出国命令制度の適用を希望する場合、どこに出頭すればよいのか、また出頭してから実際に出国するまでどのくらいの日数がかかるのかは、事前に知っておきたい重要なポイントです。この記事では、出入国在留管理庁「退去強制手続・出国命令制度・上陸拒否期間の短縮決定Q&A」の内容に基づき、出頭場所と手続にかかる期間について解説します。
出国命令制度の出頭先は決まっている
出入国在留管理庁のQ&Aによると、出国命令制度の適用を受けることを希望する場合、出頭者に対する違反調査は、原則として次の地方出入国在留管理官署で行われます。
地方出入国在留管理局(8か所)
札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡
地方出入国在留管理局支局(3か所)
横浜、神戸、那覇
これらの官署に、平日の執務時間内に出頭する必要があります。
上記以外の官署に出頭した場合はどうなるか
上記以外の地方出入国在留管理官署に出頭した場合には、出頭者に対して出頭確認書が交付され、上記の官署への出頭日時と出頭場所が指示される扱いとなっています。つまり、最寄りの入管窓口に出頭したとしても、最終的には指定の8局・3支局のいずれかで手続を受けることになります。
空港の入管官署に出頭しても当日の出国は原則できない
出国を希望する空港にある出入国在留管理局に出頭することも可能ですが、注意が必要です。Q&Aでは、空港にある地方出入国在留管理官署に出頭した場合でも出頭確認書は交付されるものの、違反調査等にある程度の時間を要するため、原則として、出頭した当日に出国することはできないとされています。
そのため、出国命令を受けて出国したい方は、あらかじめ上記の8か所の地方出入国在留管理局又は3か所の支局において、所定の手続を受けておく必要があります。空港での「当日出頭・当日出国」のようなイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、実際にはそのような運用にはなっていない点に注意しましょう。
出頭から出国命令書の交付まで、概ね2週間程度
出頭してから出国命令を受けるまでにどのくらいの期間がかかるかについて、Q&Aでは次のように説明されています。
出頭された方の状況(旅券の有無など)にもよりますが、地方出入国在留管理官署に出頭してから出国命令書の交付を受けて出国するまでに、概ね2週間程度の日数を要するとされています。
この期間はあくまで目安であり、旅券を所持しているかどうかなど個々の事情によって前後する可能性があります。そのため、帰国用の航空券等を予約する際には、この期間を踏まえて余裕を持ったスケジュールを組むよう注意が必要です。
出頭時に準備しておくべきもの
出頭する際には、旅券を持参することが基本です。旅券を紛失するなどして所持していない方は、身分を明らかにする証明書があれば持参するとよいとされています。帰国を希望する場合は、有効な旅券のほか、帰国のための航空券や旅行代理店が発行した航空券予約確認書が必要となります。
ただし、不法残留等の状態や他の法令に違反している場合には、調査に時間を要し、事前に準備していた航空券が使用できなくなることも考えられます。そのため、まずはお近くの地方出入国在留管理官署に出頭したうえで、問い合わせることが勧められています。
まとめ:スケジュールに余裕を持った準備を
出国命令制度を利用する場合、出頭できる官署は決まっており、出頭から出国命令書の交付まで概ね2週間程度の期間を見込んでおく必要があります。航空券の手配などを急いで進めてしまうと、手続の進捗次第では無駄になってしまう可能性もあります。