高度専門職の在留資格には1号と2号があり、2号は在留期間が無期限になるなど1号よりもさらに優遇された在留資格です。この高度専門職2号へは、どのような要件を満たせば移行できるのでしょうか。

本記事では、「出入国管理及び難民認定法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄の基準を定める省令」第2条の内容に基づき、高度専門職2号への移行要件について解説します。

高度専門職2号の基準の全体像

同省令第2条によると、高度専門職2号の在留資格に該当するためには、第2号許可を受ける時点において、次の各号のいずれにも該当することが必要とされています。

  1. 次のイからニまでのいずれかに該当すること(下記で詳述)
  2. 高度専門職の在留資格(法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号イからハまでに係るものに限る)をもって本邦に3年(特別高度人材にあっては、1年)以上在留して同号に掲げる活動を行っていたこと
  3. 素行が善良であること
  4. 当該外国人の在留が日本国の利益に合すると認められること

つまり、単に高度専門職1号として活動していただけでは足りず、一定期間の在留実績に加え、ポイント基準等の維持、素行、国益適合性という複数の要件をクリアする必要があります。

「1号該当性」の要件(第1号イからニ)

第2条第1号では、次のいずれかに該当することが求められます。

  • イ:高度専門職の在留資格をもって本邦に在留していた外国人であって、特別高度人材であること
  • ロ:高度専門職の在留資格(第一号イに係るものに限る)をもって在留していた外国人にあっては、第1条第1項第1号の表(学歴・職歴・年収・年齢等の点数表)による合計点数が70点以上であること
  • ハ:高度専門職の在留資格(第一号ロに係るものに限る)をもって在留していた外国人にあっては、第1条第1項第2号の表による合計点数が70点以上であり、かつ、契約機関及び外国所属機関から受ける報酬の年額の合計が300万円以上であること
  • ニ:高度専門職の在留資格(第一号ハに係るものに限る)をもって在留していた外国人にあっては、第1条第1項第3号の表による合計点数が70点以上であり、かつ、活動機関及び外国所属機関から受ける報酬の年額の合計が300万円以上であること

つまり、高度専門職2号への移行にあたっても、基本的には1号のときと同様のポイント計算(学歴・職歴・年収・年齢・研究実績・特別加算など)を改めて行い、引き続き70点以上を維持していることが前提となります。ただし、特別高度人材(特に高度の専門的な能力を有する人材として法務省令で定める基準に適合する者)に該当する場合は、ポイント計算によらずイの要件を満たすことができます。

在留期間要件が「3年」から「1年」に短縮される特別高度人材

高度専門職2号への移行要件の中でも特に注目したいのが、在留期間要件の緩和です。同省令第2条第1号ロによれば、通常は高度専門職の在留資格をもって3年以上在留して活動を行っていたことが求められますが、特別高度人材に該当する場合は、この期間が1年以上に短縮されます。

特別高度人材とは、特に高度の専門的な能力を有する人材として別に法務省令(特別高度人材の基準を定める省令)で定める基準に適合する者をいいます。高度専門職のポイント制において非常に高い評価を得られる人材(高年収や卓越した実績を持つ人材など)がこれに該当し得るものとされています。

この在留期間要件の緩和は、優秀な高度人材の日本への定着を早期に後押しする狙いがあるものと考えられ、通常より短い在留実績で2号への移行、ひいては将来的な永住許可申請の準備を進められるという点で、大きなメリットといえます。

素行善良・国益適合の要件

ポイント基準や在留期間要件を満たしていても、素行が善良でなければならず、また当該外国人の在留が日本国の利益に合すると認められることが必要です。これらは他の多くの在留資格審査でも共通して求められる一般的な要件ですが、高度専門職2号においても明文で規定されている点は押さえておきましょう。

申請時点でみなす規定

同省令第2条第2項では、法第6条第2項、第20条第2項又は第22条の2第2項の規定による申請の時点において前項各号のいずれにも該当する者は、当該申請に係る第2号許可を受ける時点においても同項各号のいずれにも該当するものとみなすとされています。つまり、申請時点で要件を満たしていれば、審査を経て許可を受ける時点までに多少の状況変化があったとしても、基本的には申請時点の状態で判断される仕組みになっています。

実務上のポイント

  1. 在留期間のカウントを正確に把握する。通常は3年、特別高度人材は1年という要件を満たしているか、在留資格認定証明書交付や在留資格変更許可等を受けた日からの経過期間を正確に確認しましょう。
  2. ポイント基準は1号のときと同様に再計算が必要。年収や年齢の変化によって点数が変動することもあるため、移行申請前に改めてポイント計算をしておくことが望ましいです。
  3. 特別高度人材の該当性は別の省令(特別高度人材の基準を定める省令)で判断されるため、該当する可能性がある場合は、その基準についても確認しておく必要があります。

まとめ

高度専門職2号への移行には、ポイント基準(またはそれに代わる特別高度人材該当性)、在留期間要件(原則3年、特別高度人材は1年)、素行善良性、国益適合性という複数の要件を満たす必要があります。特に特別高度人材については在留期間要件が大幅に短縮される点が大きな特徴です。移行のタイミングや要件充足の判断に迷う場合は、行政書士など専門家への相談をおすすめします。