監理措置決定を受けて社会内での生活を送っている方にとって、「働くことができるのかどうか」は生活を維持する上で非常に重要な問題です。本記事では、出入国在留管理庁「監理措置に関するQ&A」の内容に基づき、監理措置中の就労、いわゆる「報酬を受ける活動」について解説します。

原則として在留資格がない外国人は働けない

まず前提として、Q&Aでは次のように説明されています。

在留資格がない外国人は、原則として、働くことが認められていません。

監理措置決定を受けている被監理者の多くは、退去強制事由に該当する状況にあり、在留資格を有していないことが多いため、原則としては就労が認められません。

例外的に「報酬を受ける活動」が認められる場合がある

ただし、これには例外があります。Q&Aによれば、退去強制令書の発付前であれば、被監理者の生計を維持するために必要であって、相当と認められるときは、被監理者の申請により、生計の維持に必要な範囲内で、就労先を指定するなど一定の厳格な要件の下で、例外的に報酬を受ける活動が認められることがあります(法第44条の5第1項)。

つまり、「収容もされず、かつ全く働けない」という状態が続くと生活が成り立たなくなってしまう可能性があるため、生計維持の必要性が認められる場合に限り、厳格な要件のもとで例外的に就労が許可される仕組みが用意されているのです。

なお、被監理者が、この許可を受けずに不法に就労したときは、処罰を受けることがあるとされています。無許可での就労は重大なリスクを伴うため、必ず正式な許可を受けてから働く必要があります。

報酬を受ける活動の申請方法

報酬を受ける活動の申請をするときは、被監理者の事務を担当している地方出入国在留管理官署に対して、報酬を受ける活動の許可申請書や必要な書類を提出する必要があります。この申請は、報酬を受ける活動を行う本人がしなければならないとされています。

必要書類としては、例えば次のようなものが挙げられています。

  • 労働条件を明示する文書(雇用契約書や労働条件通知書等)
  • 就業予定機関の本店や事業所が日本にあることを疎明する資料
  • 就業予定機関の直近3か月分の所得税徴収高計算書の写し
  • 被監理者本人や生計を一にする親族等の収入・資産を疎明する資料
  • 監理人等からの援助の有無や額を疎明する資料
  • 被監理者が住んでいる住居の賃貸借契約書の写し

働ける内容にも制限がある

報酬を受ける活動が許可された場合、勤務先・活動の内容・報酬額の上限が、監理措置決定通知書に条件として記載されます。勤務先は、申請の際に提出された雇用契約書等に基づき、主任審査官が指定します。

また、どのような活動でも認められるわけではありません。例えば、次のような場合には「報酬を受ける活動として相当」でないと判断されます。

  • 従事しようとする活動が法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる場合
  • 風俗営業等に関連する活動である場合
  • 勤務先が源泉徴収義務を適切に履行していると認められない場合

さらに、報酬を受ける活動の許可の対象は「本邦の公私の機関との雇用に関する契約に基づいて行う報酬を受ける活動」であるため、被監理者が自分で会社を経営するなど、収入を伴う事業を運営する活動を行うことはできないとされています。

報酬額にも上限がある

報酬を受ける活動は、生計の維持に必要な範囲内で許可することができるとされています。報酬額の上限は、生活保護における生活扶助及び住宅扶助の水準を参考にしつつ、被監理者や生計を一にする者等の資産及び収入、監理人等の第三者による援助の見込み等を考慮して、個別の事案ごとに判断され、監理措置決定通知書に記載されます。

退去強制令書発付後は原則として働けない

なお、退去強制令書が発付された被監理者は、働くことができません。法令に基づく手続の結果、退去強制が確定した外国人は、速やかに本邦から退去することが原則であるためです。この場合に不法に就労したときは処罰を受けることがあるとされています。就労可能な在留資格を有している被監理者が、その在留資格に応じた活動を行う場合は、この許可申請は不要です。

まとめ:無許可就労は避け、正式な手続きを

監理措置中は原則として就労が認められませんが、生計維持の必要性が認められる場合には、厳格な要件のもとで例外的に「報酬を受ける活動」が許可されることがあります。無許可のまま働いてしまうと処罰の対象となる可能性があるため、必ず正式な許可申請の手続きを踏む必要があります。

生活のために働く必要があるが手続きが分からないという方は、行政書士や弁護士などの専門家に相談し、必要書類の準備や申請の進め方についてサポートを受けることをおすすめします。