「身分証明書」を取り寄せ、法務局で「登記されていないことの証明書」を取得する……。これらを「2週間〜30日以内」という限られた期間内に完璧に揃え、愛知県の窓口へ提出しなければならない、非常に神経を使う作業です。
本業の現場管理や経営判断に追われる中で、これらの慣れない公的証明書の収集や期日管理を自社で行うことは、大きな負担と「手続き漏れ」のリスクを伴います。
「役員の退任が決まったが、どうスケジュールを組めばいいか不安だ」 「気づいたら提出期限を過ぎてしまっていたが、どうリカバリーすればいい?」
そのようなお悩みは、建設業法務の「社外法務部」である当事務所へすべて丸投げしてください。面倒な証明書の収集から、商業登記のスケジュールと連動した確実な届け出、そして次回の許可更新を見据えた体制構築まで、行政書士として御社の許可を完璧にお守りいたします。
役員が変わったら、2週間以内に動いてください。
法務局の登記が終わっても、建設業の変更届は別の手続きです。
常勤役員等が絡む場合は2週間、通常の役員変更でも30日という期限があります。
期限を過ぎると始末書の提出が必要になり、更新に支障が出ます。
「すでに期限を過ぎてしまった」という場合も、まずご連絡ください。
三澤 祐喜|三澤行政書士事務所(愛知県)
行政書士
産廃処理業者に10年以上勤務した、おそらく日本でただ一人のバックグラウンドをもつ行政書士。
建設業・不動産業・運送業・廃棄物処理法・農地法——複雑に絡み合う法規制の現場にいたからこそ、他の事務所が手を引くほど複雑な案件に、私は静かに燃えます。
「他で断られた」「難しいと言われた」「複雑すぎて整理できない」——まず、ご連絡ください。
言われた書類を作るだけの「代行屋」ではなく、絡み合った法務課題を根本から解きほぐす社外パートナーとして、愛知県の経営者様の隣に立ち続けます。
愛知県行政書士会所属|第24191550号
