日本で働く外国人の方や、留学生として在留する方から、「母国にいる配偶者や子どもを日本に呼び寄せたい」というご相談をよく受けます。このようなときに用いられるのが「家族滞在」という在留資格です。今回は、出入国管理及び難民認定法第7条第1項第2号の基準を定める省令(いわゆる上陸基準省令)の「家族滞在」の項の規定と、出入国在留管理庁のQ&Aをもとに、家族滞在ビザで扶養家族を呼び寄せるための要件を解説します。

「家族滞在」の上陸許可基準

上陸基準省令では、「家族滞在」の在留資格に係る活動の基準について、次のように定められています。

申請人が法別表第一の一の表若しくは二の表の上欄の在留資格、文化活動の在留資格又は留学の在留資格(この表の法別表第一の四の表の留学の項の下欄に掲げる活動の項第一号イ又はロに該当するものに限る。)をもって在留する者の扶養を受けて在留すること。(出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令)

少し難しい表現ですが、整理すると次のようになります。「家族滞在」の在留資格を取得するためには、申請人(呼び寄せられる家族)が、次のいずれかの在留資格をもって日本に在留する方の扶養を受けて生活することが必要です。

  • 法別表第一の一の表の在留資格(教授、芸術、宗教、報道など)
  • 法別表第一の二の表の在留資格(経営・管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能など、いわゆる就労系の在留資格)
  • 文化活動の在留資格
  • 留学の在留資格(ただし、大学や専門学校等に入学して教育を受ける場合など、上陸基準省令が定める一定の類型に限られます)

つまり、就労系の在留資格で働く方や、大学・専門学校等に通う留学生であれば、その扶養を受ける家族を「家族滞在」として日本に呼び寄せることができる、という仕組みになっています。

日本語学校の留学生は対象外になる場合がある

ここで注意したいのが、留学の在留資格による扶養者としての範囲には制限がある点です。出入国審査・在留審査Q&AのQ41では、次のように説明されています。

日本語学校の生徒は、家族を呼び寄せることは可能ですか。
(回答)扶養者が日本語教育機関の留学生の場合、その学校種別を問わず、在留資格「家族滞在」による呼び寄せの対象にはなりません。(出入国審査・在留審査Q&A Q41より)

つまり、専ら日本語教育を受けるために来日している留学生(日本語学校の生徒)は、扶養者として家族を「家族滞在」で呼び寄せることはできません。これは、上陸基準省令が定める留学の類型のうち、大学・専門学校等に入学して教育を受ける場合(第一号イ又はロに該当するもの)に限って家族滞在の扶養者となり得るという規定に対応しています。日本語学校在学中の方が家族を呼び寄せたいと希望される場合には、この点をあらかじめ理解しておく必要があります。

呼び寄せの対象になる家族の範囲

出入国審査・在留審査Q&AのQ56では、家族の呼び寄せについて次のように説明されています。

中長期在留者(例:「家族滞在」等)として呼び寄せることができるのは、原則として、日本に在留する方の扶養を受ける配偶者又は子に該当する方です。
なお、高度外国人材に対する優遇措置(※)を除き、外国人の親であることを理由として付与される在留資格はありません。(出入国審査・在留審査Q&A Q56より)

つまり、「家族滞在」で呼び寄せられるのは、原則として扶養を受ける配偶者または子に限られます。親を呼び寄せたいというご相談も多いのですが、原則としては「家族滞在」の対象にはならない点に注意が必要です(高度専門職外国人の親については、別の枠組みで「特定活動」による入国・在留が認められる場合があります)。

年齢制限について

家族滞在で呼び寄せる子どもの年齢について気になる方も多いでしょう。出入国審査・在留審査Q&AのQ48では、次のように説明されています。

家族滞在で来日できる年齢の制限はありますか。
(回答)扶養を受ける前提であれば、特に年齢の制限はありません。(出入国審査・在留審査Q&A Q48より)

つまり、法律上、明確な年齢の上限や下限が設けられているわけではなく、あくまで「扶養を受ける実態があるかどうか」が実質的な判断基準になります。成人した子どもであっても、経済的に親の扶養を受けている実態があれば、家族滞在の対象となり得ると考えられます。

実務上のポイント

  • 呼び寄せる本人(扶養者)の在留資格が、家族滞在の扶養者となり得る類型に該当しているかを最初に確認しましょう。特に留学の在留資格の場合は、通っている教育機関の種類(大学・専門学校か、日本語学校か)によって扱いが分かれます。
  • 「扶養を受けて生活する」という実態が重要視されるため、経済的なつながりを示す資料(送金記録や生活費の負担状況など)を準備しておくと安心です。
  • 親の呼び寄せは原則として対象外であるため、親と同居したい場合には、別の在留資格や制度の利用を検討する必要があります。

まとめ

  • 「家族滞在」の在留資格を取得するには、扶養者が一定の就労系在留資格、文化活動、または大学・専門学校等での留学の在留資格を持っていることが必要です。
  • 日本語学校の留学生を扶養者とする場合は、家族滞在による呼び寄せの対象になりません。
  • 呼び寄せの対象は原則として扶養を受ける配偶者または子であり、年齢制限は特に設けられていません。

ご家族の呼び寄せを検討されている方は、扶養者の在留資格の種類や在学している教育機関の種類によって結果が大きく異なることがあります。事前に専門家へご相談いただくことをおすすめします。

出典:出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令(家族滞在の項)、出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」Q41、Q48、Q56