高度専門職の在留資格を持つ外国人(高度専門職外国人)は、一定の条件を満たすことで、家事使用人を「特定活動」の在留資格で日本に帯同することができます。ただし、この帯同には世帯年収や雇用継続年数など、細かな条件が定められています。

本記事では、「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の規定に基づき同法別表第一の五の表の下欄に掲げる活動を定める件」(特定活動告示)の内容に基づき、高度専門職外国人が家事使用人を帯同できる条件について解説します。

家事使用人帯同に共通する基本条件

特定活動告示に定められた高度専門職外国人の家事使用人帯同に関する規定には、いくつかのパターンがありますが、共通する基本的な条件として、家事使用人となる者は次の要件を満たす必要があります。

  • 18歳以上であること
  • 雇用主である高度専門職外国人が使用する言語により日常会話を行うことができる個人的使用人として雇用されていること
  • 月額20万円以上の報酬を受けて、当該高度専門職外国人の家事に従事すること

これらはいずれのパターンにも共通する基本ラインであり、これに加えて、雇用主である高度専門職外国人の世帯年収や、雇用の継続状況などに応じた追加の条件が課されます。

パターン1:一般の高度専門職外国人による帯同(告示二の二)

同告示の「二の二」では、申請人以外に家事使用人を雇用していない高度専門職外国人であって、申請の時点で当該高度専門職外国人が受ける報酬の年額と、その配偶者が受ける報酬の年額とを合算した額(「世帯年収」)が1,000万円以上である場合に、家事使用人の帯同が認められる活動が定められています。

この場合の家事使用人は、次のいずれかに該当する必要があります。

  • 当該高度専門職外国人と共に本邦に転居する場合:継続して1年以上その高度専門職外国人に個人的使用人として雇用されている者
  • 当該高度専門職外国人と共に本邦に転居しない場合:その者が本邦に転居するまで継続して1年以上雇用されており、かつ、転居後も引き続きその者又はその者が本邦に転居する前に同居していた親族に個人的使用人として雇用されるものであること

このように、単に「高度専門職外国人であること」だけでなく、雇用関係が一定期間(1年以上)継続していることが求められる点が特徴です。

パターン2:金融関連業務に従事する高度専門職外国人による帯同(告示二の三)

同告示の「二の三」では、次のいずれにも該当する高度専門職外国人について、家事使用人の帯同を認める規定が置かれています。

  • イ:金融商品取引法に規定する第二種金融商品取引業、投資助言・代理業又は投資運用業に係る業務に従事していること
  • ロ:世帯年収に応じて、次の区分に該当すること
  • 世帯年収1,000万円以上3,000万円未満:申請人以外に家事使用人を雇用していないこと
  • 世帯年収3,000万円以上:申請人以外に家事使用人を雇用していない、又は申請人以外に雇用している家事使用人の数が1人であること

つまり、金融関連業務に従事する高度専門職外国人については、世帯年収が3,000万円以上であれば、既に1人の家事使用人を雇用している場合でも、さらにもう1人の帯同が認められる余地があるという点で、一般のケースよりも柔軟な設計になっています。

パターン3:特別高度人材による帯同(告示二の四)

同告示の「二の四」では、次のいずれにも該当する高度専門職外国人についての規定が置かれています。

  • イ:特別高度人材の基準を定める省令の基準に適合している者であること
  • ロ:世帯年収に応じて、次の区分に該当すること
  • 世帯年収3,000万円未満:申請人以外に家事使用人を雇用していないこと
  • 世帯年収3,000万円以上:申請人以外に家事使用人を雇用していない、又は申請人以外に雇用している家事使用人の数が1人であること

このように、特別高度人材に該当する場合も、二の三の金融関連業務従事者と同様に、世帯年収3,000万円以上であれば2人目の家事使用人の帯同が視野に入る設計となっています。特別高度人材は高度専門職のポイント制において極めて高い評価を得られる人材であることから、より手厚い優遇措置が設けられているとみることができます。

家事使用人本人が本邦から出国する場合の条件

同告示では、家事使用人として雇用されている者が、高度専門職外国人の負担においてその者と共に本邦から出国することが予定されている場合についても言及されています。この場合、再入国許可を受けて出国する場合を除き、雇用契約や報酬要件(月額20万円以上)等の基本条件を満たしていることが前提とされています。

実務上のポイント

  1. 世帯年収の計算方法に注意。世帯年収は「高度専門職外国人本人の報酬年額」と「配偶者の報酬年額」を合算した額であり、家事使用人本人の報酬額は含みません。
  2. 雇用継続年数(1年以上)の証明が必要になる場合がある。特に一般パターン(二の二)では、雇用関係の継続性を裏付ける資料の準備が重要です。
  3. 従事する業務内容によって適用される規定が異なる。金融関連業務に従事する高度専門職外国人や特別高度人材に該当する場合は、より柔軟な帯同条件が適用される可能性があるため、該当性を丁寧に確認しましょう。
  4. 家事使用人本人も18歳以上・日常会話可能・月額20万円以上の報酬という基本条件を満たす必要がある点は、いずれのパターンでも共通です。

まとめ

高度専門職外国人による家事使用人の帯同は、世帯年収や雇用継続年数、さらには従事する業務内容(金融関連業務や特別高度人材への該当性)によって条件が細かく分かれています。ご自身のケースがどの条件に当てはまるか判断が難しい場合は、行政書士など専門家に相談しながら申請準備を進めることをおすすめします。