こんにちは、行政書士の三澤です!

「足場が道路にはみ出すんだけど、どこに申請すればいい?」「クレーン車を路上に止めて作業する場合、警察署だけでいいの?」

一見シンプルな疑問ですが、実はここに 2つの全く異なる法制度 が重なっています。道路を使う行為であっても、根拠となる法律・管轄窓口・許可の目的がそれぞれ異なるため、どちらか一方しか取っていなかったというミスが現場では少なくありません。

本記事では、愛知県内で建設業を営む皆様に向けて、この2つの許可制度を法的根拠とともに整理し、「両方必要なケース」や申請の手間を省く「経由申請」の仕組みまで、実務に即して解説します。

道路使用許可とは——「一時的な使用」に着目した制度

根拠法令と許可が必要な行為

道路交通法第77条第1項は、道路本来の目的(人や車両の通行)を妨げるような一時的な使用行為について、所轄警察署長の許可を義務付けています。

建設現場で特に関係が深いのは、次の2種類の許可です。

チェック
  • 1号許可(道路交通法第77条第1項第1号)
    「道路において工事若しくは作業をしようとする者」が対象です。具体的には、道路の掘削工事、管路埋設工事、建設資材の搬入出作業、レッカー車やコンクリートミキサー車を路上に停めて行う作業などが該当します。
  • 2号許可(道路交通法第77条第1項第2号)
    「道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする者」が対象です。建設現場では、道路上にはみ出して工事用仮囲いや足場を一時的に設置する場合がこれにあたります。

申請先と審査にかかる期間(愛知県の場合)

申請窓口は、道路を使用する場所を管轄する警察署(警察署長) です。

愛知県警察の運用では、申請受理から許可証の交付まで おおむね7日程度(行政庁の休日を除く) かかります。申請手数料は 2,500円(愛知県収入証紙またはキャッシュレス決済)です。

着工日が決まっている場合は、図面作成を含めて余裕のあるスケジュールを組むことが肝心です。

道路占用許可とは——「継続的な設置」に着目した制度

根拠法令と許可が必要な行為

道路法第32条第1項は、道路に工作物・物件・施設を設けて 継続して使用する行為 について、道路管理者の許可を義務付けています。

「継続して道路を使用しようとする場合においては、道路管理者の許可を受けなければならない」——これが道路占用許可の核心です。

足場や工事用仮囲いを 長期間にわたって道路上に設置したまま にする建設工事は、まさにこの「継続的な使用」に該当します。

許可の重要な基準:「やむを得ない理由」が必要

道路占用許可は、申請すれば必ず下りるわけではありません。道路法第33条第1項には、「道路の占用が(中略)道路の敷地外に余地がないためにやむを得ないもの」であることが許可基準として定められています。

自社敷地内に足場を組むスペースがあるにもかかわらず「作業しやすいから」という理由で道路上にはみ出させるようなケースでは、許可を得ることができません。許可申請にあたっては、占用の必要性を示す正確な図面(横断図・求積図など)の作成が欠かせません。

申請先(道路管理者)は道路の種類によって異なる

道路占用許可の窓口は 道路管理者 です。警察署ではありません。どの機関が道路管理者になるかは、道路の種類によって変わります。

道路の種類申請先
一般国道(指定区間)国土交通省(各地域の国道事務所・維持出張所等)
都道府県道都道府県知事(愛知県の場合は各建設事務所等)
市町村道市町村長(各市区町村の土木・道路担当部署)

また、道路占用許可を受けた場合は、許可後に 占用料(面積・期間等により変動)を納付することではじめて施工に進むことができます。

2つの許可の違い——一覧表で整理する

項目道路使用許可道路占用許可
根拠法令道路交通法 第77条第1項道路法 第32条第1項
目的・対象道路の一時的な使用(工事、作業、資材搬入出、足場設置等)工作物等の継続的な設置(足場、仮囲い、電柱、看板など)
申請窓口管轄警察署(警察署長)道路管理者(国・都道府県・市区町村)
費用申請手数料(愛知県:2,500円)許可後に占用料の納付が必要

「両方の許可」が同時に必要になるケース

現場でよく発生するのが、「道路にはみ出して足場や仮囲いを設置しながら作業を行う」 というケースです。これは、2つの許可が同時に必要になる典型例です。

チェック
  • 足場という工作物を道路上に 継続して 設置する → 道路法第32条に基づく道路占用許可(道路管理者へ申請)
  • 道路上に工作物を設ける行為(2号許可)であり、かつ足場の組立・解体・高所作業という 道路上での作業(1号許可)を伴う → 道路交通法第77条に基づく道路使用許可(警察署へ申請)

どちらか一方でも欠けた状態で施工を進めた場合、道路法・道路交通法の違反となり、懲役や罰金などの罰則が科されるだけでなく、工事自体が中断を余儀なくされるリスクがあります。「なんとなく一方だけ取ればいい」という誤解が、大きなトラブルの原因になります。

申請の手間を省く「経由申請」の仕組み

法的根拠と手続きの流れ

2つの窓口(警察署と道路管理者)に別々に書類を持ち込む手間を軽減するために、法律は 「経由申請」 という一括提出の仕組みを設けています。

道路交通法第78条第2項 は、「道路使用許可に係る行為が道路法の適用を受けるものであるときは、申請書の提出は、当該道路の管理者を経由して行なうことができる」と定めています。

反対に、道路法第32条第4項 は、「道路占用許可に係る行為が道路交通法の適用を受けるものである場合においては、申請書の提出は、当該地域を管轄する警察署長を経由して行なうことができる」と定めています。

行政書士の実務ポイント

愛知県の実務においても、この制度に基づく運用が行われています。

道路管理者の窓口に占用許可申請書を提出する際に、警察署宛ての道路使用許可申請書も合わせて提出(一時預かり)することで、道路管理者側から警察署への協議が進められ、複数窓口への個別対応を一本化することが可能です。

経由申請を利用する際の注意点

経由申請は便利な仕組みですが、各審査機関が求める書類はそれぞれ準備する必要があります。具体的には、道路管理者向けの「占用面積の求積図」や、警察向けの「保安図(迂回路略図)」など、審査基準を満たす正確な図面を漏れなく揃えることが求められます。書類の不備がある場合は一括提出の恩恵を受けられないどころか、補正対応に余計な時間がかかることもあります。

愛知県の道路関係許可申請は当事務所へご相談ください

道路使用許可と道路占用許可は、適用法令・管轄窓口・必要図面のいずれも異なり、現場の状況に応じた的確な書類作成が求められます。平面図・横断図・占用求積図・保安図など、申請に必要な図面の種類も多岐にわたります。

書類の不備による着工遅れは、建設業者様にとって最も避けたいリスクのひとつです。

当事務所では、愛知県内の建設業者様に代わり、警察署・道路管理者にまたがる複雑な申請手続きと図面作成を ワンストップで代行 しています。現場担当者様が役所との協議や書類作成に追われることなく、本来の施工業務に専念できる環境をサポートいたします。

まずはお気軽にご相談ください。

三澤祐喜 行政書士

三澤 祐喜|三澤行政書士事務所(愛知県)

行政書士

産廃処理業者に10年以上勤務した、おそらく日本でただ一人のバックグラウンドをもつ行政書士。
建設業・不動産業・運送業・廃棄物処理法・農地法——複雑に絡み合う法規制の現場にいたからこそ、他の事務所が手を引くほど複雑な案件に、私は静かに燃えます。
「他で断られた」「難しいと言われた」「複雑すぎて整理できない」——まず、ご連絡ください。
言われた書類を作るだけの「代行屋」ではなく、絡み合った法務課題を根本から解きほぐす社外パートナーとして、愛知県の経営者様の隣に立ち続けます。

愛知県行政書士会所属|第24191550号