かつて市区町村で管理されていた外国人登録原票は、外国人登録制度の廃止に伴い、現在は出入国在留管理庁が保有する行政文書となっています。「自分の外国人登録原票を確認したい」「亡くなった親族の記録を調べたい」という場合、どこに、どのように請求すればよいのでしょうか。

本記事では、出入国在留管理庁「Q&A特別永住者の制度について!よくある質問」の内容に基づき、外国人登録原票の開示請求方法について解説します。

外国人登録原票の開示請求はどこにすればよいか

外国人登録法が廃止される以前は、外国人登録に関する記載事項の変更などは市区町村で管理されていました。そのため、「今も市区町村に請求すればよいのでは」と考える方もいるかもしれません。

しかし、同資料によると、外国人登録原票は出入国在留管理庁において保有する行政文書となったため、「個人情報の保護に関する法律」第77条第1項に基づき、開示請求を行うことができるとされています。

開示請求窓口は、出入国在留管理庁総務課出入国情報開示係です。従来のように市区町村の窓口では対応していない点に注意しましょう。相続関係の調査や、過去の在留履歴の確認などで外国人登録原票が必要になった場合は、まずこの窓口への請求方法を確認することから始める必要があります。

死亡した親族の外国人登録原票を請求できるか

自分自身の記録だけでなく、既に亡くなった親族の外国人登録原票を確認したいというケースも少なくありません。相続手続きや親族関係の証明のために必要になることもあるでしょう。

同資料によると、次のいずれかに該当する方は、死亡した外国人に係る外国人登録原票の写しの交付請求を行うことができるとされています。

  1. 請求に係る死亡した外国人の死亡の当時における同居の親族
  2. 請求に係る死亡した外国人の死亡の当時における配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む)、直系尊属、直系卑属又は兄弟姉妹
  3. 上記1又は2の法定代理人
  4. 上記1又は2から委任を受けた任意代理人

このように、請求できる範囲は「死亡当時の同居の親族」または「配偶者・直系尊属・直系卑属・兄弟姉妹」という一定の親族関係を持つ方に限定されており、これらの方から委任を受けた任意代理人(行政書士等が想定されます)も請求可能です。相続手続きなどで親族の情報が必要な場合は、ご自身がこの請求資格に該当するかどうかをまず確認しましょう。

氏名や住居地の変更履歴を確認したい場合

外国人登録制度が廃止された後、氏名や住居地等の変更をどのように確認すればよいかという点も、実務上よく問題になります。同資料では、次のように整理されています。

  • 外国人登録法が廃止される前に外国人登録に係る記載事項の変更登録を申請していた方、及び在留カード又は特別永住者証明書の交付を受けて記載事項の変更の届出をしている方は、出入国記録マスタファイルの開示請求を行うことで確認できます。
  • ただし、コンピュータに入力されていない1981年10月1日より前の変更について必要な場合は、外国人登録原票の開示請求を行う必要があります。

つまり、比較的新しい変更履歴であれば出入国記録マスタファイルの開示請求で足りますが、古い時代(1981年10月1日より前)の変更履歴を確認したい場合には、改めて外国人登録原票の開示請求が必要になるという使い分けがある点に注意しましょう。なお、こちらの開示請求窓口も同じく出入国在留管理庁総務課出入国情報開示係です。

実務上のポイント

  1. 窓口は市区町村ではなく出入国在留管理庁。請求先を誤らないようにしましょう。
  2. 死亡した親族分の請求は、親族関係の証明書類の準備が必要になることが想定されます。事前に戸籍謄本等、関係性を証明できる資料を整えておくとスムーズです。
  3. 古い変更履歴は外国人登録原票、新しい履歴は出入国記録マスタファイルという使い分けを理解しておきましょう。
  4. 相続や親族関係の調査で必要な場合は、行政書士等の専門家に依頼して任意代理人として請求してもらうことも可能です。

まとめ

外国人登録原票の開示請求は、現在は市区町村ではなく出入国在留管理庁総務課出入国情報開示係が窓口となっています。死亡した親族分の請求については、同居の親族や配偶者・直系尊属・直系卑属・兄弟姉妹など一定の範囲の方(またはその代理人)に限って認められています。手続きが複雑に感じられる場合は、行政書士などの専門家にご相談ください。