「最初に取った業種と、後から追加した業種で、更新の時期が違う。管理が大変……」——業種追加をしたことのある建設業者の方から、よく聞くお悩みです。
こうした問題を解決するための制度が、「許可の有効期間の調整」、いわゆる「許可の一本化」です。
業種追加の手続きそのものは「建設業許可の「業種追加」とは?」、更新申請は「【保存版】愛知県の建設業許可「更新申請」の完全ガイド」で解説しました。この記事では、一本化の仕組みと注意点を解説します。
1. なぜ満了日がばらばらになるのか
建設業許可の有効期間は5年間で、許可のあった日から5年目の、許可のあった日に相当する日の前日までです(愛知県「建設業許可に関するよくある質問と回答」A1-15)。
業種追加で新たに許可を受けると、その業種の許可はその許可日から5年となります。その結果、最初の許可と追加した許可で、許可年月日と有効期間が異なる許可が併存することになります。
建設業許可事務ガイドライン(【第3条関係】5.)では、こうした状態は許可行政庁の事務の円滑化を妨げるだけでなく、建設業者にとっても更新時期を忘れる原因になるとしています。
愛知県のFAQ A3-8でも、業種ごとに満了日が異なると、更新手続を忘れたり、更新の申請手数料がその都度必要になったりすると説明しています。
2. 許可の一本化とは
愛知県のFAQ A3-8では、「許可の有効期間の調整」を次のように説明しています。
業種追加や般特新規の申請と同時に、許可日が異なる現在有効なすべての建設業許可の更新申請をまとめて行うことにより、許可日を一つに統一すること
建設業許可事務ガイドラインでは、次の2つの取扱いが示されています(【第3条関係】5.)。
2-1. 更新のときにまとめる
同一業者で別々に2以上の許可を受けている場合、1つの許可の更新を申請する際に、有効期間が残っている他の許可についても、できるだけ同時に1件の許可の更新として申請させ、すべてあわせて1件の更新として許可する。
2-2. 業種追加のときにまとめる
業種追加の申請をする場合(般・特新規申請の場合を含む)には、有効期間が残っている他の許可についても同時に更新を申請することができ、業種追加の許可とその他の許可の更新をあわせて1件として許可することができる。
3. 注意点①:他の許可の残り期間は「原則6か月以上」
業種追加と同時に他の許可の更新を申請する場合、業種追加の審査にはある程度の期間が必要なため、同時に更新を申請する他の許可の有効期間は、原則として6か月以上残っていることが必要とされています(建設業許可事務ガイドライン【第3条関係】5.(2))。
4. 注意点②:一本化後の有効期間
一本化の申請が行われた場合、有効期間が残っている許可についても、新たに申請を行ったものとして取り扱うとされています(建設業許可事務ガイドライン【第3条関係】6.(2))。つまり、一本化後はすべての業種の有効期間が、新しい許可日からの5年間にそろいます。
5. 注意点③:愛知県では「30日前までの本受付」が必要
愛知県のFAQ A3-4では、更新とあわせて業種追加も1つの申請書にまとめて申請する場合、許可の有効期限の30日前までに本受付する必要があるとしています。
30日前以降の本受付になる場合は、更新と業種追加を別々の申請に分けることになります。余裕を持って書類を提出しましょう。
なお、更新の申請は、原則として有効期間満了日の3か月前から30日前までに行うこととされています(愛知県FAQ A3-1)。
6. 手数料の考え方
愛知県知事許可の申請手数料は、許可を申請する業種の数にかかわらず、新規申請9万円、更新・業種追加はともに5万円です(愛知県FAQ A1-9)。一般建設業と特定建設業は許可の区分が違うため、それぞれ手数料が必要です。
業種ごとに更新時期がばらばらだと、そのたびに更新の手数料がかかりますが、一本化すれば以後の更新を1回にまとめられます。
7. 合併・会社分割のときにも一本化できる
建設業許可事務ガイドラインでは、吸収合併や吸収分割で存続会社・承継会社が新たに許可を申請する場合も、既に受けている許可の更新とあわせて、一本化ができることに留意するとしています(【第17条の2関係】)。
8. まとめ
- 業種追加を重ねると、業種ごとに許可の有効期間の満了日が異なる
- 業種追加・般特新規と同時に、他の許可の更新を申請すれば、許可日を1つにそろえられる
- 同時に更新する他の許可は、原則6か月以上の残存期間が必要
- 愛知県では、更新と業種追加をまとめる場合、有効期限の30日前までに本受付が必要
- 一本化で、更新忘れのリスクと手数料の負担を減らせる
「業種追加を考えているが、一本化もできるか確認したい」「更新時期がばらばらで管理に困っている」という事業者様は、お気軽に当事務所へご相談ください。スケジュールを逆算して、最適な申請時期をご提案します。
関連記事:建設業許可の「業種追加」とは?/【保存版】愛知県の建設業許可「更新申請」の完全ガイド/【愛知県】一般から特定へ!「般・特新規」申請