海外での盗難や国内での置き忘れなど、さまざまな事情でパスポート(旅券)を紛失してしまうことがあります。新しいパスポートを取得した後、「以前のパスポートに押されていた上陸許可証印や再入国許可証印はどうなるのか」「そのまま古いパスポートを使い続けてよいのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」の内容をもとに、パスポートを紛失した場合や新しい旅券を取得した場合の証印の取扱いについて解説します。
新しい旅券に証印を移すことはできるのか
出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」によると、新たな旅券の発給を受けた方で、旧旅券に押されている現に有効な上陸許可、在留許可(在留カードの交付を受けている者を除きます)、再入国許可又は資格外活動許可に係る証印について、新旅券への転記を希望される場合には、住居地を管轄する地方出入国在留管理局等で、証印転記願出書を提出する必要があるとされています。証印転記願出書は地方出入国在留管理局等で入手できます。
つまり、パスポートを紛失して新しいパスポートを取得した場合でも、一定の手続を経れば、旧旅券にあった証印を新しい旅券に転記してもらうことが可能ということです。手続の際には、証印転記願出書を提出することになります。
紛失証明書を持っている場合
パスポートを紛失した場合、発行元の大使館・領事館等から紛失証明書が発行されることがあります。出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」では、紛失証明書などをお持ちの場合には、それも持参するよう案内されています。手続をスムーズに進めるためにも、紛失証明書を取得している場合は忘れずに持参しましょう。
パスポートを新しく作り替えた場合(紛失以外のケース)
パスポートの紛失だけでなく、有効期限が迫っているために新しいパスポートに切り替えるケースもあります。この場合についても、出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」で取扱いが説明されています。
新旧の旅券を両方持参すれば、地方出入国在留管理局等の手続はすべて問題なく行うことができるとされています。したがって、古いパスポートに上陸許可証印や再入国許可証印が残っていたとしても、新旧2冊のパスポートを持参することで、通常の出入国手続や在留手続を行うことができます。
その上で、旧旅券に押されている証印を新旅券へ転記したい場合には、紛失時と同様に、住居地を管轄する地方出入国在留管理局等で証印転記願出書を提出することになります。その際は、古い旅券と新しい旅券の両方を持参する必要があります。
「旅券に代わる証明書」とは
地方出入国在留管理局等での手続案内のはがきなどに、持参するものとして「旅券(又は旅券に代わる証明書)」と記載されていることがあります。この「旅券に代わる証明書」とは何を指すのか、疑問に思う方もいらっしゃるでしょう。
出入国在留管理庁「出入国審査・在留審査Q&A」によれば、「旅券に代わる証明書」とは、国際連合通行証、難民旅行証明書、日本国政府が発行する渡航文書等を指すとされています。一方で、運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードはこれに該当しないと明記されています。
パスポートを紛失して手元にない場合、身分証明として運転免許証やマイナンバーカードを持参すれば足りると考えてしまいがちですが、これらは「旅券に代わる証明書」には当たりませんので注意が必要です。パスポートの再発給を受けるまでの間に手続が必要な場合は、事前に地方出入国在留管理局等に相談されることをおすすめします。
よくある質問
Q. パスポートを紛失して新しいパスポートを作りましたが、古いパスポートにあった証印は自動的に新しいパスポートに引き継がれますか。
A. 自動的に引き継がれるわけではありません。転記を希望する場合は、住居地を管轄する地方出入国在留管理局等で証印転記願出書を提出する手続が必要です。
Q. 紛失証明書がない場合は証印の転記はできませんか。
A. 出入国審査・在留審査Q&Aでは、紛失証明書などをお持ちの場合には持参するよう案内されていますが、まずは管轄の地方出入国在留管理局等にご相談されることをおすすめします。
Q. 有効期限切れが近いため新しいパスポートに切り替えましたが、古いパスポートも持っておくべきですか。
A. 新旧の旅券を両方持参すれば地方出入国在留管理局等の手続を問題なく行うことができるとされていますので、証印の転記手続が完了するまでは両方保管しておくとよいでしょう。
まとめ
パスポートを紛失した場合や新しいパスポートに切り替えた場合、旧旅券にあった上陸許可証印や再入国許可証印は、住居地を管轄する地方出入国在留管理局等で証印転記願出書を提出することにより、新しい旅券へ転記することが可能です。紛失証明書をお持ちの場合は持参し、新旧の旅券がある場合はいずれも携行することで、手続をスムーズに進めることができます。
パスポートの紛失や再発給に伴う入管手続についてご不安な点がありましたら、行政書士事務所までお気軽にご相談ください。