留学生をアルバイトとして雇用する際、企業の採用担当者や留学生本人がまず押さえておくべきなのが「就労時間の上限」です。留学生は資格外活動許可を受けていれば働くことができますが、無制限に働けるわけではなく、法律で定められた時間の枠内でしか就労が認められていません。

本記事では、出入国在留管理庁の「出入国審査・在留審査Q&A」Q65・Q66の内容にもとづき、留学生アルバイトの就労時間ルールを具体的に解説します。

原則は「1週28時間以内」

出入国在留管理庁のQ&Aでは、次のように説明されています。

「留学生については、包括的な資格外活動許可を受けている場合には、1週について、28時間以内(夏期・冬期休業等の教育機関の長期休業中は、1日8時間以内)の就労(風俗営業等への従事を除き、教育期間に在籍している場合に限る。)が可能です。」(出入国審査・在留審査Q&A Q65より)

このルールのポイントを整理すると、次のとおりです。

  1. 原則は1週間あたり28時間以内であること
  2. 夏休み・冬休みなど教育機関の長期休業期間中は、1日8時間以内という特例が適用されること
  3. 風俗営業等への従事は除外されること
  4. あくまで教育機関に在籍している間に限られること

「1週28時間」という制限は曜日や締め日を固定するものではなく、直近1週間の実労働時間の合計で判断されるのが一般的な考え方です。複数のアルバイト先を掛け持ちしている場合は、それぞれの勤務時間を合算して28時間以内に収める必要があるため、注意が必要です。

長期休業中は1日8時間まで

夏休みや冬休みなど、学校が定める長期休業期間中は、通常の「週28時間」という縛りが「1日8時間以内」という基準に切り替わります。Q&AのQ66でも改めて次のように確認されています。

「『留学』の在留資格の方が資格外活動許可をお持ちの場合は、夏休み等の教育機関の長期休業期間にあっては、1日について8時間以内の資格外活動が可能です。」(同Q&A Q66より)

つまり、長期休業中であれば、1日8時間×週5日勤務のような、通常の正社員に近い働き方も理論上は可能になります。夏休み期間だけ集中的に働きたい留学生や、繁忙期に長時間の勤務を任せたい企業にとっては、この特例をうまく活用することがポイントになります。

ただし、この「1日8時間」という基準はあくまで長期休業期間中に限られるものであり、通常の授業期間中は原則どおり週28時間以内に戻ることを忘れてはいけません。

個別的な資格外活動許可の場合は証印を確認

留学生の中には、包括的な許可ではなく個別的な資格外活動許可を受けているケースもあります。この場合は、旅券に貼付されている証印に、許可された活動内容や時間などの条件が具体的に記載されていますので、雇用する側・される側ともに、その内容をよく確認する必要があります(出入国審査・在留審査Q&A Q66参照)。

雇用主が注意すべきポイント

企業の人事担当者が留学生をアルバイトとして採用する際は、次の点に留意しましょう。

  • 在留カードで在留資格と資格外活動許可の有無を確認する:「留学」や「家族滞在」の在留資格を持つ人を雇用する場合は、資格外活動許可を受けているかどうかを必ず確認する必要があります。
  • 就労時間の管理を徹底する:複数店舗を展開する企業や、掛け持ちで働く留学生を雇う場合、他店舗・他社での勤務時間まで正確に把握するのは難しい面がありますが、雇用主としても時間管理に協力する姿勢が求められます。
  • 風俗営業等での就労は不可:資格外活動許可があっても、風俗営業等の業種での就労は認められていません。

これらのルールを超えて就労させた場合、留学生本人だけでなく、事情を知りながら雇用した企業側も、不法就労助長罪に問われるリスクがあることを理解しておく必要があります。

まとめ

留学生アルバイトの就労時間は、原則として1週28時間以内、夏休み・冬休みなどの長期休業期間中は1日8時間以内という明確なルールが定められています。これは出入国在留管理庁の公式Q&Aで具体的に示されている基準であり、留学生本人はもちろん、雇用する企業側もこのルールを正しく理解しておくことが、安心して働き・雇用するための第一歩です。就労時間の管理に不安がある場合は、資格外活動許可の内容を改めて確認し、必要に応じて専門家に相談することをおすすめします。