国際結婚や国際家族のあり方が多様化する中で、「子どもを日本に呼び寄せて一緒に暮らしたい」というご相談は年々増えています。特に、片方の親が日本人や永住者である場合、その子どもがどのような在留資格で日本に在留できるのかは、多くのご家庭にとって重要な関心事です。
今回は、出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の規定に基づく「定住者告示」(平成2年法務省告示第132号)第6号の内容をもとに、「定住者」の在留資格が認められる子どもの範囲について解説します。
定住者告示第6号が定める内容
定住者告示第6号は、次のように定められています。
六 次のいずれかに該当する者(第一号から第四号まで又は第八号に該当する者を除く。)に係るもの
イ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者又は日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法に定める特別永住者(以下「特別永住者」という。)の扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
ロ 一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者(第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者を除く。)の扶養を受けて生活する当該者の未成年で未婚の実子
ハ 第三号、第四号又は前号ハに掲げる地位を有する者として上陸の許可、在留資格の変更の許可又は在留資格の取得の許可を受けた者で一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子であって素行が善良であるもの
ニ 日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、特別永住者又は一年以上の在留期間を指定されている定住者の在留資格をもって在留する者の配偶者で日本人の配偶者等又は永住者の配偶者等の在留資格をもって在留するものの扶養を受けて生活するこれらの者の未成年で未婚の実子
(定住者告示 第六号)
このように、第6号は「未成年で未婚の実子」を対象とした規定です。イに定められているとおり、日本人、永住者の在留資格をもって在留する者、または特別永住者の扶養を受けて生活する、これらの者の未成年で未婚の実子は、定住者の在留資格の対象となり得ます。また、ロ・ハでは日系人として定住者資格を持つ方の実子について、ニでは日本人・永住者・特別永住者・定住者の配偶者(「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格を持つ方)の扶養を受ける未成年で未婚の実子についても、同様に定住者の対象となることが定められています。
この規定が対象としているのは「子ども自身」の在留資格
ここで重要なポイントを整理しておきます。第6号が定めているのは、あくまで「未成年で未婚の実子」自身が取得し得る定住者の在留資格についての規定です。つまり、日本人や永住者に扶養される「子ども側」の在留資格を定めたものであり、扶養する側の「親」の在留資格そのものを直接定めたものではありません。
たとえば、日本人と結婚した外国籍の方との間に生まれた子ども、あるいは日本人・永住者の扶養を受ける立場にある未成年で未婚の実子は、この告示に基づいて定住者の在留資格を取得できる可能性があります。この場合、子ども自身の国籍が外国籍であっても、日本人や永住者の実子として扶養を受けている実態があれば、対象になり得るということです。
「外国人親」自身の在留資格については個別の検討が必要
一方で、「日本人の子(日本国籍を持つ子)を、外国籍の親が扶養しながら日本で暮らしたい」という、親の側の在留資格をどうするかという問題は、今回確認した第6号が直接定める内容とは異なります。たとえば、日本人の実子を養育している外国籍の親が、離婚や死別などによって「日本人の配偶者等」としての地位を失った後、それでも子どもの養育のために日本での在留を続けたいと希望するケースは実務上よく見られますが、こうした親自身の在留資格をどうするかは、個々の事情を踏まえた個別の審査によって判断されることになります。
このように、告示に明記された類型に直接当てはまらない場合でも、在留を希望する背景事情(子どもの養育状況、これまでの在留実績、生活基盤など)を丁寧に説明していくことが、実務上は重要になります。
実務上のポイント
- 定住者告示第6号は、あくまで「未成年で未婚の実子」自身が定住者の在留資格を取得するための規定であることを正しく理解しておきましょう。
- 子どもを扶養する側(親)が日本人、永住者、特別永住者、または一定の定住者資格を持つ方であることが、子どもの在留資格の前提となります。
- 親自身の在留資格の問題(離婚後も子どもの養育のために日本に在留したい場合など)は、個別の事情を踏まえた検討が必要になるため、早めに専門家に相談することをおすすめします。
まとめ
- 定住者告示第6号は、日本人・永住者・特別永住者・一定の定住者資格保持者の扶養を受ける「未成年で未婚の実子」について、定住者の在留資格を認める規定です。
- この規定はあくまで子ども自身の在留資格に関するものであり、子どもを扶養する外国籍の親自身の在留資格を直接定めたものではありません。
- 親子で日本での生活を続けたいと考える場合は、子どもと親、それぞれの在留資格の状況を正確に整理したうえで、個別に最適な手続きを検討することが大切です。
お子さんの在留資格やご家族での生活について不安がある方は、状況を丁寧にお伺いしたうえで最適なご提案をいたしますので、お気軽にご相談ください。
出典:出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第二の定住者の項の下欄に掲げる地位を定める件(平成2年法務省告示第132号)第六号