宅建業免許を取得した後にも、事業者が守らなければならないルールがあります。その一つが、「従業者証明書」と「従業者名簿」に関する義務です。免許取得がゴールではなく、開業後の運用面でも押さえておくべきポイントになります。本記事では、愛知県の手引きをもとに解説します。

従業者証明書の携帯義務

宅地建物取引業者は、その従業者に「従業者証明書」を携帯させなければなりません。取引の相手方などから見て、その人が確かにその宅建業者の従業者であることを証明できるようにするための書類です。

従業者名簿の備え付け義務

「従業者証明書」を携帯させた者を記載した「従業者名簿」を、事務所ごとに備え付けることが義務付けられています。事務所が複数ある場合は、それぞれの事務所ごとに、その事務所に所属する従業者の名簿を用意する必要があります。

従業者名簿に記載する者の範囲

従業者名簿に記載する範囲は、宅建業のみを営んでいる場合と、他の業種と兼業している場合とで異なります。

宅建業のみを営んでいる場合

  • 代表者
  • 役員(非常勤役員、監査役を除く)
  • その他すべての従業員

なお、宅地建物の取引と直接的な関係が乏しい業務に、臨時的に従事する者は該当しません。

他の業種と兼業している場合

  • 代表者
  • 宅地建物取引業を担当する役員(非常勤役員、監査役、及び主として他の業種も担当し宅地建物取引業の業務の比重が小さい役員を除く)
  • 宅地建物取引業の業務に従事する者
  • 宅地建物取引業を主として営む者にあっては、全体を総括する一般管理部門に従事する者

従業者名簿の保存期間

従業者名簿は、最終記載をした日から10年間保存しなければなりません。従業者の入れ替わりがあっても、記載内容をすぐに廃棄せず、長期間保管しておく必要があります。

まとめ

宅建業者には、従業者に従業者証明書を携帯させる義務と、事務所ごとに従業者名簿を備え付ける義務があります。従業者名簿に記載すべき範囲は、宅建業のみを営む場合と兼業している場合とで異なり、いずれの場合も代表者や実際に業務に従事する人が対象になります。

名簿は最終記載日から10年間保存する必要があるため、免許取得後は、従業者の異動があるたびに名簿を適切に更新・保管する体制を整えておきましょう。