「監理技術者資格者証の有効期限が切れているけど、許可申請や現場配置に影響する?」「講習はいつまでに受け直せばいい?」——監理技術者資格者証と講習について、こうしたご質問をよくいただきます。
この記事では、監理技術者制度運用マニュアル(最終改正 令和7年1月28日)と建設業法の規定に沿って、資格者証と講習のルールを整理します。
1. 資格者証と講習が必要になる人
1-1. 専任の監理技術者
専任が必要な工事の監理技術者(専任特例の場合を含む)は、監理技術者資格者証の交付を受けている者で、国土交通大臣の登録を受けた監理技術者講習を受講した者の中から選任しなければなりません(建設業法第26条第5項)。
専任が必要な工事とは、公共性のある施設などに関する重要な工事で、請負代金が4,500万円(建築一式工事は9,000万円)以上のものです(建設業法施行令第27条)。詳しくは「配置技術者とは?」をご覧ください。
1-2. 現場を兼務する特定営業所技術者
特定営業所技術者が、営業所に置かれたまま現場の監理技術者の職務を兼ねる場合も、資格者証の交付を受け、講習を受講した者でなければなりません(建設業法第26条の5第3項)。
1-3. 監理技術者補佐
監理技術者補佐についても、監理技術者を適切に補佐し、資質の向上を図る観点から、講習を受講することが望ましいとされています(監理技術者制度運用マニュアル 四(3)②)。
2. 監理技術者資格者証とは
2-1. 何のためのものか
資格者証は、重要な工事の監理技術者が、所定の資格を持っているか、あらかじめ定められた本人が専任で職務に従事しているか、建設業者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあるか、などを確認するために活用されています(マニュアル 四(2)②)。
2-2. 交付を受けられる人
監理技術者になり得る者は、指定資格者証交付機関に申請して交付を受けられます。指定資格者証交付機関として、一般財団法人建設業技術者センターが指定されています(マニュアル 四(2)③④)。
監理技術者になり得る者は、次のとおりです。
- 指定建設業7業種(土木・建築・電気・管・鋼構造物・舗装・造園):一定の国家資格者または国土交通大臣認定者に限られる
- それ以外の22業種:一定の国家資格者、国土交通大臣認定者のほか、一定の指導監督的な実務経験を有する者
交付手数料は7,600円とされています(建設業法施行令第44条)。
2-3. 記載事項
資格者証には、本人の顔写真のほか、次の事項が記載されます(マニュアル 四(2)⑤、建設業法第27条の18第2項)。
- 氏名、生年月日、住所
- 最初に資格者証の交付を受けた年月日
- 現に所有する資格者証の交付を受けた年月日
- 有する監理技術者資格
- 建設業の種類
- 資格者証交付番号
- 資格者証の有効期間の満了する日
- 所属建設業者名
- 監理技術者講習を修了した場合はその旨
2-4. 所属建設業者が変わったら30日以内に
所属建設業者名に変更があった場合は、30日以内に、指定資格者証交付機関に記載事項の変更の届出をするか、新たな資格者証の交付を受けなければなりません(マニュアル 二-四(2)②、建設業法施行規則第17条の34第1項・第17条の36第1項)。
3. 監理技術者講習
3-1. 5年ごとの受講
専任の監理技術者として選任されている期間中は、いずれの日においても、講習を修了した日から5年を経過しないよう受講していなければなりません(マニュアル 四(3)①)。
3-2. 有効期限の数え方
令和3年1月1日以降は、講習の有効期限の起算日が、受講した日の属する年の翌年の1月1日となり、その日から5年後の12月31日が有効期限となっています(マニュアル 四(3)①、建設業法施行規則第17条の17)。
たとえば、ある年の6月に受講した場合、翌年の1月1日から数えて5年後の12月31日までが有効期限です。
3-3. 講習の内容
講習は、国土交通大臣の登録を受けた登録講習機関が、次の科目について、講義と試験によって行います(建設業法第26条の8第1項、マニュアル 四(3)③)。
- 建設工事に関する法律制度
- 建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理
- 建設工事に関する最新の材料、資機材及び施工方法
3-4. 修了履歴のラベル
講習の修了履歴は、発注者などから提示を求められることがあるため、講習修了後、修了履歴のラベルを資格者証の裏面に貼付することとされています(マニュアル 四)。
4. 携帯・提示義務
- 専任の監理技術者は、発注者から請求があったときは、資格者証を提示しなければなりません(建設業法第26条第6項)
- 工事の職務に従事しているときは、常時これらを携帯している必要があります(マニュアル 四)
5. 書類・掲示での扱い
- 施工体制台帳:専任の監理技術者については、資格を証する書面として監理技術者資格者証の写しを添付します(建設業法施行規則第14条の2第2項第2号)
- 工事現場の標識:専任の監理技術者などを置く場合、「資格者証交付番号」欄に交付番号を記載します(マニュアル 図-3記載要領)
6. 有効期限が切れた資格者証は許可申請に使える?
愛知県の「建設業許可に関するよくある質問と回答」(令和8年4月1日版)A3-10では、営業所技術者等の申請について、次のように回答しています。
監理技術者資格者証の有効期限が切れている場合でも資格や実務経験は認められます。また、住所や所属建設業者名が古い内容であっても、資格や実務経験は認められます。
つまり、許可申請で資格や実務経験を確認する資料としては、期限切れの資格者証も使えるということです。
ただし、これは営業所技術者等の資格確認の話です。現場で専任の監理技術者として選任する場合は、前述のとおり資格者証の交付を受け、講習を受講していることが求められます。現場配置の場面では、有効期限の管理が欠かせません。
7. まとめ
- 専任の監理技術者は、資格者証の交付を受け、講習を受講した人から選任する
- 講習の有効期限は、受講した年の翌年1月1日から5年後の12月31日まで
- 資格者証は常時携帯し、発注者から求められたら提示する
- 所属建設業者が変わったら30日以内に変更の手続き
- 期限切れの資格者証でも、許可申請での資格・実務経験の確認には使える(愛知県FAQ)
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