引っ越しをした際、特別永住者の方は住居地の届出を行う必要があります。しかし、「住民票の転入届と別に手続きが必要なのか」「期限はいつまでか」といった点で迷う方も多いのではないでしょうか。

本記事では、出入国在留管理庁「Q&A特別永住者の制度について!よくある質問」の内容をもとに、特別永住者の住居地届出のルールについて解説します。

引っ越したら14日以内に新住居地の届出を

同資料によると、住居地を変更したときは、新住居地に移転した日から14日以内に、新住居地の市区町村において、その新住居地を届け出る必要があります。

この14日というのは決して長い期間ではありません。引っ越し直後は荷解きや各種住所変更手続きなどで慌ただしくなりがちですが、住居地の届出も優先度の高い手続きの一つとして、早めに済ませておくことをおすすめします。

住基法上の転入・転居届との関係

住居地の変更というと、多くの方は住民基本台帳法(住基法)に基づく「転入届」や「転居届」を思い浮かべるのではないでしょうか。実は、特別永住者証明書を使ったこれらの届出と、入管特例法上の住居地の届出には、次のような関係があります。

同資料によると、外国人の負担軽減の観点から、特別永住者の方が、特別永住者証明書を提出して住基法上の転入・転居届をした場合には、入管特例法上の住居地の届出とみなすこととされています(入管特例法第10条第4項及び第5項)。

つまり、住民票の転入・転居届の際に特別永住者証明書(またはみなし規定により証明書とみなされる旧外国人登録証明書)を窓口で提出すれば、それだけで入管特例法上の届出義務も同時に果たしたことになり、別途に入管特例法上の届出を重ねて行う必要はありません。

転出手続には、みなし規定は適用されない

一方で注意したいのが、住居地の「転出」手続についてです。同資料によれば、住居地の転出手続は入管特例法において規定されていないため、住基法上の転出届の際に特別永住者証明書を提出したとしても、それが住居地の届出とみなされることにはなりません。転入・転居のタイミングで正しく手続きを行うことが重要になります。

証明書を持参しなかった場合は要注意

また、住基法上の転入・転居届をする際に特別永住者証明書を持参しなかったこと等により、当該届が先に行われた場合には、前述のみなし規定は適用されません。この場合、改めて住居地の市区町村において住居地の届出を行う必要があるとされています。

つまり、「住民票の手続きさえ済ませておけば自動的に大丈夫」というわけではなく、その際に特別永住者証明書をきちんと提出できたかどうかがポイントになります。引っ越し手続きの際は、必ず特別永住者証明書を持参するようにしましょう。

証明書の裏面がいっぱいになったら

長年にわたって何度も引っ越しをしていると、特別永住者証明書の裏面に住居地を書ききれなくなることもあります。この点について同資料は、運転免許証の裏面に住所変更が書ききれなくなった場合と同様に、市区町村窓口で裏面に専用の紙を貼り付けて記載することとしており、このことだけを理由に新しい証明書が交付されることはない(写真や手数料の用意も不要)と説明しています。

実務上のポイント

  1. 引っ越したら14日以内に新住居地の市区町村へ。うっかり忘れがちな期限なので、転居後早めに手続きしましょう。
  2. 住民票の転入・転居届の際は必ず特別永住者証明書を持参。これにより入管特例法上の届出も同時に完了します。
  3. 転出届では届出義務は果たせない点に注意。転入・転居のタイミングでの届出が重要です。
  4. 裏面が埋まっても新しい証明書は不要。専用紙の貼付で対応してもらえます。

まとめ

特別永住者の住居地届出は、引っ越しから14日以内に新住居地の市区町村で行う必要があります。特別永住者証明書を提出して住基法上の転入・転居届を行えば、入管特例法上の届出とみなされ二重の手続きは不要になりますが、証明書を持参しなかった場合はこのみなし規定が適用されない点に注意が必要です。手続きに不安がある方は、行政書士など専門家への相談もご検討ください。