【古物商】「古物」の正確な定義と13品目分類を完全解説!大型機械や金券の扱いは?

古物営業法でいう「古物」の定義と、許可申請で選ぶ13品目の分類を解説します。使用されていない品物の扱いや、金券類・大型機械類など誤解されやすい品目も、根拠となる法令とともに整理しています。

分野
古物商
主な法令
古物営業法
公開日
2026年3月30日
更新日
2026年9月25日
目次

古物ビジネスへの参入を検討する方の多くが、最初に直面するのが次の疑問です。

「自分が扱おうとしている商品は、法律上の『古物』に該当するのだろうか?」

「リサイクルショップで仕入れた服なら古物だろう」「未開封の新品だから古物ではないはず」――日常的な感覚でそう判断したくなる気持ちはよく分かります。しかし、古物営業法における「古物」の定義は、一般的なイメージよりも広く、かつ厳密です。

いざ許可申請書を作成する段になると、今度は「13品目」の分類から主たる取扱品目を選ぶ作業が待っています。「チケットや大型機械はどの品目になるのか」「複数品目を扱う場合はどう書けばいいのか」――こうした実務的な疑問も、申請経験のない方には容易ではありません。

本記事では、法律が定める「古物」の正確な定義から13品目の詳細な分類、さらに金券類・大型機械類という実務で特に誤解されやすい論点まで、根拠法令を明示しながら丁寧に解説します。ご自身のビジネスが古物営業法の規制対象となるかどうか、そして申請にあたりどの品目を選ぶべきかを、この記事で明確にしていただければ幸いです。

1. 古物営業法が定める「古物」の正確な定義

「古物」と聞くと「誰かが使い古した中古品」を思い浮かべる方が多いかと思います。ですが法律上の「古物」は、それよりも一回り広い概念として定義されています。

古物営業法第2条第1項は、「古物」を次の3つのいずれかに該当する物品と規定しています。

① 一度使用された物品

いわゆる「中古品」です。ただし、ここでいう「使用」とは、単に手に触れることではありません。その物品が本来の目的に従って使われることを指します。衣類であれば「着用」、自動車であれば「運行」、カメラであれば「撮影」がこれに当たります。

② 使用されない物品で「使用のため」に取引されたもの

実務で最も多い誤解がここにあります。

「未開封の新品だから古物ではない」は法律上の誤りです。

小売店から消費者が購入した時点で、たとえ未開封・未使用であっても、その商品は「使用する目的で取引された」物品として古物に該当します。いわゆる「新古品」や「未開封品」も古物営業法の規制対象となるため、せどりや転売を手がける方は特に注意が必要です。

③ 上記①②の物品に「幾分の手入れ」を施したもの

修理やメンテナンスを加えた物品も古物に含まれます。ここでいう「幾分の手入れ」とは、物品の本来の性質・用途を変えない範囲の修繕(部品交換、研磨など)を指します。一方、元の物品から全く性質の異なる新たな製品に改造した場合は、古物ではなく「新たな製造物」として扱われます。

以上のとおり、古物営業法における「古物」は、中古品にとどまらず、新古品・未開封品・修理済み品をも包含する広い概念です。まずこの点をしっかりと押さえておきましょう。

2. 申請書への記載が必須!古物の「13品目」分類

古物商許可の申請書には、「主として取り扱おうとする古物の区分」を記載する欄があります。この区分は、古物営業法施行規則第2条によって以下の13品目に分類されています。

No.品目主な対象物品
1美術品類書画、彫刻、工芸品など(この品目のみ扱う場合、許可証は「美術品商許可証」となります)
2衣類和服類、洋服類、その他衣料品
3時計・宝飾品類時計、眼鏡、宝石類、装身具類、貴金属類など
4自動車自動車本体およびその部分品(タイヤ、バンパー、カーナビなど)
5自動二輪車及び原動機付自転車オートバイ本体およびその部分品
6自転車類自転車本体およびその部分品
7写真機類カメラ、レンズ、光学器など
8事務機器類レジスター、計算機、パソコン、FAX、コピー機など
9機械工具類電機類、工作機械、土木機械、工具など
10道具類家具、楽器、CD・DVD・ゲームソフト・レコードなどの記録媒体、運動用具など(1〜9・11〜13に該当しないものは原則としてここに分類)
11皮革・ゴム製品類カバン、靴など
12書籍本、コミック、雑誌など
13金券類商品券、乗車券、郵便切手、収入印紙、テレホンカードなど

複数品目を扱う場合の注意点

「衣類・カバン・アクセサリーをまとめて取り扱いたい」というように、複数品目にまたがるビジネスモデルは珍しくありません。この場合、申請書には取り扱う予定のすべての区分に○を付けた上で、最もメインとなる品目を「主として取り扱う古物の区分」として1つだけ選定します。

また、許可取得後に新たな品目の取り扱いを開始(または廃止)する場合は、変更の日から14日以内に管轄警察署へ変更届出書を提出しなければなりません(古物営業法第7条)。無届けで新品目の取引を開始することは法令違反となりますので、事業拡大の際は手続きを忘れずに行ってください。

3. 見落としに注意!「金券類」として規制される範囲

チケットショップや金券ショップの開業を検討される方からは、「チケットや切手・印紙のような証票類にも古物商許可が必要なのですか?」という疑問がよく聞かれます。

結論からお伝えすると、これらは「金券類」として古物営業法の規制対象となり、買取・転売を業として行う場合には古物商許可が必要です。

規制対象となる金券類の範囲は、古物営業法施行令第1条において次のように明確に定められています。

【古物に含まれる金券類の具体例】

  • 商品券・乗車券・郵便切手:新幹線の回数券はもちろん、航空券・乗船券も含まれます
  • 収入印紙
  • 入場券・チケット類:遊園地、動物園、美術館、コンサート、演劇、スポーツ観戦などの入場券
  • 金額・数量が記載または電磁的に記録された証票等:テレホンカード、タクシークーポン、有料道路回数券、ビール券、株主優待券など

特に注意が必要なのは、紙の券面だけでなく、電磁的に金額・数量が記録されたプリペイドカード類も規制対象に含まれる点です。デジタル化の進展とともに新たな形態のギフト券や電子優待券が次々と登場していますが、自己判断での「古物か否か」の判定はリスクを伴います。

4. 規制の例外!「大型機械類」が古物から除外される条件

機械工具類を取り扱う事業者の中には、「工場の大型機械を買い取って販売する場合も、古物商許可が必要ですか?」という疑問を持つ方もいます。

古物営業法の政令では、盗品として流通するリスクが著しく低い一定の大型機械類については、古物の範囲から除外する例外規定が設けられています。

具体的には、以下の5つの要件のいずれかを満たす物品は古物に該当しないとされています(古物営業法施行令第1条ただし書き)。

【古物から除外される大型機械類】

  1. 総トン数20トン以上の船舶
  2. 航空機
  3. 鉄道車両
  4. 重量が1トンを超える機械で、コンクリートや溶接等により土地・建造物に固定され、容易に取り外せないもの (単にボルト固定されているだけで容易に取り外せる場合は「除外」に該当しません)
  5. 重量が5トンを超える機械(船舶を除く)であって、自走およびけん引ができないもの (クローラーやタイヤで自走・けん引できる大型重機は除外されず、古物として扱われます)

ご自身が扱おうとする機械がこれらの要件をすべて満たすのであれば、古物商許可なしに売買を行うことが可能です。ただし、「容易に取り外せない」「自走・けん引できない」といった要件の解釈を誤ると無許可営業となるリスクがあります。機械類をメインに取り扱う場合は、事前に慎重な確認が不可欠です。

5. まとめ

本記事のポイントを整理します。

  • 法律上の「古物」は、中古品だけでなく未開封の新古品・修理済み品も含む広い概念
  • 申請書には施行規則第2条に定める13品目から取扱区分を選定する必要がある
  • チケットや商品券などの金券類は施行令第1条により規制対象
  • 一定の要件を満たす大型機械類は古物から除外されるが、要件の判断には注意が必要

古物商許可の申請において、品目の選定は形式的な作業ではありません。「とりあえず全品目に○を付けておけば安心」という発想で申請すると、警察署の窓口で「その品目を取り扱う具体的な事業計画は何か」「保管場所や盗難対策はどうなっているか」と詳細な説明を求められ、審査が長期化する原因にもなります。

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