在留期間更新許可申請の手続き中に、急な家族の事情や仕事の都合で「どうしても一時的に海外へ行かなければならない」というケースは珍しくありません。しかし、「申請中はパスポートを入管に預けなければならないのではないか」「申請中に出国したら手続きがどうなってしまうのか」といった不安を感じる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、出入国在留管理庁が公表している「出入国審査・在留審査Q&A」の内容をもとに、在留期間更新許可申請中の一時帰国と、再入国許可(みなし再入国許可を含みます)との関係について整理します。

申請中もパスポートは入管に保管されない

出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」によると、在留期間の更新申請中、地方出入国在留管理局等が申請人のパスポートを保管することはないとされています。

申請書類とあわせてパスポートを提出するイメージを持たれている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際にはパスポートは申請人ご自身の手元にあります。そのため、更新申請中であっても、パスポートを使って出入国すること自体は可能な状態にあるということになります。

更新申請中でも再入国許可による出国は可能

出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」では、在留期間の更新申請中でも、再入国許可(みなし再入国許可を含みます)により出入国することができるとされています。

「再入国許可」とは、日本から一時的に出国したあと、再び日本に入国する際に、新たに在留資格認定証明書の交付を受けたり査証を取得したりすることなく、従前の在留資格のまま日本に戻ってくることができる制度です。このうち、一定の条件のもとで事前の許可申請を経ずに出国できる簡易な仕組みが「みなし再入国許可」と呼ばれています。

更新許可申請中であっても、この再入国許可(みなし再入国許可を含む)の仕組みを利用して出国することができるとされています。つまり、申請中だからといって一時帰国そのものができなくなるわけではありません。

出国中も連絡が取れる状態にしておくことが望ましい

出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」では、在留期間更新許可申請中または在留資格変更許可申請中に再入国許可(みなし再入国許可を含む)により出国する場合について、申請先の出入国在留管理局から審査手続に関連した連絡が来る可能性があるとされています。そのため、出国中であっても連絡が取れる状況にしておくことが望ましいとされています。

海外に滞在している間に、追加書類の提出を求められたり、審査に関する連絡が入ったりする可能性もゼロではありません。一時帰国を予定している場合は、メールや電話などで連絡が取れる状態を維持しておくと安心です。

出国後、いつまでに再入国すればよいか

更新申請中に出国した場合、再入国の期限についても明確なルールが示されています。出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」の内容を整理すると、次のとおりです。

在留期間更新申請後に出国した場合の基本ルール

在留期間の更新申請後に、再入国許可(みなし再入国許可を含みます)により出国した場合は、在留期限から2か月を経過する日までに再入国して、在留期間の更新申請の処分を受ける必要があるとされています。

再入国許可を受けて出国する場合

再入国許可を受けて出国する場合は、その再入国許可期限までに再入国する必要があります。

みなし再入国により出国する場合

みなし再入国により出国する場合は、次のいずれか早い日までに再入国する必要があります。

  • 従前の在留期間の満了の日から2か月を経過する日
  • 出国の日から1年を経過する日

さらに、再入国したあとも、従前の在留期間の満了の日から2か月を経過する前に、必ず申請先の出入国在留管理局へ行き、申請の結果を受け取る必要があるとされています。

期限を過ぎてしまうと不法残留になるおそれ

出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」では、在留期間の満了の日から2か月を経過してしまうと、更新許可申請を行っていても不法残留となってしまうため注意が必要であるとされています。

「申請中だから大丈夫」と思い込んで手続きを後回しにしてしまうと、思わぬ形で不法残留の状態になってしまうおそれがあります。一時帰国を挟む場合は特に、再入国の期限と、帰国後に結果を受け取りに行く期限の両方を意識しておく必要があります。

まとめ

在留期間更新許可申請中であっても、パスポートは申請人ご自身が保管しており、再入国許可(みなし再入国許可を含む)による一時的な出入国は可能です。ただし、次の点には十分注意しましょう。

  • 出国中も出入国在留管理局から連絡が来る可能性があるため、連絡が取れる状態にしておくこと
  • 在留期限から2か月を経過する日までに再入国し、更新申請の処分を受ける必要があること
  • みなし再入国の場合は「従前の在留期間満了から2か月」と「出国の日から1年」のいずれか早い日までに再入国すること
  • 期限を過ぎると、申請中であっても不法残留となってしまうこと

更新申請中の一時帰国を検討されている場合は、出発前にスケジュールと期限をしっかり確認し、不安がある場合は行政書士など専門家にご相談されることをおすすめします。