「委託先から許可証の写しをもらったけれど、どこを見ればいいのかわからない」
「許可番号の数字にはどんな意味があるの?」
「石綿を含む廃材を出したいが、この業者の許可で運んでもらえる?」
産業廃棄物の処理を委託する排出事業者にとって、委託先の許可証の確認は基本中の基本です。委託契約書には許可証の写しを添付することになっていますが(廃棄物処理法施行規則第8条の4)、「添付しただけで中身は見ていない」というケースも少なくありません。
この記事では、産廃許可証のうち特に重要な「許可番号」「事業の範囲」「許可の条件」「有効年月日」の読み方を、国の通知に沿って解説します。
第1章|11桁の許可番号の構成
番号は全国統一のルールで付けられている
産業廃棄物処理業・特別管理産業廃棄物処理業の許可番号は、国の取扱要領により、全国統一のルールで付与されています(「産業廃棄物処理業者及び特別管理産業廃棄物処理業者に係る許可番号等取扱要領について(通知)」(平成30年3月30日環循規発第18033022号。以下「要領」)別添2(1))。許可番号は11桁の数字で、次のように構成されています。
| 桁 | 内容 |
|---|---|
| 1〜3桁目 | 都道府県・政令市の番号(許可をした自治体) |
| 4桁目 | 業の種類を示す番号 |
| 5桁目 | 各自治体が許可業者の分類等に自由に使える番号 |
| 6〜11桁目 | 許可業者に付与される全国統一の「固有番号」 |
1〜3桁目:どの自治体の許可か
最初の3桁で、どの都道府県・政令市が出した許可かがわかります。東海4県と主な市の番号は次のとおりです(要領別紙1)。
| 自治体 | 番号 | 自治体 | 番号 |
|---|---|---|---|
| 岐阜県 | 021 | 岐阜市 | 061 |
| 静岡県 | 022 | 静岡市 | 062 |
| 愛知県 | 023 | 浜松市 | 063 |
| 三重県 | 024 | 名古屋市 | 064 |
| 豊田市 | 090 | ||
| 豊橋市 | 096 | ||
| 岡崎市 | 105 |
収集運搬業の許可は積卸しを行う区域ごとに必要なため(廃棄物処理法第14条第1項)、例えば愛知県で積み込み、三重県の処分場へ運ぶ業者であれば、「023」で始まる許可と「024」で始まる許可の両方を持っているはずです(「産業廃棄物収集運搬業の許可は必要?」参照)。
4桁目:業の種類
4桁目は業の種類を表しています(要領別添2(1)③)。
| 番号 | 業の種類 |
|---|---|
| 0 | 産業廃棄物収集運搬業(積替えを含まないもの) |
| 1 | 産業廃棄物収集運搬業(積替えを含むもの) |
| 2 | 産業廃棄物処分業(中間処分のみ) |
| 3 | 産業廃棄物処分業(最終処分のみ) |
| 4 | 産業廃棄物処分業(中間処分、最終処分) |
| 5 | 特別管理産業廃棄物収集運搬業(積替えを含まないもの) |
| 6 | 特別管理産業廃棄物収集運搬業(積替えを含むもの) |
| 7 | 特別管理産業廃棄物処分業(中間処分のみ) |
| 8 | 特別管理産業廃棄物処分業(最終処分のみ) |
| 9 | 特別管理産業廃棄物処分業(中間処分、最終処分) |
たとえば「02301……」であれば、愛知県の産業廃棄物収集運搬業(積替えを含むもの)の許可、ということになります。積替え保管の有無は委託契約書の記載事項にも関係するため(施行規則第8条の4の2第4号)、ここで確認しておくと便利です。
6〜11桁目:全国共通の「固有番号」
下6桁は、許可業者ごとに付与される全国統一の固有番号です。要領では、次のように取り扱うとされています(要領別添3)。
- いずれかの自治体で最初に許可を行った時点で付与し、既に固有番号を持つ業者には新たな番号を付与しない
- 一度付与した固有番号は、変更許可・更新許可・変更届があっても変更しない
- 業の全部廃止や許可の失効・取消しにより、全ての自治体で業が行われなくなった場合は失効し、欠番とする
つまり、同じ業者であれば、愛知県の許可でも三重県の許可でも、下6桁は原則として同じです。
車体表示の「下6けた」と照合する
収集運搬業者の運搬車の両側面には、「産業廃棄物の収集又は運搬の用に供する運搬車である旨」「氏名又は名称」「許可番号(下6けたに限る。)」を表示することが義務付けられています(廃棄物処理法施行令第6条第1項第1号イ、施行規則第7条の2の2第1項第3号)。許可証の下6桁と、実際に来た車両の表示が一致しているかを見れば、契約した業者本人の車両かどうかを確認する手がかりになります(「産業廃棄物収集運搬車両の基準と表示・書面携帯義務」「産業廃棄物処理業の名義貸しはなぜ禁止?」参照)。
第2章|「事業の範囲」欄の読み方
事業の範囲とは
許可証の「事業の範囲」欄は、その業者が「何を」「どのように」扱えるかを示す、最も重要な欄です。国の通知では、事業の範囲は、収集運搬業では積替えの有無と取り扱う産業廃棄物の種類、処分業では中間処理か最終処分かの区分、焼却処分・埋立処分等の処分の内容、取り扱う産業廃棄物の種類で示されるとされています(「産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて(通知)」(令和2年3月30日環循規発第2003301号。以下「許可事務通知」)第1の1)。
排出事業者は、委託しようとする産業廃棄物の運搬・処分が委託先の「事業の範囲に含まれるもの」に委託しなければなりません(廃棄物処理法施行令第6条の2第1号・第2号)。範囲外の委託は委託基準違反となり、3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科の対象です(廃棄物処理法第26条第1号)。
括弧書きまで読むことが大切
事業の範囲の書き方について、国の通知は次のような記載例を示しています(許可事務通知第1の11(1))。
| 取り扱う廃棄物 | 許可証の記載例 |
|---|---|
| 燃え殻 | 燃え殻(判定基準に適合しないもの及び特定有害産業廃棄物であるものを除く。) |
| 含水率85%以下の汚泥 | 汚泥(含水率85%以下のものに限り、判定基準に適合しないもの及び特別管理産業廃棄物であるものを除く。) |
| 廃プラスチック類・紙くず・ゴムくず | 廃プラスチック類、紙くず及びゴムくず(これらのうち特別管理産業廃棄物であるものを除く。) |
| 廃プリント配線板 | 廃プラスチック類及び金属くず(廃プリント配線板を含む。) |
| コンクリート破片等 | がれき類 |
例えば「汚泥(含水率85%以下のものに限り…)」と書かれていれば、含水率の高い汚泥はこの許可の範囲外です。施設によって取り扱えない性状がある場合は、このように限定を付けて許可されることがあるとされています(許可事務通知第1の1)。品目名だけで判断せず、括弧書きの限定まで確認しましょう。
石綿・水銀の「含む」「除く」
石綿含有産業廃棄物、水銀使用製品産業廃棄物、水銀含有ばいじん等が含まれる場合は、事業の範囲にその旨を明記することとされています(許可事務通知第1の11(1))。これらを「除く」内容の許可しか持たない業者には、該当する廃棄物を委託できません。愛知県では、「除く」から「含む」への変更は変更許可の対象としています(愛知県「廃棄物関係の許可及び自動車リサイクル法 手続きQ&A」Q20)。解体・改修工事で石綿含有建材や蛍光灯が出る場合は、特に注意が必要です(「石綿含有産業廃棄物の処理方法とは?」「水銀使用製品産業廃棄物・水銀含有ばいじん等の取扱い」参照)。
特別管理産業廃棄物の許可証
特別管理産業廃棄物の許可証では、例えば次のように記載されます(許可事務通知第1の11(2))。
- 廃酸(水素イオン濃度指数2.0以下のものに限り、特定有害産業廃棄物であるものを除く。)
- 廃アルカリ(水素イオン濃度指数12.5以上のものに限り、特定有害産業廃棄物であるものを除く。)
- 廃油(揮発油類、灯油類及び軽油類に限り、特定有害産業廃棄物であるものを除く。)
- 感染性産業廃棄物、廃PCB等、廃石綿等
第3章|「許可の条件」欄と有効年月日
許可の条件欄
許可証には「許可の条件」欄もあります。これは、生活環境の保全上必要な条件を記載する欄で、例えば収集運搬業では運搬経路や搬入時間帯の指定などが考えられるとされています(廃棄物処理法第14条第11項、許可事務通知第1の6)。通知は、事業の範囲に記載すべき内容を許可の条件として記載してはならないとしており(許可事務通知第1の11(3))、両者は区別されています。条件に違反すれば事業停止や許可取消しの対象となり得るため(廃棄物処理法第14条の3第3号、第14条の3の2第2項)、許可業者自身もよく確認しておくべき欄です。
許可の年月日と有効年月日
許可の有効期間は、新規許可と通常の更新は5年、優良認定を受けた更新は7年です(廃棄物処理法施行令第6条の9、第6条の11)。優良認定業者の許可証は、専用の様式で交付されます(施行規則第10条の2、第10条の6)。
更新申請の審査中に有効期限を迎え、その後に更新の許可がされた場合、許可証の「許可の年月日」は実際に更新の許可をした日、「許可の有効年月日」は従前の有効期限の翌日から起算して5年以内の日が記載されます(許可事務通知第1の11(5))。そのため、許可の年月日から5年より短い有効年月日になっていることがありますが、誤りではありません。
なお、更新申請中で有効期限を過ぎている許可証を示された場合、期間内に更新申請をしていれば処分がされるまで従前の許可は効力を有します(廃棄物処理法第14条第3項)。心配な場合は、更新申請中であることを業者に確認しましょう(「産業廃棄物処理業許可の更新手続きと有効期間」参照)。
第4章|許可業者側の許可証管理
許可証の書換え・再交付・返納
許可業者の側では、次の点にも注意が必要です。
- 変更届の事項が許可証の記載事項に該当する場合は、許可証の書換えを受けることができる(施行規則第10条の10の2、許可事務通知第1の12)
- 許可証を紛失した場合、愛知県では再交付申請書の提出が必要で、新しい許可証を受け取る際に旧許可証がない場合は紛失した旨の申立書も必要(愛知県「手続きQ&A」Q19)
- 更新・変更許可で新しい許可証を受けたときや、事業を廃止したときは、従前の許可証を返納する(許可事務通知第1の13)
許可証の写しは運搬車にも必要
収集運搬業者は、運搬車に許可証の写しとマニフェスト(電子マニフェストの場合は所定の書面等)を備え付ける必要があります(施行規則第7条の2の2第4項で準用する第7条の2第3項第3号〜第5号)。許可証を書き換えたときや更新したときは、車両に備え付けている写しも差し替えましょう。
第5章|委託先確認のチェックリスト
- 許可番号の1〜3桁目で、積込み地と積降ろし地の両方の自治体の許可があるか
- 4桁目で、業の種類(収集運搬・処分、積替えの有無)が契約内容と合っているか
- 事業の範囲に、委託する廃棄物の品目が括弧書きの限定も含めて入っているか
- 石綿含有・水銀使用製品等を委託する場合、「含む」区分になっているか
- 有効年月日が切れていないか(切れている場合は更新申請中かを確認)
- 実際に来る車両の表示(下6桁)が許可番号と一致しているか
第6章|許可証の確認や委託先選びは行政書士へ
許可証は、委託先が「何を」「どこで」「どのように」扱えるかを示す公的な証明です。ポイントをまとめます。
- 許可番号は11桁で、自治体番号・業の種類・自治体の自由番号・全国共通の固有番号で構成される
- 下6桁の固有番号は、更新や他県の許可でも変わらず、車体表示と照合できる
- 事業の範囲は括弧書きの限定まで読み、石綿・水銀の「含む」「除く」を確認する
- 許可の条件欄、有効年月日も確認し、範囲外の委託にならないよう注意する
三澤行政書士事務所では、排出事業者様の委託先許可証のチェックや、委託契約書の点検もお手伝いしています。東海エリアの事業者様は、お気軽にご相談ください。
出典:
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(第14条、第14条の3、第14条の3の2、第26条)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令(第6条、第6条の2、第6条の9、第6条の11)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(第7条の2、第7条の2の2、第8条の4、第8条の4の2、第10条の2、第10条の6、第10条の10の2)
- 産業廃棄物処理業者及び特別管理産業廃棄物処理業者に係る許可番号等取扱要領について(通知)(平成30年3月30日環循規発第18033022号)
- 産業廃棄物処理業及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務等の取扱いについて(通知)(令和2年3月30日環循規発第2003301号)
- 愛知県「廃棄物関係の許可及び自動車リサイクル法 手続きQ&A」